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【家族滞在】経営ビザからの変更申請は経営の不法就労を疑われる?

2026年03月09日

事例

【家族滞在】経営ビザからの変更申請は経営の不法就労を疑われる?

事例の概要

本件は、もともと就労系の在留資格で在留していた申請人が、役員退任および株式譲渡を行い、従前の在留資格該当性を失ったため、配偶者の扶養を受ける形で「家族滞在」へ在留資格変更許可申請を行い、許可された事例です。

本件の特徴は、単なる夫婦関係の立証だけではなく、次のような点を丁寧に説明・立証したことにあります。

 ・役員退任により従前の在留資格該当性が失われたこと
 ・今後は配偶者の扶養を受ける必要があること
 ・扶養者が留学生であり、給与収入が限定される中でも、預貯金等により生活費を賄えること
 ・口座入金の一部に第三者名義が含まれていても、実質的には夫婦生活費の補助であること
 ・申請人にも資格外活動許可後の就労予定があり、生活基盤の安定性が見込まれること

相談時の状況

申請人は、当初は事業運営に関与する立場で本邦に在留していました。
しかし、その後、役員退任により、これまでの在留資格に対応する活動を継続しない状況となりました。

このままでは、従前の在留資格に該当する活動を行わないことになるため、在留資格の見直しが必要でした。
一方で、申請人の配偶者は適法に在留しており、夫婦として同居・同一生計の実態もありました。

そこで、配偶者による扶養を前提として、「家族滞在」への在留資格変更許可申請を行う方針となりました。

本件で重視した立証ポイント

1.役員退任により従前の在留資格該当性が失われたことを明確化

在留資格変更申請では、現在の状況がどう変わったのかを明確にしないと、審査官にとって全体像が見えにくくなります。
本件ではまず、申請人が従前どのような立場で在留していたのか、その後に何が変わったのかを整理しました。

具体的には、

 ・役員を退任したこと
 ・株式譲渡により経営との関与が終了したこと
 ・その結果、従前の在留資格に対応する活動が継続しないこと

を示し、なぜ今回「家族滞在」への変更が必要なのかを分かりやすく説明しました。

その裏付けとして、役員退任を示す法人登記資料を提出し、事情説明だけでなく客観資料でも補強しました。

2.「扶養を受ける必要性」の立証

本件では、申請人が独立して従前の活動を続けるのではなく、今後は配偶者の扶養を受ける状況にあることを示す必要がありました。

そのため、単に「夫婦だから扶養する」という説明ではなく、

 ・申請人が従前の活動を終了したこと
 ・その結果として生活基盤を再構築する必要があること
 ・夫婦として同一生計であること
 ・今後は配偶者の扶養を前提に日本で生活すること

を理由書で整理しました。

家族滞在は、夫婦関係があるだけで当然に認められるものではなく、実際に扶養を受けて在留することの合理性と実態が重要です。
本件では、この「必要性」の説明を丁寧に行ったことがポイントでした。

3.預金の実質的な扶養能力を立証

扶養者が留学生であっても、預金と援助経緯を含めて生活基盤を説明

本件で特に慎重な整理が必要だったのは、扶養者である配偶者が留学在留であり、収入の中心がアルバイトであったことです。

このような場合、一般的には収入面の説明が弱く見られることがあります。
そこで本件では、単月の給与額だけで判断されないよう、預金残高や入出金状況を含めた実質的な生活基盤を説明しました。

また、口座には申請人本人の資金や、第三者を経由した入金も含まれていました。
この点は、説明なく提出すると、審査上の疑問を招きやすい部分です。
そのため本件では、

 ・夫婦として同一生計であること
 ・口座上の資金の一部が夫婦共有生活費の性質を持つこと
 ・第三者経由の金銭についても、実質的には親族側からの継続的援助であること
 ・海外送金の手数料や送金実務の都合から、日本国内の協力者を介して援助していたこと

