コラム

2024年05月10日 特定技能

事業者は確認しましょう!雇用している外国人は、払うべき税金を知っていますか?

※本掲載内容は、一般的なケースを想定しており、便宜上の簡略化等により、具体的ケースに即しない場合がございます。実際の案件は、必ず個別にご相談ください。

 

雇用している外国人に給与等を支払う場合、日本人と同様に、所得税の源泉徴収、住民税の特別徴収が必要となります。

 

≪納めるべき税金その1 ~所得税~≫

納税者である外国人は「居住者」「非永住者」「非居住者」に分けられ、所得税の課税方法や税額等が異なります。手続前に、外国人がどこに該当するのか確認しておきましょう。

1.居住者
現在まで1年以上日本にいる人。もしくは生活の中心が日本にあり(住所をもっている)、1年以上働く予定で日本に来ている人。この場合、国内外すべての所得について課税され、年末調整を行う必要あり。

 

2.非永住者
過去10年で住所を持っている期間が5年以下の人。国内で支払われた所得と海外で支払われた所得のうち国内に送金されるなどで得た所得に課税され、年末調整を行う必要あり
(ちなみに5年になった日の翌日から「非永住者以外の居住者」となる。この場合は居住者と同じ。)

 

3.非居住者
上記にあてはまらない短期滞在者。国内の所得に課税され、税額は一律20.42%。翌月10日までに納付し、年末調整を行う必要なし

 

上記の「居住者」「非永住者」に該当する外国人では、日本人従業員の給与計算と変わりはありません
「給与所得の源泉徴収税額表」により税額を算出して徴収し、年末調整により税額を精算します。

 

【年末調整】

年末調整の手続きには主に下記の3つの書類があります。
・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
・給与所得者の保険料控除申告書

 

外国人の場合、ここで日本人と異なる書類があります。

対象の外国人の家族が国外に居住し、扶養控除を受けたいとする場合、
親族関係書類
送金確認書類
を提出してもらう必要があります。
外国語で記載されている場合、あわせて翻訳文も必要です。

 

ⅰ 親族関係書類

次の①または②のいずれかの書類で、国外居住者が申告者本人の親族であることを証するものをいいます。

①次のAおよびBの書類どちらか一方の場合は認められません
 A 戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類でその国外居住の扶養親族が申告者本人の親族であることを証するもの
 B 国外居住親族の旅券(パスポート)の写し

② 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類でその国外居住の扶養親族が申告者本人の親族であることを証するもの(その親族の氏名、住所および生年月日の記載があるものに限ります。)
戸籍の附票の写しやパスポートの写し以外は、原本を求められます

 

ⅱ 送金関係書類

外国人がその年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を必要の都度、各人に行ったことを明らかにする書類をいいます。
以下①または②いずれかの書類が必要です。

① 金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により申告者本人から国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類
② クレジットカード発行会社の書類又はその写しで、申告者本人がクレジット会社と契約を締結し、国外居住者が使用するために発行されたカードでその支払いを申告者本人がすることとしているもの(いわゆる家族カード)に係るもの

 例:SBIレミット等送金サービスを利用する場合は、送金明細の写しなど

該当する年分ごと、扶養親族ごとに必要となります。ですので、妻と子どもの分の2名分だとしても、生活費をまとめて妻名義の口座に送金した場合は、妻のみの扶養が認められることになります。

 

扶養控除の適用について改正が行われ(令和5年分以降の所得税について適用)、年齢30歳以上70歳未満の非居住者の場合、以下のいずれかの条件に当てはまれば、扶養控除を受けることもできます。
・留学により国内に住所を有しなくなった者
・障害者
・その適用を受ける居住者からその年において生活費または教育費に充てるための支払いを38万円以上受けている者

 

扶養控除の適用について、控除対象が合致していること、書類の準備が必要となります。それなりの送金額が必要なのと、母国からの取り寄せが必要となる書類がありますので、早めの説明、準備をすすめるようにしましょう。きっと扶養控除を受けて支払いの税金を少なくしようとがんばっている外国人は多いはずです

 

国外の家族の扶養控除については、下記Webサイトに詳細があります。

 (出典元)国税庁Webサイト:
 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/kokugaifuyou-QA.pdf

 

社会保険料の控除については、下記に該当する場合、控除対象とはなりません
・対象の外国人が母国の社会保険制度を利用している
・外国企業と生命保険、地震保険などの契約をしている
こちらについても説明しておきましょう。

 

≪納めるべき税金その2 ~住民税~≫

住民税についても、日本人と同様に支払い義務が生じます。
会社は、外国人が住んでいる1月1日時点での住所の市区町村へ、1月31日までに前年中に支払った給与等を記載した「給与支払報告書」を提出します。そうすると、5月末までに市区町村から通知される税額の通知が届くので、会社は6月から翌年5月の12回に分けて、毎月の給与等から差し引いて、各市町村へ納入します(特別徴収)。

 

雇用している外国人が、会社を辞めることになった場合、退職時に支給する給与や退職金から残りの住民税を一括して徴収することができます

 

退職するだけでなく、その後、帰国(出国)が決まっており、住民税を納めることができない場合、出国する前に、日本に居住する方へ代わりに税金の手続きをする方(納税管理人)を定め、市区町村へ届け出る必要があります

 

 例:雇用している外国人が3月に帰国することが決まった場合

6月以降の給与天引きによる支払いができないため、納税管理人を定め税額の確定後に納めることが必要です。概算額については、外国人が住む市区町村の税務担当課に確認してください。

支払うべき住民税などを納めていない場合、在留に関して許可されない可能性があります。許可されるされないに関わらず、納めるべきものとして支払ってもらうようにしましょう。

基本的な手続きは日本人と大きく変わらず、ほとんど同じです。
国によっては会社が労働者の代わりに税金を払っていたりなど、文化が異なることもあります

 

・説明すべきチェックリストを作成する
・定期的な面談などで、給与面等の疑問がないか確認する

 

上記のようなことでも、労務担当者の知見の獲得や、コミュニケーションによって関係性の構築に繋がったりもします。
会社側からの説明不足や手続が滞っていたことで、外国人に不利益が生じてしまうことがないよう、気を付けましょう

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