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建設業の事例:「技術・人文知識・国際業務ビザ」就労資格証明書交付申請

2024年11月06日 成功事例

建設業の事例:「技術・人文知識・国際業務ビザ」就労資格証明書交付申請

 

クライアントの心配と、行政書士が特に解決に注力した事由:

1. 建設現場での就労ビザは難解であること
2. 過去に技能実習をしていた外国人を「技術・人文知識・国際業務ビザ」で雇用すること

 

就労資格証明書交付申請とは

就労資格証明書は他の在留申請のように在留資格の許可をされる目的ではなく、就労資格証明書交付申請で提出した業務範囲ができるかどうかの証明をする公文書です。つまり、提出範囲の内容については、入管が「お墨付き」をすることで不法就労となる資格外活動を防ぐことが出来ます。
申請内容の表現が広すぎたり、狭すぎたり、誤解を与えても良くないという点で、行政書士の腕の見せ所となります。

 

1 施工管理などの「技術・人文知識・国際業務」就労資格証明書交付申請の経緯

申請人は、建設業を営む所属機関で採用をされました。すでに「技術・人文知識・国際業務ビザ」をもっているため、技術などに関する専門的業務が可能です。しかし建設現場での就労は単純労働や作業を見受けられるため、入管は厳しく審査します。

今後、現場の施工管理や外国人スタッフへのサポート業務を担当します。今回、所属機関での活動が在留資格の基準に適合することを証明するため、「就労資格証明書」の交付申請を行うことにしました。

 

2 建設業者の概要と現場就労の採用理由

所属機関は、官公庁関係の建設工事や住宅造成工事など、多岐にわたる建設業を手がけており、年間売上高は約16億円を計上する総合建設業者です。
申請人の採用理由:

1. 専門知識:申請人は母国の大学で建築技術を専攻し、工学士の学位を取得しています。施工計画の立案や工程管理など、建設現場で必要な専門的な知識を有しています。

2. 語学力:日本語、インドネシア語、英語に堪能であり、建設現場で働く外国人技能実習生とのコミュニケーションに大きく貢献しています。

3. 実務経験:過去3年間、技能実習生として同じ所属機関で勤務し、その信頼性と実績が高く評価されています。
このような理由から、申請人が所属機関での施工管理および通訳・翻訳業務を担当することは必須と判断され、今回の採用に至りました。

 

3 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格該当性と「技術」「国際業務」の基準省令適合性の説明

申請人の業務内容:

1. 施工管理業務:施工計画の作成から工程・品質・安全管理までを担当します。この業務は、単なる工事の知識だけでなく、他の施工との連携や適切な材料選定、設計通りの施工を実現するためのチェックと監理が必要です。したがって、専門的・体系的な知識が求められます。

2. 通訳・翻訳業務:外国人技能実習生や取引先外国人スタッフへの通訳・翻訳を行います。これには、工事工程表や施工図の内容理解などの専門知識が必要です。

また、所属機関は今後も技能実習生の受け入れを継続し、特定技能への在留資格変更も視野に入れているため、申請人の業務量および活動の安定性・継続性の要件も立証します。

 

「施工管理」の説明例:

例えば、施工計画を策定する際にそれらの知識が必要であることはもちろん、さらに工事の各過程において設計通りの施工がなされているか、スケジュールの遅れはないか、必要な強度などが担保されているか、安全に施工が進められているかなどをチェック、監理、調整等を行う必要があり、当該工事にかかる総合的な理解並びに専門的、体系的な知識が必要になります。そのことを企業が実際にどこまで専門的に担わせられるかなどを説明します。

 

4 「技術・人文知識・国際業務」で認められた就労範囲:結論

以上の内容から、申請人は「技術・人文知識・国際業務ビザ」で建設現場での就労可能な範囲を確認できました。

ポイントは専門的な知識と技能、そして語学力を活かし、所属機関において安定的・継続的に業務を行うことであり、適正に今後も活躍されることが期待されます。

 

建設「技術・人文知識・国際業務」の立証資料:

本申請では以下の資料により、在留資格該当性と基準省令適合性を立証しました。
• 労働契約書:申請人の雇用条件の適正性を証明。
• 大学の卒業証書の写し:建築技術専攻の学歴を証明。
• 技能実習修了証書:日本での技能実習経験をあえて証明。
• 事業内容を明らかにする資料:履歴事項全部証明書、事業案内(主要取引先と実績を含む)。
• 施工管理業務の証拠資料:特定建設業の許可通知の写し、工事経歴書(総合建設工事、躯体工事)。
• 通訳・翻訳業務の証拠資料:言語対応対象である技能実習生の名簿、上陸予定の技能実習生と外国人建設就労者の在留資格認定証明書の写し。
• 企業の規模を証する資料

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この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士
谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
・外国人雇用・ビザ専門。手続代理及びコンプライアンス顧問として、登録支援機関のほか弁護士等の専門家向け顧問の実績多数。

 - 資格等
特定行政書士、宅建士、アメリカMBA・TOEIC、中国語(HSK2級)他

- 略歴等
・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。

- 取引先、業務対応実績一部
・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他
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