特定技能(工業製品製造業分野)
特定技能「工業製品製造業分野」
特定技能「工業製品製造業分野」は、製造現場の人手不足への活用が可能な在留資格(ビザ)です。知らないと不法就労になりやすい業務制限などがあるため、専門家である谷島行政書士法人グループが外国人採用・定着を実現するための制度とサービスを説明します。
工業製品製造業分野で「特定技能」を活用するメリット
- ●製造ラインの人員補充を、制度に沿って中長期で計画化できる(在留期間・更新設計がしやすい)。
- ●技能実習2号を良好に修了した人材であれば、特定技能1号へスムーズに移行できるケースがある。
- ●特定技能2号(対象は一部業務区分)へ移行できれば、在留更新の上限がなく、家族帯同も可能となり、定着施策を描きやすい。
- ●産業分類と業務区分が“限定列挙”されているため、適合すれば適法性の説明がしやすい一方、ミスマッチの早期発見にもつながる。
特定技能「工業製品製造業」とは
工業製品製造業分野の最大の特徴は、受入れ可否が次の掛け算で整理される点です。
| 要素 | ポイント(概要) |
|---|---|
| (A) 事業所の産業分類(日本標準産業分類) | 告示等で受入れ可能な産業分類が限定列挙(2026年1月時点、1号は49分類が対象) |
| (B) 外国人が従事する業務区分 | 分野別運用方針等で、従事できる業務区分が限定列挙(2026年1月時点、10区分) |
| (A)と(B)の組み合わせ | (A)の産業分類に該当する事業所で、(B)の業務区分に属する“主たる業務”に従事させる必要 |
したがって、採用検討の初期に「自社の産業分類」と「任せたい業務(業務区分)」を整理し、適合性を確認することが成功の鍵になります。
受入れ対象となる業種「日本標準産業分類」の考え方
工業製品製造業分野では、受入れ可能な事業所の産業分類が告示等で限定されています。
- ●特定技能1号:受入れ可能な産業分類は「49分類」が対象(2025年12月時点)。
- ●特定技能2号:受入れ可能な産業分類は「19分類」が対象(2025年12月時点)。
- ●対象例として、繊維、紙・紙加工、印刷、プラスチック製品、金属・機械・電気電子・情報通信機器、こん包等が含まれます(詳細は一次情報で確認)。
- ●対象性の判断は、原則として「直近1年間で、対象となる産業について製造品出荷額等が発生していること」等の考え方が示されています。
※飲食料品製造業は別分野です。製造業であっても“工業製品製造業分野”に該当するかは個別確認が必要です。
従事できる主たる業務(業務区分)
工業製品製造業分野で、特定技能1号評価試験が実施される業務区分は以下の通りです。
| 業務区分 | 作業イメージ(例)※代表例 |
|---|---|
| ① 機械金属加工 | 鋳造・鍛造・ダイカスト・機械加工・金属プレス加工・溶接・塗装・機械検査・機械保全 など |
| ② 電気電子機器組立て | 電子機器/電気機器の組立て、プリント配線板製造、機械検査・機械保全 など |
| ③ 金属表面処理 | めっき、アルミニウム陽極酸化処理 など |
| ④ 紙器・段ボール箱製造 | 紙器・段ボール箱の製造工程作業 など |
| ⑤ コンクリート製品製造 | コンクリート製品の製造工程作業 など |
| ⑥ RPF製造 | RPF(固形燃料)製造工程作業 など |
| ⑦ 陶磁器製品製造 | 陶磁器工業製品の製造工程作業 など |
| ⑧ 印刷・製本 | 印刷、製本の工程作業 など |
| ⑨ 紡織製品製造 | 紡績運転、織布運転、染色、ニット製品製造、カーペット製造 など |
| ⑩ 縫製 | 婦人子供服/紳士服/下着類、寝具、帆布製品、座席シート等の縫製 など |
※特定技能2号は、対象となる業務区分が限定されます。中長期の定着(2号移行)を視野に入れる場合、採用段階から業務設計が重要です。
付随的に可能な「関連業務」の考え方
主たる業務に加えて、一定の範囲で「関連業務」に付随的に従事させることができる旨が示されています。
| 区分 | 考え方(概要) | 例(想定されるもの) |
|---|---|---|
| 主たる業務 | 業務区分に該当する製造工程の作業が中心。 | 加工/組立て/表面処理/製造工程作業 等 |
| 関連業務(付随的) | 当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に、付随的に従事することは差し支えないとされています。専ら関連業務のみは不可。 | 原材料・部品の調達/搬送、前後工程作業、クレーン・フォークリフト等の運転、清掃・保守管理 など |
ポイント:関連業務は“主たる業務に付随する範囲”であることが重要です。配属・シフト設計(何をどの頻度で行うか)を含め、業務の説明可能性を確保しましょう。
受入れ企業側の主な要件(工業製品製造業分野の上乗せ)
- ●JAIM(一般社団法人工業製品製造技能人材機構)への加入審査が必要です。