を説明し、形式的な名義ではなく、実質的な支弁関係があることを疎明しました。

これは、家族滞在の審査でしばしば問題になる「誰が、どの程度、どのように継続して生活費を支えるのか」という点に正面から答えるものです。

4.今後の安定性の補強

資格外活動許可後の就労予定もあわせて説明

本件では、変更申請と同時に資格外活動許可申請も行いました。
家族滞在の審査は、あくまで扶養を前提とするものですが、申請人に資格外活動許可後のアルバイト予定があることは、生活の安定性を補強する事情になり得ます。

そこで、申請人について、

 ・アルバイト予定先の概要
 ・労働条件の概要

を示し、資格外活動許可が得られた場合には、申請人自身も一定の生活補助が可能になる見込みを説明しました。

もちろん、家族滞在の本体は「扶養」であり、資格外活動を前提にしすぎるのは適切ではありません。
そのため本件では、主たる生活基盤は配偶者側の扶養と預金であり、申請人の就労予定は将来の安定性を補強する事情として位置付ける構成にしました。

提出資料のポイント

本件では、基本資料に加えて、個別事情に対応した資料を提出しました。

基本資料

  • 在留資格変更許可申請書
  • 写真
  • 許可通知用葉書
  • 結婚証明書
  • 扶養者のパスポート写し
  • 扶養者の在留カード写し
  • 扶養者の預金通帳写し

 

追加で重視した資料

  • 申請理由書
  • 役員退任を証する法人登記資料
  • 申請人のアルバイト予定先の概要資料
  • 労働条件概要書

 

本件では特に、役員退任の事実を客観資料で示したこと、そして預金の原資や第三者経由援助の経緯を理由書で補ったことが重要でした。

結果

本件では、役員退任により従前の在留資格に該当しなくなった事情を整理したうえで、
配偶者による扶養の必要性、預金を中心とした生活基盤、援助の実態、将来の生活安定性を丁寧に立証し、「家族滞在」への在留資格変更許可を得ることができました。

扶養者が留学生であるケースや、預金口座に第三者経由の入金があるケースでは、形式的な資料提出だけでは説明不足と受け取られることがあります。
そのため、通帳の数字だけでなく、その背景にある生活実態や援助経緯まで言語化して示すことが、実務上は非常に大切です。

行政書士のコメント

家族滞在ビザへの変更では、次の点が重要になります。

  • 本当に扶養を受けて在留する実態があるか
  • 扶養者に安定した生活費支弁能力があるか
  • 夫婦関係・同一生計の実態があるか
  • 現在の在留資格からなぜ変更が必要なのか
  • 預金や援助金の原資に不自然な点がないか

 

特に、今回のように、

  • 従前の就労・経営活動が終了している
  • 扶養者が学生である
  • 口座の入金に第三者名義が含まれている
  • 今後の生活設計も合わせて説明する必要がある

 

という事案では、定型的な申請だけでは足りず、理由書による丁寧な補足説明が重要になります。

このような方はご相談ください

 経営・就労系の在留資格から家族滞在へ変更したい
 退職、役員退任、事業終了に伴い在留資格の見直しが必要
 扶養者が留学生で、収入立証に不安がある
 預金の原資や第三者援助の説明が必要
 家族滞在と資格外活動許可をあわせて進めたい

 

谷島行政書士法人グループでは、家族滞在ビザへの変更案件、扶養能力の立証が難しい案件、理由書による事情説明が重要な案件にも対応しています。
複雑な事情がある場合ほど、申請前の整理が重要です。お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士

谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
外国人雇用・ビザの専門家として手続代理と顧問アドバイザリーを提供。ビザ・許認可など法規制クリアの実績は延1万件以上。


- 講師実績
行政書士会、建設やホテル人材等の企業、在留資格研究会等の団体、大手士業事務所、その他外国人の講義なら幅広く依頼を受ける。

▶ ご依頼、セミナー、取材等のお問合せはこちら

- 対応サービス

  • 行政対応
  • 外国人材紹介
  • 外国人登録支援機関業務
  • TAKUMI人事

- 資格等

特定行政書士、宅建士、アメリカMBA・TOEIC、中国語(HSK2級)他


- 略歴等

・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。


- 取引先、業務対応実績一部

・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他

03-5575-5583に電話をかける メールでお問い合わせ
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【家族滞在】経営ビザからの変更申請は経営の不法就労を疑われる?

