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R8年行政書士法改正で登録支援機関はリスク:書類作成は「いかなる名目を問わず」、法人も両罰規定

2026年01月08日

登録支援機関コンプライアンスサービス

R8年行政書士法改正で登録支援機関はリスク:書類作成は「いかなる名目を問わず」、法人も両罰規定

内容

令和8年1月施行の行政書士法改正で大きく変わること

無資格者の例:登録支援機関・監理団体、コンサルタント

登録支援機関の「取次」と「書類作成」は別物です

結論:登録支援機関が「報酬を得て」在留申請書類を作成すると、行政書士法違反

違反になりやすい例(登録支援機関のパターン)

1)申請書・別紙・理由書等を“代筆・代入力”して完成させる

2)「サポート料」「会費」「システム利用料」名目で実質対価を受ける

3)受入企業の依頼で“包括的に一式対応”し、書類作成が混ざる

違反するとどうなる?(担当者だけでなく法人も)

適法に運用するための「落としどころ」(実務設計)

運用案A:書類作成は行政書士(または弁護士)に一本化し、支援機関は支援・取次に徹する

運用案B:受入企業(所属機関)が自社で“本人作成として”書類を作り、支援機関は提出や連絡補助に限定

依頼者(受入企業・外国人)側のチェックポイント

行政書士法の書類作成と両罰規定でよくある質問

 Q. 登録支援機関が申請取次できるなら、書類も作ってよいのでは?

 Q. 「サポート料」名目なら大丈夫ですか?

 Q. 会社がやらせた場合、担当者だけが責任を負うのですか?

谷島行政書士法人グループの支援とコンプライアンスの支援

公的機関の根拠情報

令和8年1月施行の行政書士法改正で大きく変わること

令和8年1月、行政書士法改正法が施行されました。これにより大きく変わることがあります。具体的には、行政書士の独占業務である「官公署に提出する書類」作成ビジネスを無資格で行う担当者が、報酬の名目を変えても刑事罰を受けやすくなることが挙げられます(元々の解釈が明文化)。

さらに、法人も100万円以下の罰金刑となる両罰規定が制定されました。

無資格者の例:登録支援機関・監理団体、コンサルタント

登録支援機関や監理団体は、入管申請書類を作ることがあります。また、補助金や医療コンサルタントなども官公署提出書類を作成していることがあります。

これらはオンライン申請の入力も同様に「申請書作成」となります。

この場合、「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が業務制限規定(行政書士法19条1項)に追加されたことで、対価の“言い換え”(サポート料・会費・手数料・システム利用料等)で逃げることができないリスクとなります。

  1. 違反時に、担当者だけでなく“会社(法人)”も罰則対象になる(両罰規定の整備)
    19条1項違反があった場合に、行為者に加えて法人側にも罰則が及ぶ枠組みが整備され、コンプライアンス投資(社内統制・外注設計)の意思決定が加速しやすいです。
  2. 行政手続の現場”で、代理提出・取次の運用ルールがより厳格に整理される
    例えば官公庁側が「本人作成/行政書士作成」の区分を強く求める等、取扱いの明確化が起きやすいです(総務省通知を踏まえた運用例として、各制度での周知が出ています)。
  3. 登録支援機関・人材会社・販売店等の“周辺業界”で、業務切り分け(生活支援=OK/書類作成=行政書士)が標準化する
    登録支援機関は元々行政手続の専門家ではないため、今後は本来の業務である「支援費用」に書類作成を組み込むような違反態様が見直され、行政書士との提携・同席・受任の場面が増えることになると思われます。
  4. デジタル社会対応(ICT活用等)の“努力義務”が、会務・研修・業務設計に影響
    デジタル社会対応の努力義務は、すぐに罰則適用ではありませんが、オンライン手続・電子化を前提にした業務改善が「当たり前」になっていきます。

登録支援機関の「取次」と「書類作成」は別物です

特定技能の受入れ実務では、登録支援機関が在留申請の準備・提出に関与する場面が多くあります。
しかし、入管への提出(取次として申請の代行)ができることと、提出書類そのものの作成ができることは、法的に同じではありません。

登録支援機関の職員が、在留申請オンラインシステム等で手続を行うには、地方出入国在留管理官署において申請等取次者として承認されていることや、所属機関から代行依頼を受けていることが要件として示されています。

これはあくまで「取次(提出代行)」の話であり、提出書類の作成を業として有償で行ってよいという意味ではありません。

令和8年1月の行政書士法改正により、無資格者による書類作成ビジネスは、名目を変えてもリスクが顕在化しやすくなりました。

結論:登録支援機関が「報酬を得て」在留申請書類を作成すると、行政書士法違反

行政書士法19条1項(業務制限)は、無資格者が他人の依頼を受けて官公署提出書類を作成することを制限しています。今回の改正で、次の点が明確化されました。

  • 「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」が条文に入り、対価の名目を変えても実質が“報酬”なら違反であることがより明確になりました。
  • さらに、両罰規定(23条の3)の整備により、担当者だけでなく法人側も罰則対象となり得ます。

