コラム

2024年07月09日 コラム

在留資格申請の審査期間短縮の方法

在留資格申請の審査期間短縮の方法と法則

 

Q. 在留資格申請における入管の審査期間を早くする方法はありますか?

A. はい。行政規則や制度を利用して短縮することが可能です。また、専門家のテクニック面でも方法が存在します。それらを解説してまいります。

 

これは、在留資格申請の審査期間を短縮するための実践的なガイドです。行政規則や制度の活用、専門家のテクニック、申請資料の最適化など、様々な観点から審査期間を早める方法を詳しく解説します。企業や個人が円滑に在留資格を取得できるよう、具体的な戦略とアドバイスを提供します。
 

入管審査期間の長期化の実態

在留資格申請の審査期間が長期化することは、申請者にとって大きな問題となっています。技術・人文知識・国際業務の場合、新入社員のオリエンテーションや入社時期に間に合わないケースがあります。経営・管理や永住申請では、6ヶ月から10ヶ月かかることも珍しくありません。
この長期化は、機会損失や実際の経済的損害をもたらす可能性があります。例えば、就労開始の遅れによる収入減少や、企業にとっては人材確保の遅れによる事業計画の遅延などが考えられます。審査期間の短縮は、個人と企業の双方にとって重要な課題となっています。

 

 

入管審査期間長期化の理由

 
1. 季節的要因
12月から春にかけては、留学生の申請や新卒採用に関連する申請が集中し、審査期間が長期化しやすい時期です。
 
2. 入管職員の異動
職員の異動により、一時的に業務効率が低下し、審査期間に影響を与えることがあります。
 
3. 業務量の増加
全体的な申請件数の増加により、入管職員の業務量が増え、一件あたりの審査に時間がかかることがあります。
 
4. 案件の複雑化
在留資格申請の内容が多様化・複雑化しており、個別の詳細な審査が必要となることが審査期間長期化の主な要因となっています。
 

申請資料の量と質の重要性

在留資格申請において、資料の量と質のバランスは極めて重要です。多くの資料を提出すれば良いというわけではなく、逆に少なすぎても問題があります。適切な量と質の資料提出が審査期間の短縮につながります。
資料が不十分だったり、わかりにくい場合は、追加資料通知を受けることになり、審査の遅延や最悪の場合不許可につながる可能性があります。申請者は、必要十分な情報を簡潔かつ明確に提示することが求められます。これには、経験豊富な行政書士のアドバイスが有効です。
 
 

法令上の審査期間「標準処理期間」

行政手続法では、申請に対する処分(結果)を出すための審査期間について、「標準処理期間」の設定が求められています。これは公務員全般が遵守すべきものであり、多くの許認可申請はこの期間内に処理されることが期待されています。
しかし、入管法には行政手続法のこの規定が適用除外とされています。つまり、入管局長は標準処理期間を遵守しなくても法的には違反とはなりません。この特殊性を理解した上で、申請者側から審査期間短縮のための努力をすることが重要です。
 

行政手続法

(標準処理期間)

第六条 行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(法令により当該行政庁と異なる機関が当該申請の提出先とされている場合は、併せて、当該申請が当該提出先とされている機関の事務所に到達してから当該行政庁の事務所に到達するまでに通常要すべき標準的な期間)を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。

 

A区分案件の重要性

A区分案件として「許可相当案件」と仕分けされることは、審査期間短縮の鍵となります。A区分案件とは、申請内容、過去の申請実績や企業の信頼性などから、比較的スムーズに許可が下りると予想される案件を指します。
A区分案件になるためには、先回り立証が効果的です。つまり、審査官が疑問に思う可能性のある点を予め説明し、不明点をなくすことです。また、申請者に有利な事実を積極的に立証し、不利な事実があればそれをカバーする説明を行うことも重要です。これらの戦略的な申請により、A区分案件として扱われる可能性が高まり、審査期間の短縮につながります。
 
 
 

優先審査案件を目指す

優先審査案件として扱われることは、審査期間を大幅に短縮する効果的な方法です。特に高度専門職など、日本の経済や社会に大きく貢献すると期待される在留資格カテゴリーでは、優先審査の対象となる可能性が高くなります。
優先審査が可能な高度専門職の申請のためには、申請者の高度な専門性や日本の政策に適合するポイント計算を用いて申請する必要があります。具体的には、学歴、職歴、特許取得数、論文発表数、年収など、客観的な指標を用いて自身の価値を示すことが重要です。
もし高度専門職として認められるポイント疎明資料についても該当性に不安がある場合は行政書士に相談することをおすすめします。それによって優先審査を受けられる高度専門職の可能性が高まります。
 
