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「派遣型の技術・人文知識・国際業務」【不法就労防止編】R8年運用厳格確定版

2026年04月10日

コンプライアンス技術・人文知識・国際業務

「派遣型の技術・人文知識・国際業務」【不法就労防止編】R8年運用厳格確定版

在留資格「技術・人文知識・国際業務」(いわゆる「技人国」)の派遣案件は、申請時だけでなく、許可後の運用管理でも厳しく見られる時代に入っています。

本ページは、「申請編」の続編として、許可後に何を管理しないと不法就労や不許可リスクにつながるのかに絞って整理するものです。特に、派遣先変更、業務内容の逸脱、待機期間、届出漏れ、更新前の実態不一致は、派遣型「技人国」で問題化しやすい論点です。

内容

派遣型「技人国」の雇用で、まず押さえるべき結論. 2

なぜ許可後の運用が危ないのか. 4

許可後に最も重要な管理ポイント. 4

1 実際の業務が「技術・人文知識・国際業務」の範囲内か. 4

2 派遣先変更時の管理. 5

3 待機期間・案件空白の管理. 5

4 不法就労防止の基本確認. 6

派遣元が作るべき社内管理体制. 6

派遣先ごとに業務範囲確認書を持つ. 6

派遣先担当者への事前説明を必須化する. 6

更新で問題になりやすいポイント. 7

企業がやりがちな失敗. 7

「派遣先が変わっても雇用主は同じだから何も気にしなくてよい」と考える. 7

「待機中でも在留期間内なら問題ない」と考える. 7

「不法就労は本人が勝手にやった場合だけ問題になる」と考える. 8

「更新の直前にだけ資料を集めればよい」と考える. 8

行政書士法人が押さえる実務ポイント. 8

まとめ:派遣型「技術・人文知識・国際業務」は許可後管理で差が出る. 9

技術・人文知識・国際業務の派遣後管理でお困りの企業様へ. 9

派遣での技術・人文知識・国際業務の不法就労防止に備える規程・チェックリスト集提供. 9

 

派遣型「技術・人文知識・国際業務」のコンプライアンスサービスは以下ページをご覧ください。

⇒ 「派遣就労の技術・人文知識・国際業務」代行と不法就労防止顧問サービス

 

派遣型「技人国」の雇用で、まず押さえるべき結論

派遣型「技術・人文知識・国際業務」は、許可が下りた時点で終わりではありません。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では派遣型の場合の注意点として、在留中に必要な届出として「所属機関に関する届出」も「在留資格取消し処分」制度や「不法就労助長罪」を企業や人材会社に課す制度となっております。

また派遣案件については、申請段階から派遣先での活動内容の明確化を運用確定されました。つまり、許可後に実態が申請内容からずれれば、「他の外国人すべて」を含めて以下の重大リスクが生じます。

  1. 次回の外国人の更新・変更の不許可
  2. 永住の不許可
  3. 範囲逸脱している外国人の「在留資格の取消し」
  4. 不法就労をさせた人事担当者等の「退去強制」
  5. 企業及び派遣元人材会社の「事実上の受入停止」つまり「今後、不許可処分とする企業」の扱い

 

以上のように、むしろ許可後は、実際に従事させる業務が在留資格の範囲内か所属機関や派遣先の変更に応じた届出ができているか待機や空白期間が長引いていないかが重要になります。技人国の活動は「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う」専門的業務であり、その活動を正当な理由なく3か月以上行っていない場合は、在留資格取消しの対象となり得ます。

さらに、不法就労は本人だけの問題ではありません。入管庁は、不法就労させたりあっせんした事業主について「不法就労助長罪」の対象となり、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金(又はこれらの併科)があります(重罰化:令和9年3月31日まで3年以下もしくは300万円以下又はこれらの併科)。

