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インドネシア人の特定技能:IPKOL/SISKOP2MI 完全ガイド

2025年05月31日

特定活動特定技能インドネシア

インドネシア人の特定技能:IPKOL/SISKOP2MI 完全ガイド

内容

1. 【インドネシア 特定技能】制度概要と最新動向

2. 【IPKOLとは】労働市場情報システムによる特定技能求人

3. 【SISKOP2MIとは】Sistem Komputerisasi Perlindungan PMI

4. 【P3MI(送り出し機関)】利用時の注意点

5. 【手続きフロー】直接採用 vs P3MI 経由

6. 【よくあるエラーと対策】

7. E-PMIとIPCOL、SISKOP2MI登録手続:在留資格認定と、変更(日本に在留)申請に伴う比較

 E-PMIが発行される手続は共通

 SISKOP2MI登録手続も共通

 IPCOL登録手続:在留者の変更時は任意

8. インドネシア人特定技能の本国手続まとめ & ワンストップサービス

1. 【インドネシア 特定技能】制度概要と最新動向

インドネシア政府と日本政府は 2019 年6月25 日に協力覚書(MoC)を締結し、特定技能外国人(SSW)の円滑かつ適正な送出し・受入れを図っています。

ポイントは以下の通りです。

  • 送り出しは政府公認スキームのみ(悪質ブローカー対策)
  • 日本側受入機関は、在留申請を同時に進めるため、所属機関と外国人の「適合性」など要件充足と「支援計画」が必須であり、雇用契約書など一部重複するため同時進行がよいです。
  • インドネシア側では IPKOLSISKOP2MI が登録手続きの中核システム

以下の通り、入管庁の記載があり、各サイトのリンクがあります。

【インドネシア】
<送出手続>
●(直接採用パターン)インドネシア国籍の方を受け入れようとする日本側の求人募集に当たり、インドネシア側は同国政府が管理する求人・求職のための「労働市場情報システム(IPKOL)」に、日本側受入機関が登録することを強く希望しています。インドネシア側によれば、特定技能制度に興味のあるインドネシア国籍の方は多く、日本での就職を希望している方は、このIPKOLにアクセスして求職先を検索するとのことです。なお、システムへの登録はオンラインで可能とのことです。また、同システムへの登録や求人・求職に費用は発生しないとのことです。
(IPKOLのURL)https://imw.kemnaker.go.id/

●(インドネシアの職業紹介事業者(P3MI)利用パターン)P3MIを利用する場合、受入機関は、日本側の職業紹介事業者と提携し、さらに、同事業者がP3MIとの間で、職業紹介に関する提携に係る契約を締結する必要があります。その上で、必要書類を駐日インドネシア大使館に提出し、同大使館の確認を受ける必要があるとのことです。

●在留資格「特定技能」に係る在留資格認定証明書を交付されたインドネシア国籍の方は、日本へ渡航するための査証申請を行う前に、自らインドネシア政府が管理する海外労働者管理システム(SISKOP2MI)にオンラインで登録し、SISKOP2MI登録完了後に発行されるID番号を取得した上で、在インドネシア日本国大使館・総領事館に対して査証申請を行う必要があるとされています。

●査証を発給されたインドネシア国籍の方が、取得した査証をSISKOP2MIにオンラインで登録し、出国前オリエンテーションなどへ参加するなど必要な出国前の手続を終えると、同人に移住労働者証(E-PMI)が発行されるとのことです。

●インドネシア側によれば、SISKOP2MIへの登録やID番号の取得等に費用は発生しないとのことです。 
(SISKOP2MIのURL)https://siskop2mi.bp2mi.go.id/

入管庁:https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri05_00021.html

2. 【IPKOLとは】労働市場情報システムによる特定技能求人

IPKOL(Indonesian Labour Market Information System) は、受入機関が直接求人を掲載できる公的サイトです。登録は無料ですが、インドネシア政府はブローカー排除の観点から登録を「強く希望」しています。

手順(抜粋)

  1. 受入機関が英語/インドネシア語で求人登録
  2. 求職者がオンライン応募
  3. 書類選考・オンライン面接
  4. 雇用契約書(英語+インドネシア語)締結

3. 【SISKOP2MIとは】Sistem Komputerisasi Perlindungan PMI

SISKOP2MI は 2023 年に全面稼働したインドネシア人海外就労者保護システムで、旧 SISKOTKLN を置き換えました。PMI(Pekerja Migran Indonesia)が渡航前登録・E-Visa SSW のアップロード、保険加入確認などをオンラインで完結できます。

企業側チェックリスト

項目具体的書類登録主体
雇用契約二言語契約書(署名)受入機関・PMI
E-Visa SSW在留資格認定証明書写しPMI
保険加入BPJS Ketenagakerjaan(インドネシア社会保険)等PMI
出国QR 付き渡航許可証PMI

