コラム

2024年05月28日 コラム

ベトナム人特定技能手続の推薦者表(MOC)の要件と流れのポイント

特定技能制度の活用に向けた申請手続きの注意点を説明します。
二国間の取り決めによる在留資格認定証明書発行申請および在留資格変更許可申請から、チェックポイントを詳しくお伝えします。

ベトナム人雇用のMOCとは?
まず、ベトナム人の特定技能における申請には、先だって、ベトナム政府つまり本国手続により推薦者表の発行申請が必要となります。これが原則です。
(1)ベトナムの関連法令に基づき,必要な手続を完了したベトナムからの特定技能外国人であって,この協力覚書7(7)及び7(8)に定めるベトナムの省が承認した推薦者表に掲載されたもの(次に掲げるものを含む。)のみを受け入れること。
したがって、これを最初にチェックしないと申請資料をそろえても、受付されずまたは不許可となります。

ベトナム特定技能に係る手続の流れ
在留者、または外国からの招へいの双方で、在留資格申請前に、推薦者表の取得が必要となります。
出典元:法務省出入国在留管理庁HP
​https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri06_00109.html

二国間の取り決めによる在留資格認定証明書発行発行申請および変更の概要
新規入国の状態および現状の在留資格の確認
現在の在留資格が「留学」や「技能実習」の場合、二国間の取り決めに基づき、特定技能への在留資格変更について制約があります。
在留資格認定証明書発行または在留資格変更許可申請
申請が認められた場合、新しい在留資格「特定技能」での在留が許可されます。
「留学と異なりフルタイム」で、業務区分によっては「技能実習より広く」就労できることが期待できます。
推薦者表発行申請手続き
特定技能所属機関および本人に関する業務、知識や技能その他要件を有していることを証明する必要があります。
そのうえで、所定の申請書類を提出し、入管の審査を受ける必要があります。

推薦者表発行申請のポイントについて
上記原則にもとづき、申請を準備しても、そもそもベトナム政府から許可されないまたは困難な類型があります。それが次の二類型の場合、最初にチェックが必要です。

1, 日本語学校などの留学生
2, 技能実習生

推薦者表発行困難例①:退学、除籍、失踪
二国間取り決めにおいては、次の通り規定があります。
6,(8)退学若しくは除籍された生徒,失踪した技能実習生又は難民の在留資格を申請している者等,欠格事由に該当する日本に在留しているベトナム国籍の者が日本国において実施される技能試験を受験することを禁止すること。
つまり、上記の者については、留学生としてアルバイトなどで雇用していても、そのままでは推薦者表の発行がされないことを想定すべきです。

推薦者表発行困難例②:変更申請における実習良好修了でない場合
二国間取り決めにおいては、次の通り規定があります。
6,(1)(b)日本国内に現在在留し,特定技能外国人として働くために受入機関によって直接採用された者(次に掲げるものを含む。)。
  (ⅰ)技能実習2号又は3号を修了したベトナムからの技能実習生等試験を免除された者。

上記は、2年10カ月の技能実習2号良好修了を最低限として考えることが必要です。したがって、休みが多かったなども良好修了とされないことがあります。
この点、入管手続においても不許可となる事例があります。

推薦者表発行困難例③:変更申請における一定の日本語学校等
二国間取り決めにおいては、次の通り規定があります。
6,(1)(b)日本国内に現在在留し,特定技能外国人として働くために受入機関によって直接採用された者(次に掲げるものを含む。)。
 (ⅱ)日本国内において少なくとも2年間の課程を修了してその証書を取得する学校を修了し,試験合格後「特定技能」への在留資格変更申請を 行ったベトナムからの留学生。
上記は、留学生になってから1年しか経っていないことなど、その学校の課程によって存在します。
この点、日本語学校は短い課程が多いため、特に注意が必要です。

推薦者表発行申請手続
推薦者の要件
特定技能の推薦者表を発行できるのは、ベトナム政府です。つまり以下です。
1, 在日本ベトナム大使館
2, ベトナムの海外労働部(DOLAB)
推薦者には一定の要件が設けられています。
推薦者表の未卒業者の記載内容
推薦者表には、留学生が卒業見込みである場合、ベトナム政府によると、推薦者表上に、修了(卒業)見込みである旨が記載されるとのことです。この場合、在留申請において修了を証する書面などが必要となります。なお、技能実習生の修了の証明資料は不要となっております。
申請時の留意点
推薦者表は申請書類の一部となるため、記載内容に誤りがないよう十分確認が必要です。

特定技能の在留資格許可申請審査ポイント
申請資料の形式確認受付
申請書類の記載や添付書類が適切であるかどうかが確認されます。
本人の要件の評価
特定技能に必要とされる知識や技能を有しているかどうかが審査されます。
所属機関の要件の評価
産業分野や業務区分、雇用契約や支援体制と内容、許認可や日本人等の人数などが法令要件に適合しているかが評価されます。

在留資格許可後の注意事項
定期報告
特定技能の在留資格を取得した後は、毎年4本ないし8本の定期報告が義務付けられています。
報酬の確保
特定技能では最低報酬が定められているため、適切な報酬を受け取る必要があります。
研修の受講
特定技能の建設では、研修受講が義務付けられています。
就労先の変更
特定技能の在留資格では、原則として就労先の変更のたびに変更許可申請が必要となります。

同じ企業つまり転職でなければ届出などで可能です。

行政書士法人グループ独自の求人、法務、生活支援
適切または許可率が高いベトナム人の求人マッチング
行政書士法人グループとして雇用可能な外国人選定をコンサルティングします。
許可がおりない特定技能外国人を雇用しても不成立になります。また業務区分の精査もしないと、法的にミスマッチになります。
1.推薦者表発行申請の手続代行
2.在留申請:入管手続
顧問サポートまたは手続代行サービスとして、必要書類の作成から、申請手続きの代行まで、行政書士が行います。
就労後の法務顧問・生活支援
定期届出や随時の変更届、またコンプライアンス対応のアドバイザリーを行います。
住宅、医療、生活面での支援など、就労後のサポートも行います。

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この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士
谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
・外国人ビザ及び建設業等許認可の手続ならびにコンプライアンスアドバイザリーの実績多数。弁護士等からの依頼も対応。

 - 資格等
特定行政書士、宅建士、アメリカMBA・TOEIC、中国語(HSK2級)他

- 略歴等
・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学(大学院)MBA課程修了、現在に至る。

- 取引先、業務対応実績一部
・外国上場企業などグローバル企業、日本上場企業
・学校、大手法律事務所など弁護士他士業との連携多数
・個人:芸能人等(有名プロデューサーアイドルグループ、ハリウッドセレブ)、漫画家他
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