出入国管理及び難民認定法

第七十三条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者

二 外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者

三 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあつせんした者

雇用主による外国人の「資格外活動違反」は「不法就労活動」をさせたことになるからです。

なお、在留カードの確認や就労可能範囲の確認を怠った場合、過失があっても処罰を免れない旨を周知しています。

この罪は、そのようなすべての過失がなかったときに初めて免れるところ、雇用主による資格外活動をさせていた場合、「雇用主が法律を知らなくてもその資格外活動違反を知らないということは通常ありえない」と解釈されています。

なお、企業や行為者及びその外国人への行政処分は別に用意されています。外国人である人事担当者が「退去強制」とされた事件もあります。

出入国管理及び難民認定法

(退去強制)
第二十四条 次の各号のいずれかに該当する外国人については、次章に規定する手続により本邦からの退去を強制し、又は第五十五条の二第一項の規定による命令により本邦から退去させることができる。

三の四 次のイからハまでに掲げるいずれかの行為を行い、唆し、又はこれを助けた者

イ 事業活動に関し、外国人に不法就労活動(第十九条第一項若しくは第六十一条の二の七第一項の規定に違反する活動又は第七十条第一項第一号、第二号、第三号から第三号の三まで、第五号、第七号から第七号の三まで若しくは第八号の二から第八号の四までに掲げる者が行う活動(第四十四条の五第一項の規定による許可を受けて行う活動を除く。)であつて報酬その他の収入を伴うものをいう。以下同じ。)をさせること。

ロ 外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置くこと。

ハ 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又はロに規定する行為に関しあつせんすること

被雇用者本人には、「在留資格取消し」事由もあります。

 

さらに、人材会社は共犯又は行政処分事実への関与と整理されます。

 

なぜ許可後の運用が危ないのか

派遣型の技人国が危ないのは、雇用主である派遣元と、実際の就労場所である派遣先が分かれているからです。申請時は専門業務として組み立てていても、現場では「少しだけライン作業も」「繁忙期だけ接客も」「当面は雑務中心で」といった形で、実態がずれていきやすい構造があります。申請段階で派遣先の活動内容を明らかにする資料提出が求められている以上、許可後にその内容から逸脱すれば、問題化しやすいです。

また、派遣は案件終了や契約切替が起こりやすいため、「次の派遣先が決まるまで待機」という場面が生じがちです。しかし、技人国は単に日本に在留していればよい資格ではなく、当該在留資格に応じた活動を継続していることが前提です。

許可後に最も重要な管理ポイント

1 実際の業務が「技術・人文知識・国際業務」の範囲内か

技人国は、機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、語学教師、マーケティング業務従事者などが典型例として示されています。逆に、一般的な単純作業、ライン作業、倉庫作業、単純接客などが主たる活動になると、在留資格該当性が疑われます。許可後に一番やってはいけないのは、名目上は専門職のまま、実態だけ現場作業に寄せてしまうことです。

派遣先での業務が当初の説明から少しでも変わる場合は、現場任せにせず、まず「その業務は技人国の範囲内か」を確認すべきです。特に、通訳名目で製造補助が中心、技術職名目でオペレーション補助が中心、事務職名目で店舗現場対応が中心、というようなケースは危険です。更新時に「活動内容詳細」と実態が合っていないと見られれば、申請内容の信用性まで疑われます。

2 派遣先変更時の管理

技人国の在留中には、「所属機関に関する届出」が必要になることがあります。出入国在留管理庁のQ&Aでは、中長期在留者の所属が新しい会社に異動する場合には、活動機関からの離脱・移籍の届出が必要であり、所属が変わらない場合は届出不要と説明しています。派遣案件では、この「所属」がどこかを誤解しやすいため注意が必要です。基本的には、雇用契約の相手方である派遣元が変わるのか、同じなのかをまず整理すべきです。

もっとも、派遣先が変わっても、派遣元が同じなら直ちに「所属機関に関する届出」が不要なケースはあります。しかし、それで自由に動かせるという意味ではありません。申請時に示した活動内容や派遣先での業務から実態が大きく変わるなら、更新時に説明不能になりますし、仕事内容が現在の在留資格に含まれるか不明なら、就労資格証明書で確認する選択肢もあります。