 
 

要注意所属機関リストの回避

入国管理局には、過去に問題のあった企業や団体を記載した「要注意所属機関リスト」(いわゆるブラックリスト)が存在します。このリストに掲載されると、審査が厳格化され、期間も長期化する傾向にあります。
リストに掲載されないためには、法令遵守はもちろんのこと、適切な雇用管理や外国人従業員のサポート体制の整備が重要です。また、過去に問題があった場合でも、改善策を講じ、その内容を明確に示すことで、リストからの除外や審査の円滑化を図ることができます。企業は常に自社の評価に注意を払い、適切な対応を心がける必要があります。
 

カテゴリー1、2の重要性

在留資格申請において、カテゴリー1、2に分類されることは審査期間短縮の大きな要因となります。これらのカテゴリーに該当する企業や団体は、「信頼性の高い所属機関」として扱われ、審査がスムーズに進むことが期待できます。
カテゴリー1、2に該当する場合、必要書類が少なくなり、職務内容等の法令要件の立証負担も軽減されます。これにより、審査官の審査作業が効率化され、結果として審査期間の短縮につながります。申請者は自社がどのカテゴリーに該当するか確認し、可能であればカテゴリー1、2を目指すことが有効です。
 
 
 

カテゴリー1になる方法

1. 株式上場

東証一部(プライム市場)や二部(スタンダード市場)に上場することで、企業の信頼性が高まり、カテゴリー1に該当する可能性が高くなります。
 

2. 各種認定制度の活用

「健康経営優良法人」「優良派遣事業者」「内部通報制度認証登録事業者」「くるみん認定企業」「えるぼし認定企業」など、政府が推進する各種認定を取得することで、カテゴリー1の要件を満たすことができます。

一定の条件を満たす企業等について(カテゴリー1(9)関係)

1 次のいずれかに該当する企業等を対象とします。

(1)厚生労働省が所管する「ユースエール認定制度」において,都道府県労働局長から「ユースエール認定企業」として認定を受けているもの。

(2)厚生労働省が所管する「くるみん認定制度」,「プラチナくるみん認定制度」において,都道府県労働局長から「くるみん認定企業」,「プラチナくるみん認定企業」として認定を受けているもの。

(3)厚生労働省が所管する「えるぼし認定制度」,「プラチナえるぼし認定制度令和2年6月施行)」において,都道府県労働局長から「えるぼし認定企業」,「プラチナえるぼし認定企業」として認定を受けているもの。

(4)厚生労働省が所管する「安全衛生優良企業公表制度」において,都道府県労働局長から「安全衛生優良企業」として認定を受けているもの。

(5)厚生労働省が所管する「職業紹介優良事業者認定制度」において,指定審査認定機関から「職業紹介優良事業者」として認定を受けているもの。

(6)厚生労働省が所管する「製造請負優良適正事業者認定制度(GJ認定)」において,指定審査機関から「製造請負優良適正事業者」として認定を受けているもの。

(7)厚生労働省が所管する「優良派遣事業者認定制度」において,指定審査認定機関から「優良派遣事業者」として認定を受けているもの。

(8)経済産業省が所管する「健康経営優良法人認定制度」において,日本健康会議から「健康経営優良法人」として認定を受けているもの。

(9)経済産業省が所管する「地域未来牽引企業制度」において,経済産業大臣から「地域未来牽引企業」として選定を受けているもの。

(10)国土交通省が所管する「空港における構内の営業承認制度」において,地方航空局長又は空港事務所長から「空港管理規則上の第一類構内営業者又は第二類構内営業者」として承認を受けているもの。

(11)消費者庁が所管する「内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)」において,内部通報制度認証事務局(※)から「内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)登録事業者」として登録を受けているもの。※ 消費者庁指定登録機関(公益財団法人商事法務研究会)内におかれるもの

 

2 立証資料について上記認定を受けていることを証明する認定証等の写しを提出してください。

出典:出入国在留管理庁HP

 

3. 公益法人等

公益性を有する一般社団法人や一般財団法人は公益認定を受けることで、公益社団法人、公益財団法人となり、カテゴリー1になることができます。
 
 

カテゴリー2になる方法

カテゴリー2に該当するための最も効果的な方法は、オンライン利用登録を行うことです。このシステムを利用することで、申請手続きの効率化が図られ、審査期間の短縮につながる可能性が高まります。