4. 【P3MI(送り出し機関)】利用時の注意点

P3MI(Perusahaan Penempatan Pekerja Migran Indonesia)は、インドネシア政府許可を受けた職業紹介事業者です。

一方、LPKは日本語学校などの教育機関であり、技能実習対応がほとんどです。したがって、特定技能の職業紹介のライセンスではないことに注意が必要です。

P3MI経由で採用する場合でも、IPKOL 登録は「推奨」、SISKOP2MI 登録は「必須」です。

5. 【手続きフロー】直接採用 vs P3MI 経由

下図は入管庁公表のフローチャートを簡略化したものです。

A. 直接採用(IPKOL利用)

  1. IPKOL 求人登録
  2. 求人承認→応募→面接
  3. 雇用契約/在留資格認定証明書(COE)申請
  4. ビザ発給→SISKOP2MI 登録→出国

B. P3MI 経由

  1. P3MI と人材紹介契約
  2. P3MI が IPKOL 上で求人代行
  3. P3MI が候補者募集・選抜
  4. 以降は直採用③と同一

入管庁:特定技能に関する各国別情報「インドネシアに関する情報」https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri06_00108.html

6. 【よくあるエラーと対策】

発生箇所典型的エラー防止策
IPKOL半角カナ・特殊文字で登録不可英語表記推奨/CSVアップロード使用
SISKOP2MIパスポート番号桁数違い旅券 OCR で事前確認
COE 申請技能試験合格証のインドネシア語訳漏れ公証翻訳+日本語訳セット提出

7. E-PMIとIPCOL、SISKOP2MI登録手続:在留資格認定と、変更(日本に在留)申請に伴う比較

E-PMIが発行される手続は共通

どちらにも共通なのは、E-PMIが必須であることです。E-PMIは移住労働者証と表現され、日本国内にいる技能実習生も今後の育成就労も、特定技能であっても、それらの在留資格のすべてのインドネシア人が有すべきものです。

E-PMIのためには、SISKOP2MI登録手続が必要となります。

SISKOP2MI登録手続も共通

さらに、SISKOP2MI登録手続は、インドネシア人及びインドネシア側で行う手続として必須です。

これは日本で在留しているインドネシア人も同じである点に注意が必要です。

IPCOL登録手続:在留者の変更時は任意

新規上陸の場合、IPCOLも強く推奨されます。

逆に技能実習生であるインドネシア人が技能実習を良好修了する場合、企業がIPCOLに登録することは任意とされております。

以下、Q&Aにおける回答です。

A3:インドネシア当局によれば、技能実習2号又は3号を良好に修了した者が技能実習先に引き続き特定技能外国人として雇用される場合には、受入機関が求人・求職システムであるIPKOLに登録することを必ずしも求めていないものとされています。

以下、インドネシア政府とのMoCの日本語訳です。

GoI は,インドネシアの関係法令に従い,インドネシアからのSSWの送出しに関して次の約束を行う。 
(1)IPKOLを通じてAOから提供される求人を確認すること。
(2)IPKOLを通じて確認された求人を公表すること。
(3)IPKOLを通じてSSW候補者のデータベースを提供すること。
(4)求人の公表及び SSW 候補者のデータベースの入手のためのアクセス方法を含む適正な採用プロセスについて,IPKOLのウェブサイトに情報を公表すること。
(5)SSW候補者に対し,IPKOLの資格証明書の要件として自身の準備状況を更新するよう周知すること。当該要件は,日本語能力の測定試験,技能試験及び健康診断により構成される。
(6)AOに対するGoJの改善命令に関する情報をインドネシアで公表すること。
(7)GoJによって作成された登録支援機関の一覧をインドネシアで公表すること。
(8)現在査証を申請している選ばれた全ての SSW 候補者及び日本に既に在留しているSSW がSISKOTKLN に記録されていることを確保すること。
(9)インドネシアで選ばれたSSW候補者に対する出国前説明会を実施すること。
(10)インドネシアからのSSWの送出しに関する照会をGoJから受けた場合には,必要な情報を提供すること。及び,
(11)現在日本に在留しているSSW候補者に在留資格変更の推薦を発行すること。

上記(8)の2025年現在、「SISKOTKLN」は、「SISKOP2MI」に変更されております。

8. インドネシア人特定技能の本国手続まとめ & ワンストップサービス

以上のように、馴染みがない用語が多いですが、どれも重要です。用語のまとめは次の通りです。

  • IPKOL=求人・求職マッチング
  • SISKOP2MI=出国前登録・保護管理
  • P3MI を使うかどうかは任意である。法令遵守の責任は受入企業にある。

谷島行政書士法人グループによるインドネシア人特定技能ワンストップサービスの提案

インドネシア人材の特定技能ビザ手続きは、実績豊富な谷島行政書士法人グループがワンストップでサポートいたします。

外国人材紹介からビザ申請までお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士
谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
・外国人雇用・ビザの専門家として手続代理と顧問アドバイザリーを提供。ビザ・許認可など法規制クリアの実績は延1万件以上。
- 講師実績
行政書士会、建設やホテル人材等の企業、在留資格研究会等の団体、大手士業事務所、その他外国人の講義なら幅広く依頼を受ける。
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 - 資格等
特定行政書士、宅建士、アメリカMBA・TOEIC、中国語(HSK2級)他

- 略歴等
・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。

- 取引先、業務対応実績一部
・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他
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