「技人国」ビザの副業は資格外活動許可が必要?更新不許可との関係
2026年03月17日
技術・人文知識・国際業務在留資格一般
「技人国」ビザの副業は資格外活動許可が必要?更新不許可との関係
「技術・人文知識・国際業務」ビザで働く外国人の方や、その雇用企業から、近年よくいただくご相談が、副業に資格外活動許可が必要かというものです。
結論からいうと、副業だから当然に資格外活動許可が必要というわけではありません。
しかし一方で、許可が必要なケースであれば、更新不許可となり、帰国させられるリスクもあります。
また、不要と考えられる副業であっても、内容や実態によっては在留期間更新で問題化し、不許可リスクにつながることがあります。その解説をしてまいります。
技術・人文知識・国際業務ビザの副業で資格外活動許可が必要になる基本ルール
出入国在留管理庁は、現に有している在留資格に属さない「収入を伴う事業を運営する活動」または「報酬を受ける活動」を行おうとする場合に、資格外活動許可が必要であると案内しています。
つまり、「技術・人文知識・国際業務」ビザの方については、まずその副業が現在の在留資格に含まれる活動なのか、それとも在留資格の範囲外の活動なのかを切り分ける必要があります。
特に注意したいのは、入管が見ているのは単なる「副業かどうか」ではなく、
その活動が現在の在留資格の範囲に入るのか、本来の在留活動より副業が主になっていないか、稼働実態や報酬の受け方が適法に整理されているか
という点です。
(出典:出入国在留管理庁HP、https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00045.html?utm_source=chatgpt.com)
この点を誤って、本来は資格外活動許可が必要な副業を無許可で行ってしまうと、更新審査で不利益になり得ますし、そもそも不法就労の問題にもなります。
資格外活動許可の要否の判断を入管にお墨付きをもらうなら、就労資格証明書交付申請
副業であっても、その仕事内容自体が「技術・人文知識・国際業務」の活動に該当するのであれば、直ちに資格外活動許可が必要になるとは限りません。
なお、入管庁は、就労資格証明書について、その外国人が「自らの在留資格で行うことができる収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動」を証明する文書と説明しています。
この制度は、資格内の活動かどうかの疑義があるときに、公文書として業務を証明してもらえる申請です。
たとえば、主たる勤務先とは別に、
- 通訳・翻訳
- 語学指導
- 海外取引関連の業務
- エンジニア、設計、マーケティング、企画等の専門的業務
など、「技術・人文知識・国際業務」の範囲に収まる業務内容であり、かつ契約関係や業務内容が明確である場合には、資格外活動ではない整理が成り立つことがあります。
ただし、実際には業務内容・契約形態・稼働実態の確認が不可欠です。
技術・人文知識・国際業務ビザの副業で資格外活動許可が必要になりやすいケース
逆に、次のような副業は、資格外活動許可が必要、またはそもそも現在の在留資格では適法に行いにくい可能性があります。
技術・人文知識・国際業務に当たらない単純労務
たとえば、接客、配膳、レジ、倉庫内の単純作業、ライン作業など、専門性より現業性が強い業務は、「技術・人文知識・国際業務」に該当しない方向で判断されやすいです。
入管庁の「技術・人文知識・国際業務」の明確化資料でも、在留資格に該当しない活動が主たる活動になっていると判明した場合には、在留期間更新を不許可とする等の措置があり得る旨が示されています。
個人事業主型の副業・稼働時間の把握が難しい副業
入管庁は、資格外活動許可の説明の中で、「個人事業主として活動する場合や客観的に稼働時間を確認することが困難である活動に従事する場合」を明示しています。
この記載は、まさに、業務委託・フリーランス・ネット経由の仕事・SNS収益化など、勤務実態の把握が難しい活動が問題になりやすいことを示しています。
収入を伴う事業運営
単なるアルバイトではなく、自ら事業を運営して収入を得る形になると、資格外活動許可の要否だけでなく、そもそも「経営・管理」など別の在留資格との関係も検討が必要になることがあります。
入管庁も資格外活動の対象として、報酬を受ける活動だけでなく、収入を伴う事業を運営する活動を明記しています。
資格外活動許可が不要でも更新不許可になる理由
ここが最も誤解されやすいポイントです。
「資格外活動許可が不要」=「更新も安全」ではありません。
在留期間更新は、法務大臣が「相当の理由」があると認めるときに許可できる仕組みで、機械的な判断ではありません。実際の審査では、現在の在留資格に該当する活動を適正に継続しているか、在留状況に問題がないかなどが総合的に見られます。
そのため、たとえ副業が名目上は「技術・人文知識・国際業務」に近いとしても、たとえば次のような事情があれば更新審査で不利になり得ます。
- 本業より副業の稼働・収入が大きい
- 副業の内容により本来の在留資格該当性が弱い状態になっている
- 契約関係、業務内容、報酬の証明資料が不十分
- 所属機関の届出の違反疑い
- 納税の違反疑い
- 本来の勤務先での活動実態が薄い
特に入管庁の明確化資料では、在留資格に該当しない活動が主たる活動になっている場合、「技術・人文知識・国際業務」に該当する活動を行っていないとして、在留期間更新を不許可とする等の措置があり得るとされています。
したがって、更新不許可リスクは、資格外活動許可の有無だけでなく、副業が主従関係を逆転させていないかにも大きく左右されます。
技術・人文知識・国際業務ビザで注意したい副業の典型例
通訳・翻訳・マーケティング支援
比較的「技術・人文知識・国際業務」で行いやすい類型です。
もっとも、実際には、単なるSNS投稿代行や単純な通訳に近いと、専門性の説明が弱くなることがあります。
