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2024年06月07日 成功事例

「高度専門職1号ハ」の財務等の問題、「経営・管理」との違いや有益なケース

「高度専門職1号ハ」の財務等の問題、「経営・管理」との違いや有益なケース

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回答(「高度専門職1号ハ」の財務等の問題、「経営・管理」との違いや有益なケース

「高度専門職1号ハ」は、「経営・管理ビザ」と比べ有益な点が多い。
1. 5年許可がされる
2. 親を中長期招へい・在留が可能
3. 外国人のメイドなど家事使用人の雇用が可能
4. 永住を最短1年の在留で許可される

 

一方で、デメリットもあります。

1. 会社の指定が条件とされ、転職する場合は事前の在留資格変更許可申請が必要となる。
2. 高度専門職1号ハは、申請資料が「経営・管理ビザ」とほぼ同じものが必要となる。
3. 2に加え、高度専門職ハの状況に応じた申請資料が必要となる。

 

上記の他、許可要件に適合しにくいものは、高度専門職1号ハの方が許可されやすいこともあります。また優先処理となることも有益です。ただし、難解事由があれば2,3か月ほど審査がされる可能性もあります。通常は2週間などで処理されるため、これも考慮が必要です。

以上の様々な判断材料を検討する必要があります。それらを踏まえ、谷島行政書士法人グループは高度専門職その他就労ビザや経営・管理ビザの提案から、入管申請もワンストップで代理代行可能です。

以下、そのような事例を説明いたします(架空の氏名などにしております。)

 

経過

「経営・管理」を持っている外国人が、「高度専門職1号ハ」を取りたいと来所される。

 

主な論点、立証すべき事実

1. 現業従事がありえる疑義

2. そもそも中小企業における高度専門職1号ハは、役員報酬を最もコントロールしやすい立場に近く、売上や経費のボラティリティが大きいことは安定性に疑義を持たれ、問題である(このような観点から、金融機関は融資審査の場合は3期分の決算という期間を重要視することも意義がある)。さらに、赤字、債務超過の問題もあった。

 

 上記のような難解事由がある場合、理由書で論点を絞った説明が有益である。本件は、以下のような立証すべき資料が主に特徴的な事案である。

1. 「高度専門職1号ハ」の特有資料

2. 現業従事の疑義を払拭する資料

3. 債務超過など財務の問題を払拭する資料

 

在留資格申請(変更)に係る添付資料リスト

「高度専門職1号ハ」

 

基本資料・立証資料

 ~略

12、ポイント計算表の各項目に関する疎明資料

(1)   卒業した大学の学位証明書                                                                            1通

(2)   修了した大学院の学位証明書                                                                        1通

(3)   所属していた機関作成の在職証明書                                                             1通

(4)   日本語能力認定書(N1)の写し                                                                   1通

(5)   卒業した大学が特別加算に該当する大学であることを証する資料           1通

(6)   活動機関の代表取締役であることを証する資料                         (16を援用)

 

その他立証資料

Ⅰ、申請理由書                                                                                                             1通

Ⅱ、所属機関の継続性・安定性を証するための文書

(決算文書上では欠損金があり、かつ債務超過となっているが、親会社への買掛金、申請人の役員報酬、納税が負債の9割弱を占める為、実質的にそのいずれでもないことを立証)

A、勘定科目内訳書の写し                                                                                       1通

B、事業改善計画書                                                                                                  1通

C、親会社の決算文書(20●年上期)                                                                     1通

D、親会社のパンフレットの写し                                                                            1通

Ⅲ、●年度の確定申告書表紙(写し)                                                                    1通

Ⅳ、事務所の資料                                                                                                               

(事業に必要な投資設備及び使用権限等から基準省令適合性を立証)

A.平面図                    1通

B.写真                         3枚

(1)事務所の建物外観及び表示の写真                     

(2)備品、電話、FAX、PC及びデスク等の設備の写真          

 Ⅴ、従業員の内定通知書の写し                                                   1通

(現業に従事する従業員がいる事実により、申請人の在留資格該当性を立証)

Ⅵ、履歴書                                                                                                                    1通

(申請人の経歴から真に在留資格に該当する活動の安定性・継続性等を立証)