3 待機期間・案件空白の管理

派遣契約が終了した後、「しばらく自宅待機」「社内研修だけ」「次案件待ち」という状態が続くことがあります。ここで注意したいのは、技人国は専門的業務への従事が前提であり、正当な理由なく3か月以上その活動を行っていないと在留資格取消しの対象になり得ることです。入管Q&Aでも、退職後に3か月以上活動していない場合でも、「正当な理由」があるかが問題になるとされています。

したがって、案件終了後は放置が最も危険です。次の派遣先の選定状況、就職活動の実態、教育訓練の内容、賃金支払いの有無、いつからどの専門業務に復帰する見込みかを記録しておくべきです。単に「今は仕事がないがそのうち決まる」という状態では、更新時や調査時に説明が弱くなります。待機が長引くなら、早めに専門家に相談し、就労資格証明書や次の申請設計まで含めて整理した方が安全です。

4 不法就労防止の基本確認

厚生労働省は、外国人を雇用する際、在留カードにより就労制限の有無、在留資格が定める活動範囲、在留カード番号の失効有無を確認する必要があると案内しています。これは採用時だけでなく、許可後の継続管理でも同じ発想が必要です。特に派遣では、派遣元の総務だけが在留カードを見ていて、派遣先は実際の制限を理解していないという事故が起きやすいです。

また、不法就労助長罪は、故意だけでなく、在留カードを確認していないなどの過失がある場合にも免れないと周知されています。つまり、派遣先が「派遣会社が大丈夫と言っていたから」で済ませるのは危険であり、派遣元も派遣先も、少なくとも在留資格・在留期間・業務範囲を共通理解しておく必要があります。

さらに、それらの申請内容を派遣先ともに派遣されている限り維持されているのか、変更が生じるならどうすべきかを判断しないとならないということです。

更新が時期的にできない場合、就労資格証明書交付申請を行うかなど、派遣契約に関与していない専門の行政書士に相談が必要です。

 

派遣元が作るべき社内管理体制

派遣先ごとに業務範囲確認書を持つ

派遣契約書だけでなく、実際に何をさせるのかを派遣先ごとに確認書にしておくと安全です。具体的には、担当部署、主たる業務、付随業務、指揮命令者、専門性を要する理由、禁止業務を明記しておくと、現場での逸脱を防ぎやすくなります。これは更新時の説明資料としても活きます。

派遣先担当者への事前説明を必須化する

申請編で使った誓約書の発想は、許可後にも生きます。派遣先担当者が「技人国でできること・できないこと」を理解していないと、善意でも逸脱が起こります。現場で「今日は忙しいから倉庫に入って」「人手不足だからラインもお願い」と言われるリスクを減らすには、受入れ前の説明をルール化すべきです。

更新で問題になりやすいポイント

更新時に見られるのは、申請時予定はもちろん、実際にそのとおり働いていたかです。出入国在留管理庁の技人国ページでも、在留中に必要な届出が案内されており、また派遣案件では申請段階から派遣先での活動内容を明らかにする資料提出が求められています。したがって、更新では、どの派遣先で、いつからいつまで、どのような専門業務に従事したかを説明できるようにしておく必要があります。

特に危ないのは、申請時の業務説明が抽象的で、許可後の実態記録も残っていないケースです。この場合、更新段階で「本当に技人国の活動をしていたのか」が説明できません。派遣先ごとの職務記録、勤怠、業務日報、指揮命令系統、成果物、研修記録などを残しておくと、更新時の防御が大きく変わります。これは、許可後の不法就労防止にもそのままつながります。

企業がやりがちな失敗

「派遣先が変わっても雇用主は同じだから何も気にしなくてよい」と考える

所属機関に関する届出の要否は、雇用契約の相手方が変わるかで整理する必要がありますが、届出不要イコール何も管理不要ではありません。派遣先変更により実際の業務内容が変わるなら、在留資格の範囲内かを再点検し、更新で説明できるようにしておく必要があります。