これは行政書士が対応することで、すぐに可能なケースがあります。まずは可否について、谷島行政書士法人グループにご相談ください。
オンライン利用登録には基本的にデメリットはなく、むしろ多くのメリットがあります。例えば、申請状況のオンライン確認や、定期的な報告業務の簡素化などが可能になります。また、これらの業務は行政書士に委託することも可能であり、企業の負担を軽減しつつ、カテゴリー2のメリットを享受することができます。
 
 

カテゴリー1、2の注意点

カテゴリー1、2に該当する企業であっても、審査期間の短縮や必要書類の削減が一律に適用されるわけではありません。各申請案件の内容や状況に応じて、個別の判断がなされます。
特に、単純労働の疑いがある場合や、過去に問題があった場合などは、カテゴリー1、2であっても詳細な審査が行われる可能性があります。このような場合、むしろ積極的に詳細な資料を提出し、疑念を払拭することが重要です。カテゴリー1、2の利点を最大限に活かすためには、各案件の特性を理解し、適切な対応を取ることが求められます。
 

 

カテゴリー1、2の立証方針

カテゴリー1、2に該当する企業の申請では、一般的に必要最低限の資料(リーンな資料)で申請することが多いです。しかし、この方針は全ての場合に適用されるわけではありません。
例えば、単純労働の疑いがある場合や、企業や外国人の経歴に特殊性がある場合などは、より詳細な立証が必要になります。このような場合、わかりやすく、かつ場合によっては多めの資料を提出することで、審査官の疑問を解消し、スムーズな審査につながります。重要なのは、各案件の特性を見極め、それに応じた最適な立証方針を選択することです。
 
 

カテゴリー3、4の立証方針

カテゴリー3、4に該当する企業の申請では、一般的により多くの立証資料を提出することが望ましいです。これは、これらのカテゴリーの企業に対する審査がより慎重に行われる傾向があるためです。
多めの立証資料を提出することで、審査官の疑問点を事前に解消し、追加資料の要求を減らすことができます。これにより、結果的に審査期間の短縮と許可の可能性の向上につながります。ただし、単に資料の量を増やすのではなく、各資料の質と関連性を十分に考慮し、効果的な立証を行うことが重要です。専門家のアドバイスを受けながら、戦略的な資料作成を行うことが推奨されます。
 
 

申請人や企業の申請実績

企業も申請人も、問題がない許可を連続でされていれば、つまり追加資料提出通知や不許可の経歴がなければ、常に多めの立証をしなくても大丈夫です。入管は過去の許可や不許可の結果はもちろん、申請資料をデータベースで確認することができるからです。

つまり、実績や経歴に傷がつかないよう、確実に許可・成功を積み重ねることが重要です。

 

行政書士の代行

以上のとおり、申請を自社で行うことは遅延や不許可につながるため、審査のスピード面では、依頼した方が安心です。

 

審査期間を短縮できる行政書士の違い

どの行政書士が申請書類作成代行を行うかによって、異なることは上記のカテゴリーや申請資料の方針によって大きく変わることが理解できたと存じます。さらに実態に問題がある場合に、それを実態から適法に直してから申請することで、そもそも業務内容などが難しい案件にならないようにすることも可能です。

つまり、依頼する行政書士のプランニングが大きく審査期間を左右することがわかります。

 

結論

もし会社で依頼する行政書士のプランニングやスピードに不満がある場合、行政書士を変えることも可能です。

なお、谷島行政書士法人グループは今まで15年以上にわたり、在留資格申請のプロフェッショナルとして堅実な実績を積み重ねてまいりました。会社や申請人にとって、円滑な在留資格の許可のため精度の高いプランニングを行い、適法に審査期間を短縮することには多くの実績があります。

ぜひ谷島行政書士法人グループにご相談ください。

 

 
 
 

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この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士
谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
・外国人ビザ及び建設業等許認可の手続ならびにコンプライアンスアドバイザリーの実績多数。弁護士等からの依頼も対応。

 - 資格等
特定行政書士、宅建士、アメリカMBA・TOEIC、中国語(HSK2級)他

- 略歴等
・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学(大学院)MBA課程修了、現在に至る。

- 取引先、業務対応実績一部
・外国上場企業などグローバル企業、日本上場企業
・学校、大手法律事務所など弁護士他士業との連携多数
・個人:芸能人等(有名プロデューサーアイドルグループ、ハリウッドセレブ)、漫画家他
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