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就労ビザ変更申請で留学生が自白した資格外活動(アルバイト)週28時間超過

2025年03月07日

技術・人文知識・国際業務在留資格一般

就労ビザ変更申請で留学生が自白した資格外活動(アルバイト)週28時間超過

この事例解説でわかること

1. はじめに:資格外活動違反がある場合の在留資格変更の難しさ 1

2. 技術・人文知識・国際業務ビザ変更申請の概要 1

3. 資格外活動違反が在留資格変更に与える影響 1

4. 成功の要因 2

5. 企業側の対応とリスク回避のポイント 3

6. まとめ:企業が知っておくべきポイント 3

7. 谷島行政書士法人の成功率アップ提案 3

資格外活動違反は、留学生の週28時間の超過の類型が同じように見えても、その業種や違反の程度、専従資格外活動違反かどうか、また態様などにより大きく変わります。個別にご相談ください。



1. はじめに:資格外活動違反がある場合の在留資格変更の難しさ

通常、外国人留学生が資格外活動許可の時間制限を超過した場合、在留資格変更許可申請は極めて厳しい審査を受け、不許可となるケースがほとんどです。そのため、多くの場合、申請者は一度出国し、在留資格認定証明書交付申請を経て再入国する必要があります。

しかし、本件においては、適切な申請戦略と十分な立証資料の準備により、日本に在留したまま在留資格変更許可を得ることができました。本事例は、企業の外国人採用におけるリスク管理の観点からも有益な参考事例となります。



2. 技術・人文知識・国際業務ビザ変更申請の概要

申請人:外国人留学生(日本語学校卒業予定)

在留資格:留学から技術・人文知識・国際業務への在留資格変更許可申請

業務内容:通訳・翻訳業務、外国人材支援、海外取引業務

課題:留学中に資格外活動の時間制限を超過

本件では、申請人が新聞奨学生としての勤務をしていた際に、業務の都合上、週28時間の制限を超えてしまったという課題がありました。しかし、適切な申請方針をとることで、企業側の採用計画を変更することなく、スムーズな雇用につなげることができました。



3. 資格外活動違反が在留資格変更に与える影響

資格外活動違反とは?

資格外活動許可を取得した留学生は、通常は週28時間以内、長期休暇中は1日8時間までの労働が認められています(入管法施行規則第19条第5項第1号)。この制限を超えて就労した場合、入管庁に「素行不良」と評価され、在留資格変更の審査において大きな障害となる可能性が高まります。

一般的な対応とリスク

通常、資格外活動違反が判明すると、

❌ 在留資格変更申請は不許可となる可能性が高い

❌ 申請者は一度出国し、在留資格認定証明書交付申請を行う必要がある

❌ 再入国までの期間、企業の採用計画に支障をきたす可能性がある

しかし、本件では、適切な立証と戦略的な申請を行うことで、日本に在留したまま就労ビザ変更が認められました。



4. 成功の要因

本件の成功要因は、資格外活動違反の悪質性が低く、再発防止策が明確であることを立証できた点にあります。

① 時間超過の程度が軽微であり、意図的な違反ではないことを証明

週28時間の制限を著しく超過していたわけではなく、長期休暇中の労働時間規定(1日8時間)と比較しても、重大な違反とは言えない範囲であったことを証明。

過去の事例や行政の判断基準を考慮し、超過時間が相対的に軽微であることを説明。

② 金銭目的ではなく、やむを得ない事情によるものと立証

ダブルワーク(複数の職場での労働)は行っておらず、単一の業務に従事していたことを証明。

学費の支払いのために必要最低限の労働を行っていたものであり、過剰な金銭的利益を追求する意図はなかったことを説明。

③ 学業を疎かにしていなかったことを示し、真摯な留学態度を証明

日本語学校の出席率が高いことを証明する書類を提出。

日本語能力試験N1取得、漢字検定準2級取得など、学業の成果を示す証明書を提出。

成績が優秀であり、学業の本分を果たしていたことを強調。

④ 自主的に是正措置を講じ、再発防止の姿勢を明確化

資格外活動違反が発覚する前に、すでに週28時間以内に抑える努力をしていたことを立証。

新聞配達の仕事を退職し、今後同様の問題が発生しないことを明言。

雇用後は適正な労働時間で就業することを企業側が管理する旨を説明。



5. 企業側の対応とリスク回避のポイント

本件において、企業側は以下の対応を適切に行うことで、リスクを最小限に抑えながら在留資格変更許可を取得することができました。

✅ 採用の必要性を詳細に説明

申請人の語学力(日本語・英語)や業務適性が企業の事業にとって不可欠であることを証明。

海外取引業務、外国人材支援の専門性を強調し、申請人の役割の重要性を明確化。

✅ 企業としての管理体制を強化

今後、労働時間を適正に管理する仕組みを整え、同様の問題が生じないようにする旨を説明。

外国人労働者の適正な労務管理を行うことで、企業としての信頼性を示す。

✅ 行政書士等の専門家との連携

本件のようなケースでは、適切な書類の準備が極めて重要となるため、専門家と連携して申請戦略を策定することが不可欠。



6. まとめ:企業が知っておくべきポイント

本件のように、資格外活動違反がある場合でも、適切な対応を講じることで、在留資格変更が許可される可能性があります。企業としては、以下の点に注意することが重要です。

🔹 資格外活動違反がある場合、軽微な超過であっても、詳細な立証が必要

🔹 学業を継続していたこと、意図的な違反ではないことを明確に示す

🔹 企業側が申請人の採用の必要性を具体的に説明し、適切な管理体制を示す

🔹 行政書士等の専門家と連携し、戦略的な申請を行う

ポイントはガイドラインにおける「素行不良」となる消極的な要素や、「出入国在留管理行政上看過」できないかどうか等です。



7. 谷島行政書士法人の成功率アップ提案

資格外活動違反は時間超過であっても入管庁は重大な違反として慎重になります。

谷島行政書士法人では、適切にリスク分析を行い、成功率を高めるアドバイスと提案をしてまいりました。同時に、立証資料の収集と説明を尽くし、結果を出してまいりました。

企業の外国人採用において、資格外活動違反は大きなリスクとなりますが、適切な対応を講じることで許可の可能性を高めることが可能です。本件のようなケースでお悩みの企業は、ぜひ弊社にご相談ください。

この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士
谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
・外国人ビザ専門。「手続代理」と、企業や弁護士等専門家向けに「外国人雇用の顧問」実績多数。

 - 資格等
特定行政書士、宅建士、アメリカMBA・TOEIC、中国語(HSK2級)他

- 略歴等
・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。

- 取引先、業務対応実績一部
・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他
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