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コラム
2024年12月04日 コラム
在留不良(例:資格外活動違反)があった場合の再申請のリスクと配慮
Q. 週28時間を超える就労をしていた留学生を「技術・人文知識・国際業務ビザ」で雇用することはビザの面で可能でしょうか?
A. 留学生の就労が週28時間を超えていた場合など、資格外活動違反となることがあります。そのような在留不良がある場合、就労資格への在留資格変更許可申請が不許可になることが多くあります。「技術・人文知識・国際業務」では特に多くの不許可事例があります。
そのため、雇用するには、行政書士と企業が以下の問題と解決策に注意し行います。
不許可率が相当程度ある場合、クライアントにリスクを伝える必要性
不許可があり得る手続きの依頼を受けた行政書士は、時間的リスク等を伝えたうえで依頼者の不安を必要以上に増大させない配慮も必要となります。この理由は以下の特殊性です。
内定の取消し等の問題
まず、難解事案の場合は1回目の申請で不許可になることがあります。
1回目の申請で許可を見込める可能性が高いなどと楽観的になっている場合、特にそのギャップが大きくなります。例えば、企業が想定外の事態として内定を取り消すことがあります。
内定取り消し又はその類似行為は、労働法として問題になりえますが、企業としては在留資格が許可されないと不法就労助長になってしまうことも懸念です。
二回目の申請に対する不安と許可率が低いのではないかと誤解される伝言と心情
また二回目の申請の許可は見込めると行政書士が判断し、それを外国人が聞いたとします。その後外国人から企業に伝言しても、うまく伝わらず、あるいは外国人自身の内定を取り消されないように「都合よく解釈しているのではないか」など信用されないこともあります。したがって、行政書士が同席して、企業と外国人の心配を改めてヒアリングし、すれ違いを防ぐことが必要です。
就労系在留資格で企業がリスクを飲み込めるか伝える方法
時間的リスク等は明確に伝えつつも、過度に怖がらせては元も子もありません。受任時点から以下のようにリスクに対する許容範囲をお聞きすることが谷島行政書士グループの手法例です。
例1
「もちろん一度目の申請で許可されることが一番良いので、それを目指しますが、どうしても不許可になる可能性があります。したがって、二回目の申請で、最初の申請の不許可理由を払拭して許可をとるまで、内定を維持可能でしょうか?」
例2
「二回目の申請では、出国してから申請しないと許可が見込めない場合、一度出国して、許可次第、すぐに日本に戻ってこれる申請類型を提案することがあります。その場合、許可率が上がります。審査基準が変わり、過去の在留不良を問われなくなるからです。
ただし、法令上は許可基準が変わって有利になるのですが、審査官が誤った判断をすることがあります。例えば、「非虚偽性」という要件を持ち出すことがあります。したがって、そうならないように我々が理由書で説明しつつ、過去の在留不良についても補足することで成功率は高くなります。
それで、二回目の申請を含めて採用を維持頂く期間として余裕をみていただくことは可能でしょうか?」
追加報酬不要の再申請保証
谷島行政書士グループでは、再申請の場合に、追加報酬を頂くことは無いように、その旨を文書でお約束することが通常です。
すでにお聞きしていた難解事由に対して、あとから追加報酬を求めることは不誠実と考えるからです。
したがって、最初に全ての事情を教えていただくことをお勧めしております。
その上でご期待を上回る成果を出せる仕事をさせていただきます。
守秘義務による安心
なかなか言えないご心配があっても可能な限りお話頂ければ幸いです。我々行政書士には、官公署への提出書類の作成という「独占業務」が特権的にある一方、守秘義務違反などには民事上の損害賠償にとどまらず刑罰があります。
守秘義務の期間も、契約期間に関係がありません。民間の会社と異なり、行政書士の守秘義務は一生涯にわたります。ご安心ください。
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この記事の監修者
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谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
・外国人ビザ専門。「手続代理」と、企業や弁護士等専門家向けに「外国人雇用の顧問」実績多数。
- 資格等
特定行政書士、宅建士、アメリカMBA・TOEIC、中国語(HSK2級)他
- 略歴等
・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。
- 取引先、業務対応実績一部
・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他
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