Page Top

                   トピックス

2024年11月06日 成功事例

【1回目】オーバーステイの前歴がある中国人の「経営ビザ」:在留資格認定証明書交付申請

本事例は、中国人経営者A氏が過去のオーバーステイ経験その他の問題があるため、「経営ビザ」の申請を二回行ったケースです。まずは一度目の以下に申請事例を解説します。

 

 

1. 「経営ビザ」申請依頼の動機とクライアントの心配

Q. 昔オーバーステイをしてしまい、もう何年も経って、今は反省しております。日本でビジネスを開始するため、谷島行政書士法人に「経営ビザ」申請依頼したいが、ビザはおりるでしょうか?

 

A. 可能性はあります。まずはお話を聞かせていただき、チャレンジするにしても、2,3回申請する必要がある難しい事案であることを前提に対応させていただきます。

2. 難解事案の分析:有利となりえる中国での経験と経営陣への参画

本事例は、中国人経営者A氏が貿易事業の展開を目的に「経営・管理」ビザを申請したケースです。

A氏は過去にオーバーステイの経験がありました。

A氏は、これまで中国において個人事業を経営し、アクセサリーパーツや服飾品を日本へ輸出していました。

そこから、親族が経営する日本の貿易事業を行う企業の経営陣に参画することになりました。その事業内容は経験と親和性があります。

事業計画の具体性と事業の安定性を示すため、徹底的にプランニングと資料の準備を行い、法令に基づいた適切な立証資料を提出しました。

 

3. 事業の安定性と継続性の証明:在留資格該当性①

経営ビザの申請において重要なポイントの一つは、事業の安定性と継続性です。我々が提出した資料には、所属機関の経営実績や事業計画が含まれていました。具体的には、事業計画書では今後24か月の予測売上と利益を示し、安定した収益見込みがあることを立証しました。過去の決算書も提出され、前年度の売上高や利益が明示されました。これにより、事業の継続性と成長可能性を証明しました。

 

4. 経営者としての経験による安定性・継続性:在留資格該当性②

A氏は中国での経営経験が豊富であり、長年にわたり日本への輸出業務に携わっていました。この経験を活かし、日本市場と中国の供給元をつなぐ事業の要として活動することが期待されています。履歴書や取引に関する資料が提出され、A氏が経営において重要な役割を果たすことが確認されました。

 

4. 事業所の独立性:基準省令適合性①

A氏の所属機関は、独立した事業所を有し、使用権限を有することがガイドラインに照らして適正であると確認されました。事務所の賃貸借契約書や施設の見取り図が証拠として提出され、事業所が日本国内に存在し、経営活動が独立して行われることが立証されました。

 

5. 常勤職員:基準省令適合性②

所属機関には、常勤の職員が10名以上従事しており、ガイドラインで定められた要件を満たしていることが確認されました。給与所得の源泉徴収票や法定調書合計表が提出され、適切な雇用状況を証明しました。

 

6.「経営ビザ」の申請結果

結果は不許可でした。しかし、過去のオーバーステイという過ちを反省し、日本でのビジネス活動を展開しようとするA氏はあきらめたくありません。

そのため、次はA氏の再申請の事例に続きます。

 

7. 不許可であっても再申請の許可率を上げる方法と、今回の収穫

提出した立証資料は、在留資格該当性に関する所属機関の事業の安定性、またA氏の経営者としての安定性・継続性などに関する法令要件を満たすことを審査官に確認できました。例えば、事業計画書も申請において重要な役割を果たしました。

つまり、次の申請において争点を絞ることを不許可時説明においてプロフェッショナルが行うべきです。

不許可説明は口頭で告げられるものであり、しかも一度しかチャンスがありません。代行する行政書士は、その事案を把握したうえで、そのような質問力を有する専門家であることが必須となります。

 

8. 本件貿易事業の「経営ビザ」事例の立証資料:

本申請では以下の資料により、在留資格該当性と基準省令適合性を立証しました。A氏は、日本の貿易市場での経験を生かし、自身が代表取締役に就任する形で所属機関の事業拡大に取り組む計画を立てました。

今回は既存の会社であったため、要件を満たしやすい点はありましたが、それでも基本資料以外に重要な証拠として以下の追加的な立証資料を提出しました。

1. 取締役選任決議の議事録
2. 役員報酬に関する議事録:就任の条件などを追加したもの
3. 事業内容を説明する資料
4. 賃貸借契約書
5. 事務所の見取り図
6. 今後24か月間の事業計画書

 

 ⇒ 中国人経営者A氏が「経営ビザ」の申請を二回行ったケース【2回目】

CATEGORY

この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士
谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
・外国人雇用・ビザ専門。手続代理及びコンプライアンス顧問として、登録支援機関のほか弁護士等の専門家向け顧問の実績多数。

 - 資格等
特定行政書士、宅建士、アメリカMBA・TOEIC、中国語(HSK2級)他

- 略歴等
・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。

- 取引先、業務対応実績一部
・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他
 Translate »