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「外国人材の定着に効く!特定技能で求められる支援義務と実務対応」

2025年06月06日

建設外食宿泊介護特定技能

「外国人材の定着に効く!特定技能で求められる支援義務と実務対応」

近年、深刻化する人手不足への対応策として、外国人材の活用がますます重要視されています。その中でも、2019年に新設された「特定技能」制度は、即戦力となる外国人を比較的スムーズに採用できる仕組みとして注目を集めています。しかし、受け入れ企業が理解しておくべき支援義務や、その実務対応については十分に知られていないケースも多くあります。採用した人材にはできれば長く働いてもらいたいですよね。

本ページでは、特定技能外国人を受け入れる企業様に向けて、定着を成功させるために欠かせない「支援の実務」をわかりやすく解説します。


内容

【特定技能とは】企業の現場系外国人雇用で有力な選択肢

【支援義務とは】企業に課される義務内容と対応のポイント

【実務対応】実際に求められる企業の体制と注意点

【事例紹介】特定技能1号でベトナム人外食特定技能を紹介・採用・支援したA社のケース

【行政書士の視点】定着支援こそが特定技能活用のカギ


【特定技能とは】企業の現場系外国人雇用で有力な選択肢

「特定技能」とは、2019年に創設された在留資格で、深刻な人手不足分野において一定の専門性・技能を持つ外国人材を受け入れることができる在留資格です。これまで技能実習制度が中心だった外国人雇用の選択肢に、新たな道が加わったと言えるでしょう。

昨年には対象となる業種が16分野に拡大し、建設業や自動車業など人手不足が深刻な分野でも外国人を雇用できる制度として広がりを見せています。

現在、特定技能で受け入れが可能な業種は以下の16分野に拡大されています。

1       介護

2       ビルクリーニング

3       建設(⼟⽊・建築・ライフライン設備)

4       造船・舶用工業

5       自動車整備

6       宿泊

7       自動車運送業(トラック・タクシー・バス)

8       農業

9       漁業

10     外食業   

11     林業

12     木材産業

13     工業製品製造業(旧:素形材ほか)

14     飲食料品製造業

15     航空(グランドハンドリング・整備)

 

16    鉄道

特定技能には「1号」と「2号」の2種類があり、現時点で多く許可されているのは「特定技能1号」です。この資格では最大5年間の在留が可能で、家族の帯同は原則認められていません。

一方、「2号」はより熟練した技能を持つ者に与えられる資格で、家族帯同や永住を目指すことが可能になります。


【支援義務とは】企業に課される義務内容と対応のポイント

特定技能で外国人を雇用する場合、受入れ企業または登録支援機関が、外国人に対して以下のような支援を実施する義務があります。この計画を「支援計画」と呼び、制度上の重要な柱となっています。

主な支援内容(例):

支援項目 実務内容の例
事前ガイダンス 雇用契約の内容や生活に関する説明を、母国語で実施
出入国時の送迎 空港などへの送迎
住居確保・生活支援 住宅契約の支援
日本語学習機会の提供 日本語学習教材や教室の案内
相談・苦情対応体制 労働環境や生活面の悩みに対応する相談窓口の設置
社会生活に必要な情報提供 銀行口座の開設、公共交通の利用方法などの案内
日本人との交流促進 地域イベントの紹介や交流会の開催など
転職支援(契約終了時) 契約終了後の転職先紹介(義務あり)

これらの支援は、銀行口座の開設、公共交通の利用方法などの案内や同行等を行い、同時に、外国人が日本社会に順応し、孤立せずに、銀行口座の開設、公共交通の利用方法などの案内ずに働き続けられるための環境づくりを目的としています。支援内容が不十分であれば、入管からの是正指導や受け入れ資格の取消といったリスクもあります。


【実務対応】実際に求められる企業の体制と注意点

企業が特定技能外国人を雇用する場合、自社で支援業務を行うか、登録支援機関に委託する必要があります。

企業が自社で支援を行う場合:

  • 社内に外国人対応可能な担当者を配置
  • 支援記録の作成と保管
  • 本人との意思疎通の確保(翻訳・通訳の準備)

ポイント:外国人雇用に慣れている企業、語学対応が可能な人材がいる企業に向いています。

登録支援機関に委託する場合:

  • 登録支援機関が生活全支援業務を代行
  • 外国人対応に慣れていない企業様におすすめ

ポイント:外国人対応に不慣れな企業、支援体制構築の時間が確保できない企業におすすめです。

支援委託と自社支援の共通事項:

  • 企業が入管提出書類の作成義務:ただし、行政書士に委任可能。
  • 受入れ状況報告(毎年):ただし、行政書士に委任可能。
  • 支援実施報告の提出(毎年):ただし、行政書士に委任可能。

【事例紹介】特定技能1号でベトナム人外食特定技能を紹介・採用・支援したA社のケース

背景:飲食店で人手不足が深刻化。初めての外国人雇用で不安が多く、当法人に支援の依頼がありました。

対応内容

  • 登録支援機関の紹介(当グループの公益社団法人)
  • 支援計画書の作成(行政書士法人)
  • 入管申請書類一式の作成・提出(行政書士法人)
  • ベトナム政府への手続サポート
  • キャリアアッププランの策定(行政書士法人)

結果:採用された外国人スタッフは、1か月以内に職場に順応。利用者からも好評で、日本人スタッフとのコミュニケーションも円滑に進んでいます。A社では今後、さらなる外国人採用を予定しています。


【行政書士の視点】定着支援こそが特定技能活用のカギ

特定技能外国人を採用する上で、単に「採用して終わり」ではなく、中長期的な定着を視野に入れた支援体制の構築が不可欠です。

谷島行政書士法人グループ は、外国人雇用に伴う各種法的手続きや書類作成の支援はもちろん、支援業務に必要な体制づくりや実務アドバイス、特定技能ビザの申請から更新まで一貫してサポートできる体制が整っています。

「どこまで支援すればよいのか不安」「登録支援機関を探している」「入管への提出書類が複雑で困っている」など、ぜひ谷島行政書士法人グループまでお気軽にご相談ください。


 

 

この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士
谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
・外国人雇用・ビザの専門家として手続代理と顧問アドバイザリーを提供。ビザ・許認可など法規制クリアの実績は延1万件以上。
- 講師実績
行政書士会、建設やホテル人材等の企業、在留資格研究会等の団体、大手士業事務所、その他外国人の講義なら幅広く依頼を受ける。
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 - 資格等
特定行政書士、宅建士、アメリカMBA・TOEIC、中国語(HSK2級)他

- 略歴等
・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。

- 取引先、業務対応実績一部
・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他
03-5575-5583に電話をかける メールでお問い合わせ
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