違反になりやすい例(登録支援機関のパターン)

次のような運用は、行政書士法19条1項の射程に入りやすく、特に注意が必要です。

1)申請書・別紙・理由書等を“代筆・代入力”して完成させる

  • 申請書の記入(学歴・職歴・活動内容など)を実質的に支援機関が作る
  • 理由書・説明書・補足資料を支援機関が起案する

2)「サポート料」「会費」「システム利用料」名目で実質対価を受ける

改正のポイントは、名目ではなく実質です。
「無料で作成」と言いつつ、別の費目に上乗せしていれば「報酬」と評価され得る方向が明確になっています。

3)受入企業の依頼で“包括的に一式対応”し、書類作成が混ざる

「支援業務委託契約」の範囲に、申請書類の作成・起案・編集が実質的に含まれているケースです。

違反するとどうなる?(担当者だけでなく法人も)

今回の改正は、単に「文言を変えた」だけではなく、処罰の実効性を高める方向です。

  • 行為者(担当者):無資格での業としての書類作成が問題化
  • 法人(登録支援機関・事業者):両罰規定により、法人側も罰則対象となり得る

このため、現場担当の注意だけでなく、会社としての業務設計・契約設計・業務分掌が重要になります。

適法に運用するための「落としどころ」(実務設計)

登録支援機関が関与しても、設計次第で適法・安全に回せます。

運用案A:書類作成は行政書士(または弁護士)に一本化し、支援機関は支援・取次に徹する

  • 行政書士(行政書士法人)が受任して書類を作成
  • 登録支援機関は、生活支援・同行・通訳・情報収集・提出補助(取次)等に限定
     最も安全で、監査にも耐えやすい設計です。

運用案B:受入企業(所属機関)が自社で“本人作成として”書類を作り、支援機関は提出や連絡補助に限定

  • ただし、支援機関が「実質的に起案している」と見える運用は危険です
  • 監修・リーガル判断が必要な場面は行政書士へ切替えるのが無難です

依頼者(受入企業・外国人)側のチェックポイント

登録支援機関に委託する前に、次を確認すると事故を避けやすいです。

  • 見積・契約書に「申請書類の作成」が含まれていないか
  • 「無料作成」「一式対応」の内訳に、実質的な作成対価が紛れていないか
  • 書類作成を誰が行うのか(行政書士が受任するのか)を明確化できるか

行政書士法の書類作成と両罰規定でよくある質問

Q. 登録支援機関が申請取次できるなら、書類も作ってよいのでは?

A. 取次(提出代行)と書類作成は別です。オンライン手続等で登録支援機関職員が行う場合でも、承認等の要件が示されており、それが直ちに「有償での書類作成」を許容するものではありません。

Q. 「サポート料」名目なら大丈夫ですか?

A. 名目ではなく実質で判断され得ます。改正で「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」が明確化されています。

Q. 会社がやらせた場合、担当者だけが責任を負うのですか?

A. 両罰規定の整備により、法人側も罰則対象となり得ます。

谷島行政書士法人グループの支援とコンプライアンスの支援

当法人では、特定技能の運用において問題になりやすい、
「登録支援機関の業務範囲」と「在留申請書類作成(行政書士業務)」の切り分けを前提に以下をプロジェクト的にマニュアル作成や行政対応まで支援させていただきます。

  • 業務フロー/契約書の整備(委託範囲の明確化)
  • 行政書士受任スキームの設計(支援機関との協業)
  • 監査・行政対応を意識した証跡設計

公的機関の根拠情報

日本行政書士会:https://www.maff.go.jp/j/kokusai/boueki/attach/pdf/triff-28.pdf?utm_source=chatgpt.com

出入国在留管理庁:https://www.moj.go.jp/isa/applications/online/10_00114.html?utm_source=chatgpt.com

農林水産省https://www.maff.go.jp/j/kokusai/boueki/attach/pdf/triff-28.pdf?utm_source=chatgpt.com

この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士

谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
外国人雇用・ビザの専門家として手続代理と顧問アドバイザリーを提供。ビザ・許認可など法規制クリアの実績は延1万件以上。


- 講師実績
行政書士会、建設やホテル人材等の企業、在留資格研究会等の団体、大手士業事務所、その他外国人の講義なら幅広く依頼を受ける。

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- 対応サービス

  • 行政対応
  • 外国人材紹介
  • 外国人登録支援機関業務
  • TAKUMI人事

- 資格等

特定行政書士、宅建士、アメリカMBA・TOEIC、中国語(HSK2級)他


- 略歴等

・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。


- 取引先、業務対応実績一部

・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他

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