「待機中でも在留期間内なら問題ない」と考える

在留期限が残っていても、正当な理由なく3か月以上当該活動をしていなければ取消しリスクがあります。待機期間の管理は、派遣型技人国では軽視できません。

「不法就労は本人が勝手にやった場合だけ問題になる」と考える

不法就労させた事業主も処罰対象です。しかも、在留カード確認をしていないなどの過失がある場合も免れないと明示されています。派遣元・派遣先双方の管理不備が、そのままリスクになります。

「更新の直前にだけ資料を集めればよい」と考える

更新時に必要なのは、過去の実態です。直前になって整えようとしても、過去の業務内容や待機理由は後付けで作りにくいです。許可後から記録しておく発想が必要です。

行政書士法人が押さえる実務ポイント

派遣型「技術・人文知識・国際業務」の本当の難しさは、申請書の作成よりも、許可後に申請内容どおりの運用を維持させることにあります。申請編で整えた「活動内容詳細」を、許可後も現場で守らせる。派遣先変更時に、在留資格該当性を再点検する。待機が発生したら、3か月ルールと正当理由を意識して記録を残す。この流れまで組めて初めて、派遣型技人国は安全に運用できます。

そのため、許可後には少なくとも、次の5点を定期確認すべきです。

  1. 現在の派遣先での業務は、申請時の説明どおりか。
  2. 派遣先変更や契約終了があった場合、届出や再整理が必要か。
  3. 待機期間が長引いていないか。
  4. 在留カード・在留期限・更新時期を台帳管理しているか。
  5. 派遣先担当者が、技人国で従事できる業務範囲を理解しているか(派遣型は、さらに技人国の範囲内かつ申請内容通りの範囲)。

まとめ:派遣型「技術・人文知識・国際業務」は許可後管理で差が出る

派遣型「技術・人文知識・国際業務」は、許可取得だけで安心できる在留資格ではありません。許可後に、派遣先での実態が申請内容からずれれば、不法就労、更新不許可、在留資格取消し、届出漏れなど、複数の問題が連鎖します。特に、業務逸脱、待機長期化、届出漏れ、在留カード確認不足は、企業側の管理で防げる論点です。

今後の派遣型技人国では、「許可が取れるか」だけでなく、「許可後に安全に維持できるか」がより重要になります。派遣元・派遣先・本人の三者で運用ルールを共有し、更新まで見据えた管理体制を作ることが、不法就労防止の最短ルートです。

技術・人文知識・国際業務の派遣後管理でお困りの企業様へ

谷島行政書士法人グループでは、派遣型の技人国について、申請対応だけでなく、許可後の在留カード管理、派遣先変更時の該当性チェック、更新前監査、待機時のリスク整理、派遣先向け説明資料の整備まで見据えた支援を行っています。

「この派遣先業務は今の在留資格で続けてよいのか」
「派遣先変更時に届出や追加対応が必要か」
「更新で不整合が出ないように先回りしたい」
そのような運用面の不安こそ、早めの整理が重要です。

派遣での技術・人文知識・国際業務の不法就労防止に備える規程・チェックリスト集提供

派遣型「技術・人文知識・国際業務」では、申請書類だけでなく、許可後の社内運用ルールが重要です。
谷島行政書士法人グループでは、派遣案件向けに、在留期限管理、派遣先変更時チェック、業務逸脱防止、更新時審査・実態調査に使える社内資料整備のご相談も承っています。

この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士

谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
外国人雇用・ビザの専門家として手続代理と顧問アドバイザリーを提供。ビザ・許認可など法規制クリアの実績は延1万件以上。


- 講師実績
行政書士会、建設やホテル人材等の企業、在留資格研究会等の団体、大手士業事務所、その他外国人の講義なら幅広く依頼を受ける。

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- 資格等

特定行政書士、宅建士、米国MBA、中国語(HSK2級)他


- 略歴等

・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。


- 取引先、業務対応実績一部

・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他

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