飲食店の接客、販売スタッフ、倉庫作業
「技術・人文知識・国際業務」からは外れやすく、無許可で行えば問題が大きくなりやすい類型です。
接客等の現業が中心である場合は、特に慎重な検討が必要です。
YouTube、SNS運用、アフィリエイト、EC販売
内容次第です。
広告収益や物販収益が発生する場合、報酬を受ける活動や収入を伴う事業運営として整理され得ます。また、個人事業主型・稼働時間把握困難型としても注意が必要です。
業務委託・フリーランス案件
専門職型の業務でも、契約書や成果物、業務指示系統、報酬資料が曖昧だと、更新時に説明が難しくなります。
「副業だから軽く始める」のではなく、最初から在留資格との整合性を証拠化する視点が重要です。
技術・人文知識・国際業務ビザの副業で更新不許可を避けるためのチェックポイント
副業を始める前、または更新前には、少なくとも次の点を確認したいところです。
したがって、たとえば以下の点は、更新不許可リスクの予防として重要です。
• 副業の仕事内容が「技術・人文知識・国際業務」の範囲に入るか
• 雇用契約書、業務委託契約書、業務内容説明書があるか
• 報酬額、勤務時間、成果物などが客観資料で示せるか
• 本業が引き続き主たる活動であると説明できるか
• 所属機関に関する届出、住居地届出、納税・社会保険などに不整合がないか
企業が注意すべき「技術・人文知識・国際業務」外国人の副業管理
企業側も、「本人が副業でやっているだけ」と軽く考えるのは危険です。
採用企業が、外国人本人の在留資格に合わない業務を容認したり、実際には現業中心の仕事をさせたりすると、本人だけでなく企業側にも不法就労助長の観点から問題が及ぶおそれがあります。
また、副業の問題は、本人の更新不許可リスクだけでなく、企業の人事運用にも直結します。
途中で更新が不許可となれば、継続雇用や配置計画に重大な支障が出るため、入社時・副業開始時・更新前の3段階でチェックする体制が望ましいです。
技術・人文知識・国際業務ビザの副業は「許可の有無」だけでなく「更新で説明できるか」で判断を
「副業だから資格外活動許可が必要」
「専門職っぽい副業だから許可不要」
このように単純化してしまうと危険です。
実務では、次の順で考えるのが安全です。
- その副業は現在の在留資格に該当するか
- 該当しないなら資格外活動許可が必要か
- 該当するとしても、本業との主従関係や証拠資料に問題がないか
- 更新審査で一貫して説明できるか
とくに「技術・人文知識・国際業務」は、業務の専門性・関連性・主たる活動性が重視されやすい在留資格です。
副業の設計を誤ると、資格外活動許可の問題にとどまらず、在留期間更新の不許可という形で表面化することがあります。
技術・人文知識・国際業務ビザの副業・資格外活動許可・更新不許可でお困りの方へ
谷島行政書士法人グループでは、
「この副業は資格外活動許可が必要か」
「更新で不許可にならないよう、どう整理すべきか」
といった論点について、外国人ご本人・雇用企業の双方からご相談(一部は顧問先企業の雇用者対応)をお受けしています。
副業は、始める前に整理すれば対応できるケースが多い一方、
更新直前になってから発覚すると、修正が難しいことがあります。
- 副業の在留資格該当性のチェック
- 契約書・業務内容説明書の整備
- 資格外活動許可申請の要否判断
- 就労資格証明書の検討
- 更新申請前のリスク点検
をご希望の方は、早めにご相談ください。
技術・人文知識・国際業務ビザ副業チェックリスト
副業の可否は、在留資格該当性・就労資格証明書の要否、資格外活動許可の要否、また、契約内容・更新リスクをすべて確認することが重要です。顧問契約をいただければ、ご要望のうえ、「技術・人文知識・国際業務ビザ副業チェックリスト」をお渡ししております。資格外活動許可の要否と更新リスクの整理にお役立ていただいています。
出典
- 出入国在留管理庁「資格外活動許可について」
- 出入国在留管理庁「資格外活動許可申請」
- 出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」
- 出入国在留管理庁「技術・人文知識・国際業務の在留資格の明確化等について」
- 出入国在留管理庁「就労資格証明書交付申請」
- 出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」「在留資格変更許可申請」関連案内
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この記事の監修者

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谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
外国人雇用・ビザの専門家として手続代理と顧問アドバイザリーを提供。ビザ・許認可など法規制クリアの実績は延1万件以上。
- 講師実績
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行政書士会、建設やホテル人材等の企業、在留資格研究会等の団体、大手士業事務所、その他外国人の講義なら幅広く依頼を受ける。
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- 資格等
特定行政書士、宅建士、アメリカMBA・TOEIC、中国語(HSK2級)他
- 略歴等
・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。
- 取引先、業務対応実績一部
・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他
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