3年ビザで不許可?永住許可ガイドライン改訂はR9年3月までの猶予
2026年03月10日
永住
3年ビザで不許可?永住許可ガイドライン改訂はR9年3月までの猶予
― 令和9年3月31日以降の「最長の在留期間」要件に注意 ―
永住許可のご相談で、最近特に重要なのが、「3年の在留期間を持っていれば永住申請できるのか」という点です。
出入国在留管理庁の「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」では、永住許可の要件として、「現に有している在留資格について、最長の在留期間をもって在留していること」が示されており、今後は、5年ビザが基本になります。これは今まで猶予されていたため、気づかれない方も多くいらっしゃいます。
そのうえで、3年の在留期間については経過措置が明記されており、それを解説していまいります。
したがって、今後は、3年ビザだから直ちに永住不許可という単純な話ではありませんが、令和9年3月31日を境に取扱いが変わるため、申請タイミングの判断が非常に重要になります。
まず結論:何が改正されたのか
今回のポイントは、永住許可ガイドラインの注記として次の取扱いが明文化されていることです。
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「注1)令和9年3月31日までの間、在留期間『3年』を有する場合は、前記1(3)ウの『最長の在留期間をもって在留している』ものとして取り扱うこととする。令和9年3月31日の時点において在留期間『3年』を有する者については、当該在留期間内に処分を受ける場合、その初回に限り前記1(3)ウの『最長の在留期間をもって在留している』ものとして取り扱う。」 |
この文言の意味と解釈は、簡単にいえば次のとおりです。
- 令和9年3月31日までは、3年の在留期間でも「最長の在留期間」とみなして扱う
- さらに、令和9年3月31日時点で3年ビザを持っていた人は、
その在留期間が続いている間に受ける処分について、初回に限り、なお「最長の在留期間」として扱われる - 初回である限り、その在留資格を(最長は令和12年)までに更新する前に永住許可を申請していれば、許可されることも見込めるということです。(例:令和9年3月30日に許可が出た者であろうと令和12年3月30日までの許可期限となるので、その間は経過措置)
- 更新を挟む場合、令和9年3月31日の時点において在留期間『3年』を持っていれば、申請をしても、その後の更新で3年になっても、なお許可見込みがある。
- 反対にいえば、この経過措置の外に出ると、3年ビザでは足りず、不許可リスクが上がることになる、ということです。
「3年ビザで不許可になる」の意味と、気づかないまま1年以上の審査を待つことも
正確には、「3年ビザの人が直ちに全員不許可になる」のではなく、経過措置終了後は、3年ビザが永住申請上の要件適合として扱われなくなる場面が出てくる」という理解が適切です。
つまり、
- 令和9年3月31日までに申請・処分されるケース
- 令和9年3月31日時点で3年ビザを持っており、その在留期間内の初回処分のケース
つまり、後段は、3年ビザで期限経過してもなお許可可能性があります。
一方で、その外側、つまり経過措置が切れた後の新たな申請局面では、原則どおり「最長の在留期間をもって在留していること」が問題になるため、3年ビザでは足りないとして扱われるおそれがあります。
このため、「経過措置に該当しないから申請してもあなたは不許可です」と、申請前に入管が気付き、または言ってくれることは望めません。公務員として、全員に、かつ微妙な判断を申請前に断定できないからです。
したがって、気づかず、申請しても不許可になる場合が最悪です。永住許可は現在の東京入管では1年6か月ほど経ってから、やっと審査担当が決まるレベルであり(令和8年3月時点)、それまで申請人が気付かず、長期間待つことになります。
具体的に注意すべき人
特に注意したいのは、次のような方です。
1.永住申請の準備は整っているが、まだ申請していない方
税・年金・健康保険・在職証明・課税証明などの準備を後回しにしているうちに、経過措置の期限をまたぐと、3年ビザでは不利になる可能性があります。
永住申請は、要件だけでなく、「いつ申請するか」が結果を左右する典型例です。
2.現在3年ビザで、次回更新の結果次第で申請したい方
令和9年3月31日時点で3年ビザを持っているかどうか、そしてその在留期間内の初回処分に当たるかどうかで取扱いが変わります。
このため、更新申請・永住申請を別々に考えるのではなく、在留期限から逆算した戦略設計が重要です。
3.過去に3年が出ていたので安心している方