事例

【家族滞在】経営ビザからの変更申請は経営の不法就労を疑われる?

事例の概要

本件は、もともと就労系の在留資格で在留していた申請人が、役員退任および株式譲渡を行い、従前の在留資格該当性を失ったため、配偶者の扶養を受ける形で「家族滞在」へ在留資格変更許可申請を行い、許可された事例です。

本件の特徴は、単なる夫婦関係の立証だけではなく、次のような点を丁寧に説明・立証したことにあります。

 ・役員退任により従前の在留資格該当性が失われたこと
 ・今後は配偶者の扶養を受ける必要があること
 ・扶養者が留学生であり、給与収入が限定される中でも、預貯金等により生活費を賄えること
 ・口座入金の一部に第三者名義が含まれていても、実質的には夫婦生活費の補助であること
 ・申請人にも資格外活動許可後の就労予定があり、生活基盤の安定性が見込まれること

相談時の状況

申請人は、当初は事業運営に関与する立場で本邦に在留していました。
しかし、その後、役員退任により、これまでの在留資格に対応する活動を継続しない状況となりました。

このままでは、従前の在留資格に該当する活動を行わないことになるため、在留資格の見直しが必要でした。
一方で、申請人の配偶者は適法に在留しており、夫婦として同居・同一生計の実態もありました。

そこで、配偶者による扶養を前提として、「家族滞在」への在留資格変更許可申請を行う方針となりました。

本件で重視した立証ポイント

1.役員退任により従前の在留資格該当性が失われたことを明確化

在留資格変更申請では、現在の状況がどう変わったのかを明確にしないと、審査官にとって全体像が見えにくくなります。
本件ではまず、申請人が従前どのような立場で在留していたのか、その後に何が変わったのかを整理しました。

具体的には、

 ・役員を退任したこと
 ・株式譲渡により経営との関与が終了したこと
 ・その結果、従前の在留資格に対応する活動が継続しないこと

を示し、なぜ今回「家族滞在」への変更が必要なのかを分かりやすく説明しました。

その裏付けとして、役員退任を示す法人登記資料を提出し、事情説明だけでなく客観資料でも補強しました。

2.「扶養を受ける必要性」の立証

本件では、申請人が独立して従前の活動を続けるのではなく、今後は配偶者の扶養を受ける状況にあることを示す必要がありました。

そのため、単に「夫婦だから扶養する」という説明ではなく、

 ・申請人が従前の活動を終了したこと
 ・その結果として生活基盤を再構築する必要があること
 ・夫婦として同一生計であること
 ・今後は配偶者の扶養を前提に日本で生活すること

を理由書で整理しました。

家族滞在は、夫婦関係があるだけで当然に認められるものではなく、実際に扶養を受けて在留することの合理性と実態が重要です。
本件では、この「必要性」の説明を丁寧に行ったことがポイントでした。

3.預金の実質的な扶養能力を立証

扶養者が留学生であっても、預金と援助経緯を含めて生活基盤を説明

本件で特に慎重な整理が必要だったのは、扶養者である配偶者が留学在留であり、収入の中心がアルバイトであったことです。

このような場合、一般的には収入面の説明が弱く見られることがあります。
そこで本件では、単月の給与額だけで判断されないよう、預金残高や入出金状況を含めた実質的な生活基盤を説明しました。

また、口座には申請人本人の資金や、第三者を経由した入金も含まれていました。
この点は、説明なく提出すると、審査上の疑問を招きやすい部分です。
そのため本件では、

 ・夫婦として同一生計であること
 ・口座上の資金の一部が夫婦共有生活費の性質を持つこと
 ・第三者経由の金銭についても、実質的には親族側からの継続的援助であること
 ・海外送金の手数料や送金実務の都合から、日本国内の協力者を介して援助していたこと