 ~

 

 

上記のような難解事由がある場合、理由書で論点を絞った説明が有益です。以下は理由書の例です。

 

申請理由書

 

2 在留資格該当性:活動、事業の安定性・継続性

所属機関は●食品の貿易、および様々な物流を行う事業を主に行います。

事業の主要な取引は本国の親会社と行っております。これにより安定性・継続性については充分と思料いたします。

そして申請人は代表取締役であり、もともと親会社の時から日本進出および本国の事業に携わってまいりました。その経緯は事業計画書および履歴書に記載しております(別添、基本資料・立証資料8「事業計画書等」、その他立証資料Ⅵ「履歴書」ご参照)。

 

 

3 基準省令適合性 

本件事務所は、独立性を有するものであり、使用権原もガイドライン等基準に照らしても適正であることから、「事業所が本邦に存在」又は「確保」していることに該当し、この事実を立証いたします(別添、基本資料・立証資料7「建物賃貸借契約書の写し」、その他立証資料事務所の写真」、「事務所の平面図」ご参照)

 

次に、500万円を資本金計上した事実、及びその蓋然性として事業に対し既に相当額を投資していること、その他の費用として決算書にも計上されていること、そして今後の計画をもって証明いたします(別添、基本資料・立証資料6「履歴事項全部証明書」及び基本資料・立証資料8(2)「売上計画書」ご参照)

 

そして、「出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令(平成26年法務省令第37号)」の基準にも適合し、これで80点を取得していることも証明したく、提出致します(別添、基本資料・立証資料11「ポイント計算表」及び同12「ポイント計算表の各項目に関する疎明資料」ご参照)。なお、●大学はQS・ワールド・ユニバーシティ・ランキングス第●位です。

 

 

4 相当性:所属機関の債務超過および欠損金その他

本件は、直近の決算書において、欠損金があり、かつ債務超過となっておりますが、実質的に安定性等を損ねるいずれの事由にも該当しません。

なぜなら、その負債の内訳は、親会社への買掛金、申請人の役員報酬、納税が9割弱を占めるからです。例えば、今債務超過を看過しているのは、親会社からの買掛金などを出資にすることも検討でき、そのようなDES等の手法によっていつでも債務超過が解消できるものだからです。

 そして、赤字についても、申請人の役員報酬を下げることもできるのですが、親会社との取引価額を調整することで解消できるため、その安定性等に問題ないことは同様でございます。しかしながら、事業の改善は常に考えているため、経費低減の計画はございます。

これらの事実を資料により証明致します(別添、その他立証資料A、勘定科目内訳書の写し」、同B「事業改善計画書」、同C「親会社の決算文書(2017年上期)」、同D「親会社のパンフレットの写し」ご参照)

 

 

 

 

結果

 申請から、一度追加資料通知を受けたのち、5営業日で提出した。その結果、一回の申請で許可。審査期間は追加対応を含め2か月半ほど。

 

考察

 申請資料を万全に準備し、多くの立証を行ったため、最初の理由書はシンプルであっても追加資料通知においては論点が絞られたと考える。それによって、5営業日で、追加資料への対応も行うことができた。その結果は、それらの苦労が報われるほど感謝される。

このような過程と結果において精度とスピード向上に全力を尽くし、コストパフォーマンスについてクライアントからの期待を大きく超えることができれば、末永く信頼を頂くことができる。仮にその後の案件では別のスタッフ行政書士が担当についた場合であっても、永住や帰化までご依頼をいただける関係が続くことが多い。

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この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士
谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
・外国人ビザ及び建設業等許認可の手続ならびにコンプライアンスアドバイザリーの実績多数。弁護士等からの依頼も対応。

 - 資格等
特定行政書士、宅建士、アメリカMBA・TOEIC、中国語(HSK2級)他

- 略歴等
・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学(大学院)MBA課程修了、現在に至る。

- 取引先、業務対応実績一部
・外国上場企業などグローバル企業、日本上場企業
・学校、大手法律事務所など弁護士他士業との連携多数
・個人:芸能人等(有名プロデューサーアイドルグループ、ハリウッドセレブ)、漫画家他
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