Page Top

コラム

2024年12月09日 特定技能

特定技能工業品製造業の2024年改正で増加した業務区分のすべてと、標準産業分類を特定する方法

 

特定技能の工業品製造業受入協議会と改正業務区分

経済産業省の特定技能受入協議会届出において、業務区分は直接の要件ではありません。あくまで日本標準産業分類のうち、特定技能外国人受入が可能な標準産業分類であることを証明することで加入ができる制度です。

 

標準産業分類を業務区分から特定する方法

標準産業分類が自社に該当するかどうか、多様であり、改正も多いため、わかりにくいことがあります。
そこで上記の協議会届出において、標準産業分類から判定するより、業務区分から判定した方が、具体的かつ特定技能外国人の雇用後の業務可能な製造ラインを特定しやすい利点があります。これは業務区分が異なることで資格外活動とならないことで、不法就労助長を防ぐことにもつながり一石二鳥です。

 

業務区分の該当性の確認方法

2024年改正時点、特定技能で従事する業務について認められる「業務区分」は、以下の通りです。

工業製品製造業の区分

機械金属加工
指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、素形材製品や産業機械等の製造工程の作業に従事。

電気電子機器組立て
指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、電気電子機器等の製造工程、組立工程の作業に従事。

金属表面処理
指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、表面処理等の作業に従事。

紙器・段ボール箱製造
指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、紙器・段ボール箱の製造工程の作業に従事。

コンクリート製品製造
指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、コンクリート製品の製造工程の作業に従事。

RPF製造
指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、破砕・成形等の作業に従事。

陶磁器製品製造
指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、陶磁器製品の製造工程の作業に従事。

印刷・製本
指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、オフセット印刷、グラビア印刷、製本の製造工程の作業に従事。

紡織製品製造
指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、紡織製品の製造工程の作業に従事。

縫製
指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、縫製工程の作業に従事。

 

業務区分の詳細:「Job Description」等の活用

業務区分は上記の通り、業務内容を決めることになります。この点、入管庁では各業務区分の説明をしております。やや広範ですが、以下の通りです。

 

機械金属加工

例えば、従来から存在している旧製造3分野であった素形材などで多く申請がされていた「機械金属加工」については以下の通りです。

(機械金属加工区分)

〈 分野、区分の概要 〉

指導者の指示を理解し、又は自らの判断により、素形材製品や産業機械等の製造工程の作業に従事

〈 従事する主な業務 〉
鋳造 / 鍛造 / ダイカスト / 機械加工 / 金属プレス加工 / 鉄工 / 工場板金 / 仕上げ / プラスチック成形 / 機械検査 / 機械保全 / 電気機器組立て / 塗装 / 溶接 / 工業包装 / 強化プラスチック成形 / 金属熱処理業

〈 想定される関連業務 〉
当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えない。
関連業務に当たり得るものとして、次が想定される。
・原材料・部品の調達・搬送作業
・各職種の前後工程作業
・クレーン・フォークリフト等運転作業
・清掃・保守管理作業
※専ら関連業務に従事することは認められない。

引用元: 出入国在留管理局「特定技能1号の各分野の仕事内容(Job Description)」:https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/10_00179.html

 

電気電子機器組立て

同じく、「電気電子機器組立て」も従来から認められていた業務区分です。詳細は以下の通りです。

(電気電子機器組立て区分)

〈 分野、区分の概要 〉
指導者の指示を理解し、又は自らの判断により、電気電子機器等の製造工程、組立工程の作業に従事

〈 従事する主な業務 〉
機械加工 / 仕上げ / プラスチック成形 / プリント配線板製造 / 電子機器組立て / 電気機器組立て / 機械検査 / 機械保全 / 工業包装 /強化プラスチック成形

〈 想定される関連業務 〉
当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えない。
関連業務に当たり得るものとして、次が想定される。
・原材料・部品の調達・搬送作業
・各職種の前後工程作業
・クレーン・フォークリフト等運転作業
・清掃・保守管理作業
※専ら関連業務に従事することは認められない。

引用元: 出入国在留管理局「特定技能1号の各分野の仕事内容(Job Description)」:https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/10_00179.html

 

 

金属表面処理

さらに同じく、「金属表面処理」も従来から認められていた業務区分です。詳細は以下の通りです。

(金属表面処理区分)

〈 分野、区分の概要 〉
指導者の指示を理解し、又は自らの判断により、表面処理等の作業に従事

〈 従事する主な業務 〉
めっき / アルミニウム陽極酸化処理

〈 想定される関連業務 〉
当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えない。
関連業務に当たり得るものとして、次が想定される。
・原材料・部品の調達・搬送作業
・各職種の前後工程作業
・クレーン・フォークリフト等運転作業
・清掃・保守管理作業
※専ら関連業務に従事することは認められない。

引用元: 出入国在留管理局「特定技能1号の各分野の仕事内容(Job Description)」:https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/10_00179.html

 

 

業務区分確認について技能実習との関係性

業務区分の詳細の確認は、入管庁におけるJob Descriptionで確認することもできますが、「技能実習計画」をもとに判断することができます。

業務区分の該当性についての説明は、「技能実習計画」における職種が存在する場合、その技能実習1号から3号までの業務の表を転用すれば業務区分が整理しやすくなります。

これは行政書士が代理して審査会に届出する場合でもクライアント企業と共通認識を得る方法となります。

その場合、該当しない類型(道具、成果物、工具、機械、重機その他)は特定技能において問わない箇所もあります。したがってその違いを認識することが重要です。

CATEGORY

この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士
谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
・外国人ビザ専門。「手続代理」と、企業や弁護士等専門家向けに「外国人雇用の顧問」実績多数。

 - 資格等
特定行政書士、宅建士、アメリカMBA・TOEIC、中国語(HSK2級)他

- 略歴等
・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。

- 取引先、業務対応実績一部
・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他
 Translate »