を説明し、形式的な名義ではなく、実質的な支弁関係があることを疎明しました。

これは、家族滞在の審査でしばしば問題になる「誰が、どの程度、どのように継続して生活費を支えるのか」という点に正面から答えるものです。

4.今後の安定性の補強

資格外活動許可後の就労予定もあわせて説明

本件では、変更申請と同時に資格外活動許可申請も行いました。
家族滞在の審査は、あくまで扶養を前提とするものですが、申請人に資格外活動許可後のアルバイト予定があることは、生活の安定性を補強する事情になり得ます。

そこで、申請人について、

 ・アルバイト予定先の概要
 ・労働条件の概要

を示し、資格外活動許可が得られた場合には、申請人自身も一定の生活補助が可能になる見込みを説明しました。

もちろん、家族滞在の本体は「扶養」であり、資格外活動を前提にしすぎるのは適切ではありません。
そのため本件では、主たる生活基盤は配偶者側の扶養と預金であり、申請人の就労予定は将来の安定性を補強する事情として位置付ける構成にしました。

提出資料のポイント

本件では、基本資料に加えて、個別事情に対応した資料を提出しました。

基本資料

  • 在留資格変更許可申請書
  • 写真
  • 許可通知用葉書
  • 結婚証明書
  • 扶養者のパスポート写し
  • 扶養者の在留カード写し
  • 扶養者の預金通帳写し

 

追加で重視した資料

  • 申請理由書
  • 役員退任を証する法人登記資料
  • 申請人のアルバイト予定先の概要資料
  • 労働条件概要書

 

本件では特に、役員退任の事実を客観資料で示したこと、そして預金の原資や第三者経由援助の経緯を理由書で補ったことが重要でした。

結果

本件では、役員退任により従前の在留資格に該当しなくなった事情を整理したうえで、
配偶者による扶養の必要性、預金を中心とした生活基盤、援助の実態、将来の生活安定性を丁寧に立証し、「家族滞在」への在留資格変更許可を得ることができました。

扶養者が留学生であるケースや、預金口座に第三者経由の入金があるケースでは、形式的な資料提出だけでは説明不足と受け取られることがあります。
そのため、通帳の数字だけでなく、その背景にある生活実態や援助経緯まで言語化して示すことが、実務上は非常に大切です。

行政書士のコメント

家族滞在ビザへの変更では、次の点が重要になります。

  • 本当に扶養を受けて在留する実態があるか
  • 扶養者に安定した生活費支弁能力があるか
  • 夫婦関係・同一生計の実態があるか
  • 現在の在留資格からなぜ変更が必要なのか
  • 預金や援助金の原資に不自然な点がないか

 

特に、今回のように、

  • 従前の就労・経営活動が終了している
  • 扶養者が学生である
  • 口座の入金に第三者名義が含まれている
  • 今後の生活設計も合わせて説明する必要がある

 

という事案では、定型的な申請だけでは足りず、理由書による丁寧な補足説明が重要になります。

このような方はご相談ください

 経営・就労系の在留資格から家族滞在へ変更したい
 退職、役員退任、事業終了に伴い在留資格の見直しが必要
 扶養者が留学生で、収入立証に不安がある
 預金の原資や第三者援助の説明が必要
 家族滞在と資格外活動許可をあわせて進めたい

 

谷島行政書士法人グループでは、家族滞在ビザへの変更案件、扶養能力の立証が難しい案件、理由書による事情説明が重要な案件にも対応しています。
複雑な事情がある場合ほど、申請前の整理が重要です。お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士

谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
外国人雇用・ビザの専門家として手続代理と顧問アドバイザリーを提供。ビザ・許認可など法規制クリアの実績は延1万件以上。


- 講師実績
行政書士会、建設やホテル人材等の企業、在留資格研究会等の団体、大手士業事務所、その他外国人の講義なら幅広く依頼を受ける。

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  • 行政対応
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- 資格等

特定行政書士、宅建士、アメリカMBA・TOEIC、中国語(HSK2級)他


- 略歴等

・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。


- 取引先、業務対応実績一部

・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他