以前は「3年があれば実務上進めやすい」と考えられていた場面でも、今後はガイドラインの経過措置終了後かどうかを見なければなりません。
古いネット記事や古い説明資料だけで判断するのは危険です。
実務上の読み方
実務では、次のように整理するとわかりやすいです。
令和9年3月31日まで
3年ビザでも、ガイドライン上は「最長の在留期間をもって在留している」ものとして扱うとされています。
したがって、この期間中は、3年ビザだからという理由だけで直ちに門前払いという整理ではありません。
令和9年3月31日時点で3年ビザを持っている人
その人については、当該在留期間内に処分を受ける場合の初回に限り、引き続き「最長の在留期間」として扱うとされています。
この「初回に限り」という文言は重要で、何度でも3年でよいという意味ではありません。
その後
経過措置の外に出た後は、原則どおり、現に有する在留資格について最長の在留期間を持っているかが問われます。
そのため、3年ビザのままでは、永住申請に不利または要件未充足と判断される可能性があります。これは「3年ビザで不許可になる」と言われる背景です。
よくある誤解
誤解1:3年ビザなら今後ずっと永住申請できる
そのようには読めません。
公式文言は、あくまで令和9年3月31日まで、そして同日時点で3年を有する者の初回処分に限るという限定付きです。
誤解2:3年ビザだと申請できなくなる
これも正確ではありません。そもそも申請の権利は法的に認められております。
許可不許可の論点でしたら、経過措置の範囲内であれば、3年ビザでも「最長の在留期間」として扱うとされています。
したがって、問題は「3年かどうか」だけではなく、いつの時点で、どの処分を受けるかです。
誤解3:3年ビザ以外の要件は後でよい
永住申請では、素行、独立生計、公的義務の履行、日本国益適合性など、在留期間以外にも確認される要素があります。
在留期間の経過措置だけを見て申請すると、別の論点で不許可になることがあります。
企業・本人が取るべき対応
したがって、永住を見据えている方は、少なくとも次の点を早めに確認すべきです。
- 現在の在留期間が何年か
- 令和9年3月31日時点で3年ビザを保有している見込みか
- その後の処分が「初回」に当たるか
- 税・年金・健康保険・在職関係資料が揃うか
- 他の永住要件に弱点がないか
特に、会社側が外国籍社員の定着支援として永住申請を視野に入れる場合、
単に「勤続年数が足りたら申請する」ではなく、在留期間の区切りを踏まえたスケジュール管理が必要です。
谷島行政書士法人グループのサポート
永住申請は、必要書類を集めればよいだけの手続ではありません。
とくに今回のように、ガイドラインの経過措置と申請時期が結果を左右する局面では、更新・転職・年収・納税状況・家族帯同の事情も含めて、全体設計が必要です。
谷島行政書士法人グループでは、
「今の3年ビザで申請すべきか」「更新を待つべきか」「経過措置の対象に入るか」を整理したうえで、永住申請の可否を実務目線で診断しています。
3年ビザのまま永住申請を進めてよいか不安な方は、早めにご相談ください。
まとめ
今回の改正で重要なのは、3年ビザが永住申請上いつまで有利に扱われるかが、明確に期限付きで整理されたことです。
公式には、令和9年3月31日までは3年ビザを「最長の在留期間」として扱い、さらに同日時点で3年ビザを持つ人には、当該在留期間内の初回処分に限って救済があるとされています。
そのため、今後は、
「3年ビザだから大丈夫」でもなく、
「3年ビザだから即不許可」でもなく、
「経過措置の中か外か」を見極めることが決定的に重要です。
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この記事の監修者

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谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
外国人雇用・ビザの専門家として手続代理と顧問アドバイザリーを提供。ビザ・許認可など法規制クリアの実績は延1万件以上。
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・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。
- 取引先、業務対応実績一部
・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他
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