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YouTuber中国人の「興行ビザ」と「技術・人文知識・国際業務ビザ」の検討事例

2024年11月06日 成功事例

YouTuber中国人の「興行ビザ」と「技術・人文知識・国際業務ビザ」の検討事例

YouTube関連業務は在留資格を取得することが難しいとされる状況の中、YouTuberとしての活動に加え、専門的なイラスト業務やメディア業務がある場合の成功事例をご紹介します。

 

 

事例のポイント:「技術・人文知識・国際業務ビザ」でYouTuberはできるのか

YouTuberとして活動したい中国人が「興行ビザ」を申請するか、「技術・人文知識・国際業務ビザ」を申請するか、難しいことがあります。
YouTuberであれば在留資格がおりにくいことが問題です。もし、「興行ビザ」であれば可能性もありますが在留期間も15日から30日など短期になりかねません。また、許可事例も少なかったのです。

しかしYouTuber以外の業務があって、すなわちそれがメインでない場合、他の専門業務を行政書士がヒアリングして適切に「技術・人文知識・国際業務ビザ」が許可される成功事例として、以下説明いたします。

本事例では、業務配分によって、その成功率と、検討と短い在留期間にならないことをプランニングしました。

1. 「技術・人文知識・国際業務ビザ」申請の経緯

申請人は中国出身で、2019年に母国の大学を卒業し、日本文化やゲームに精通していることから日本での就労を希望していました。申請人はYouTube活動も行いますが、メインの職務はイラスト制作や多言語を活用したメディア業務であることをヒアリングしました。

 

2. プロダクションである所属機関の概要と採用の理由

所属機関は、年間約2億円の売上を誇る芸能・メディア・出版業を展開しており、多くの俳優やタレント、ミュージシャンを抱える企業です。申請人が採用された理由は、英語・日本語・中国語の語学力に加え、イラスト制作やメディア業務において日中双方の文化に対する深い理解と感性を持っている点です。

さらに、申請人は日本のテレビゲーム文化に幼少期から興味を持ち、大学で「絵画」を専攻した学術的背景もありました。これにより、イラストやデザイン、メディア業務を行う上で必要な素養を備えていると判断されました。

 

3. 業務内容の詳細

申請人が担当する業務は以下の3つの領域にわたります:

イラスト制作業務:タレントのグッズやメディア用のイラスト制作。所属機関の有力アーティストに関連するプロジェクトが多く、特に紅白出演者や有名アーティストのグッズデザインを担当。
メディア・語学業務:英語・中国語・日本語を活用した通訳・翻訳業務や、YouTubeやSNSを通じたマーケティング業務。多言語による広報活動も含む。
外国人アーティスト対応業務:外国人スタッフに対する通訳や研修支援、語学指導。

 

4. 技術・人文知識・国際業務ビザ取得のポイント

YouTuberの活動がメインではない点の強調:YouTuberとしての活動は「技術・人文知識・国際業務」ビザの要件を満たしにくく、短期間の滞在(例:30日間)しか許可されないケースも少なくありません。しかし、本件では、申請人の主な業務がイラスト制作やプロモーションあるいは通訳業務であることを行政書士が正確に把握し、適切な申請理由書を作成しました。結果として、YouTuberとしての活動も補完的な役割として受け入れられ、ビザの許可が下りた成功事例です(ちなみに、中国ではアプリの制限があるため日本で行う予定がありました)。

 

5. イラストやYouTube業務における就労ビザの結果

結果、許可されました。このケースでは、YouTuberとしての活動だけではなく、イラスト制作やメディア業務、語学を活用した専門業務が主であることを証明することで、「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得することができました。行政書士によるヒアリングを通じ、申請内容を正確に把握し、効果的な書類作成が成功の鍵となりました。

「興行ビザ」を申請していた場合、おそらく困難で、また活動がない間はイラスト業務をあまりできなくなってしまったでしょう。

さらに、長期の審査の結果、活動期間が立証された範囲での在留期間の許可となってしまったことでしょう。

「技術・人文知識・国際業務ビザ」提出資料:イラストやYouTube業務

「技術・人文知識・国際業務」ビザ申請には、申請者の学歴や職務内容を証明するための各種資料が必要です。このセクションでは、今回のケースで提出した資料を詳しく説明します。

 

1. 申請書

在留資格認定証明書交付申請書等基本資料

 

2. プロダクションとしての所属機関関連資料

労働契約書の写し:申請者が所属機関で従事する業務内容や契約条件を明記した書類

会社案内資料:会社の事業内容や沿革、役員構成、主な取引先などを説明したパンフレットや概要書。特に芸能プロダクションとしての活動実績やアーティスト名などの具体的情報は有利になります。

直近年度の決算書の写し:会社の経済的安定性を証明するための財務書類。企業の売上や利益、資産などを確認するために必要です。

 

3. 申請者の経歴を証明する資料

履歴書:申請者の職歴や学歴、従事した業務内容を詳細に記載したもの。特に、申請する業務に関連する職務経験を重点的に記載。

大学卒業証書の写し:申請者が母国の大学を卒業したことを証明する書類。

学士学位証書の写し:大学での専攻と学位取得を証明するもの。今回のケースでは、申請者が「絵画」を専攻して学士を取得していることが記載されています。

成績通知書の写し:大学での学業成績を証明するための書類。

 

4. 立証資料
事務所の写真:申請者が働く場所が実際に存在し、安定した職場環境であることを証明するための写真。

所属アーティストの資料:申請者が担当するイラスト制作やメディア業務の量や内容を証明するため、所属機関が抱える俳優やミュージシャンなどの資料。具体的には、紅白出演者や有名歌手のグッズデザインが業務としてあることを示すための証拠資料。

応募時の自己PR資料:申請者がどのような意図で会社に応募したのか、またどのように業務を遂行する意思があるかを説明した書類。今回は、日本のゲーム文化への興味が日本語習得に繋がった背景を強調しました。

オーストラリアのビザステータス資料:過去に申請者がオーストラリアでビザを取得し、そこで英語力を磨いたことを証明する資料。この資料により、語学力が安定した職務遂行に役立つことが証明されました。

 

5. 申請理由書
申請理由書:申請者がなぜ日本で働くことを希望しているのか、またどのような業務に従事するのかを説明する書類。今回のケースでは、イラストや通訳・翻訳業務が申請者の専門的なスキルに基づいていることを強調し、YouTube活動が関連業務である点を明確にしました。

 

「技術・人文知識・国際業務ビザ」の他事例にも応用できる書類の注意点

詳細かつ正確に:全ての書類は、最新の情報と正確なデータに基づいて提出することが求められます。特に企業や申請人の業務内容に関する証拠書類は審査の際に重要視されるため、しっかり準備しましょう。

企業の信頼性:企業の事業内容、経営状況の資料は、審査官に安定性の立証を充足する重要な要素です。特に中小企業の場合、ビジネスの概要を説明し、かつ決算書や事業案内の詳細が重要になります。

専門性の証明:申請者が担当する業務が、どのように「技術・人文知識・国際業務」に該当するかを示す資料がこの件で最も重要です。具体的な業務内容や、それを証明する資料をしっかり揃える必要があります。

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この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士
谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
・外国人雇用・ビザ専門。手続代理及びコンプライアンス顧問として、登録支援機関のほか弁護士等の専門家向け顧問の実績多数。

 - 資格等
特定行政書士、宅建士、アメリカMBA・TOEIC、中国語(HSK2級)他

- 略歴等
・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。

- 取引先、業務対応実績一部
・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他
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