- ●一部の産業分類では、受入れに当たり追加的な基準があるため、最新の取扱いを確認。(例:繊維工業、印刷・同関連業 など)
特定技能外国人側の主な要件(工業製品製造業の技能・日本語)
外国人本人側は、原則として次の要件(技能水準・日本語水準)を満たす必要があります。
- ●技能水準:製造分野特定技能1号評価試験(業務区分別)の合格等。
- ●日本語水準:国が定める日本語試験(例:N4相当等)の合格等。
- ●技能実習2号を良好に修了している場合、技能試験・日本語試験が免除となる類型があります(要件確認が必要)。
- ●2号を目指す場合:生産管理・オペレーション等の2号評価試験で“熟練”水準の確認が必要(対象業務区分が限定)
導入フロー(海外呼寄せ/国内採用)
1.海外から呼び寄せる(在留資格認定証明書交付申請)
- 採用計画:産業分類×業務区分の適合性を確認(配属・業務設計含む)
- 雇用条件設計:賃金水準・労務管理・支援体制を整備
- 必要な加入・手続:JAIM加入等の実務対応
- 在留資格認定証明書交付申請 → 交付後に査証申請 → 入国 → 就労開始
2.国内在留者を採用する(在留資格変更許可申請)
- 留学生等の採用:学歴・在留状況・適合性を確認
- 在留資格変更許可申請 → 許可後に就労開始
- 既に技能実習で在留している人材:技能実習2号の修了状況等により移行ルートを検討
※審査期間や必要対応は、申請類型・入管の混雑状況・個別事情により変動します。
よくある質問
Q, 自社が対象産業分類に該当するか、どこで確認できますか?
A, 工業製品製造業分野は産業分類が限定列挙されています。まず自社の日本標準産業分類(事業所)を確認し、対象一覧と照合します。判断が難しい場合は、直近1年の製造品出荷額等の観点も含めて整理します。
Q, 主たる業務以外(運搬・清掃など)ばかり任せてもよいですか?
A, 関連業務は“付随的”に従事させることが想定されており、専ら関連業務のみは認められません。業務の中心が業務区分の範囲にあるよう、配属・工程を設計します。
Q, 複数ラインがあり、対象外製品も作っています。従事させられますか?
A, 個別の製造ライン・工程の切り分け、担当業務の説明可能性が重要です。受入れ前に、対象分類と業務区分に沿った配置・業務設計を行うことが推奨されます。
Q, 2号(無期限)まで見据えて採用できますか?
A, 可能です。ただし2号は対象業務区分が限定されるため、将来のキャリアパスを見越して、初期配属・技能育成計画を設計することが重要です。
谷島行政書士法人グループのワンストップサービス
サービス
- 1.無料簡易診断|最低限の許認可2つをチェック
- 2.人材リクルーティング|海外送出/国内転職市場からドライバー候補を紹介(成功報酬0円)
- 3.行政書士採用コンサルティング|外国人と企業ごとの法令要件&ビザチェック
- 4.申請代行|行政書士が在留資格認定・変更をワンパッケージ処理
a. 在留資格認定証明書交付申請:特定活動55号で招へい
b. 在留資格変更許可申請:特定技能
c. 協議会加入、大使館、公証役場なども国や分野ごとに別途対応 - 5.登録支援機関業務|法定12支援+オンライン日本語学習システムをカスタマイズ
- 6.行政書士トータル顧問|企業要件・免許取得可否をチェック、定期届出、免許更新・ドライバー行政処分対応、2号改正又は他の就労ビザへの変更相談で永住移行まで長期伴走

料金の考え方(項目例)
案件ごとに難易度・人数・スケジュールが異なるため、原則として個別お見積りです。目安として、次のような項目で構成されます。
- 初回適合性診断(産業分類×業務区分の確認、採用スキーム整理)
- 在留資格認定証明書交付申請(海外呼寄せ)
- 在留資格変更許可申請(国内採用)
- 更新・家族手続(必要に応じて)
- 支援設計・運用コンサル(社内支援体制構築/登録支援機関連携)
- 多数名採用の場合の運用パッケージ(届出・更新・異動管理)

ご相談フロー
「自社が対象産業分類に入るか」「この業務設計で“主たる業務”として説明できるか」など、初期判断が最重要です。まずは現状(工場の産業分類/対象ライン/任せたい工程)をご依頼時にご教示ください。ご不明な場合は相談プランもあります。
- 最短での見立て:産業分類×業務区分の適合性、スケジュール感、懸念点を整理
- オンライン相談可(全国対応)
- 守秘義務の下で対応します
参考リンク(公的一次情報)
- ● 経済産業省:特定技能外国人材制度(工業製品製造業分野)
- ● 経済産業省資料:工業製品製造業分野の特定技能制度(概要)PDF(2025年12月版)
- ● ポータルサイト(試験):製造分野特定技能評価試験
- ● 一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)
- ● 出入国在留管理庁:特定技能1号の各分野の仕事内容(Job Description)
- ● 出入国在留管理庁:特定技能外国人受入れに関する運用要領(最新版)
