日本子会社設立で必要な外国法人宣誓供述書(Affidavit)とは外国法等確認
2026年04月02日
会社設立、投資
日本子会社設立で必要な外国法人宣誓供述書(Affidavit)とは外国法等確認
日本で株式会社を設立する際、発起人が外国法人であるケースでは、日本法人とは異なる確認資料や証明方法が必要になることがあります。
日本の子会社設立では、外国会社も発起人になることができる一方、日本に商業登記を有しない外国法人については、本店所在国の「官憲」である「領事」や「公証人」が認証した資格証明書などを用意し、代表者の印鑑証明に代わる資料として署名証明書等を求めるとしております。その具体的な方法は「定款認証を予定する公証役場に問い合わせる」よう明示しています。
この「具体的な方法」が国ごとに違うため、外国法人が日本子会社を設立する場面では、定款作成や認証の前に、本国法と本国書類を前提にした事前調査・事前協議が非常に重要です。宣誓供述書(Affidavit)は、私文書について公証人の面前でその内容が真実であることを宣誓して認証を受ける文書です。
外国法人の宣誓供述書(Affidavit)とは
宣誓供述書(Affidavit)とは、作成者が公証人の面前で、文書記載の内容が真実であることを宣誓し、その旨の認証を受けた文書です。つまり、宣誓認証を受けた文書を「宣誓供述書」と呼びます。
日本子会社設立では、外国法人が日本の商業登記を持っていないことも多く、日本側で当然に通用する登記事項証明書や印鑑証明書が揃わない場合があります。そのため、本国の法人資格、代表者資格、代表権限、意思決定手続などを、宣誓供述書や本国官公署・公証人の証明書で補う実務が問題になります。外国会社が発起人となる場合については特殊なので、このような本店所在国の官公署又は公証人発行の供述書や証明書、代表者個人の署名証明書などを挙げています。
なぜ「本国法ごとの個別対応」が必要なのか
日本側では「法人であること」「その人が代表者であること」「その代表者に日本子会社設立の権限があること」が分かればよいように見えます。ところが、外国法人では、その裏付けとなる法制度や証明資料の形が国によって大きく異なります。日本公証人連合会も、外国会社が発起人となる場合の具体的方法は公証役場に問い合わせるよう案内しており、画一的な1パターンでは処理していないことが分かります。
また、公証役場では、法人発起人の場合に「代表者の資格証明書」や「法人の登記簿謄本(登記事項証明書)」に相当する資料を求める建て付けが示されています。もっとも、外国法人には日本と同じ登記制度・印鑑証明制度がないこともあるため、どの資料で代替するかは、本国法と本国実務を踏まえて整理する必要があります。
「本国官憲の認証」前の日本側打合せ・整理が最重要
外国法人が発起人になる案件で失敗しやすいのは、Affidavitを先に作り、後から公証役場に合わせようとしてしまうことです。これは差し戻し回数が多くなり、時間ばかりが過ぎてしまいます。また、コスト面でも本国の認証や外国からの送付が大きな負担となり大変です。
そのため、まずはその国の類似事例を用いた「たたき台」を第一段階で作成し、それを公証役場等と打合せした後に、その打ち合わせ内容を反映させるという、二段階で進める方が安全です。
・その国で法人の存在を何の書類で証明するのか
・代表者資格を何の書類で証明するのか
・子会社設立や出資について、本国法令上の制限はあるか(例:事業目的等)
・公証制度、領事認証、アポスティーユの要否はどうか
・それらは本国法令により定款自治等に委ねられる場合、定款・取締役会・株主決議でどうなっているのか
その整理内容を前提に公証役場へ事前相談する
日本公証人連合会も、外国会社発起人の場合の具体的方法は、認証予定の公証役場に問い合わせるよう案内しています。つまり、案件ごとに公証役場とすり合わせる前提です。
例えば、同じ「代表者権限」でも、以下は案件により変わります。
・複数の代表がいる場合、代表権行使は各自代表なのか共同代表なのか
・本国の登記簿で足りるのか
・定款による定めの場合、その添付で足りるのか
・取締役会決議を付けるのか
外国語資料と訳文を整える
法務省は、商業登記申請に外国語書面を添付する場合、原則として日本語訳文も併せて添付する必要があると案内しています。
典型論点1:会社の目的は本国法上どこまで必要か
外国法人が日本子会社を設立する場合、日本側では日本子会社の事業目的を定款に記載します。
ただ、外国親会社側については、次の点が問題になります。
・親会社の定款目的に子会社事業目的が明示されているか
・本国法上、法人は包括的に適法な事業行為を行えるか
・定款に明示がなくても、取締役会や株主総会決議で補えるのか
ここは、本国法の調査結果を踏まえてAffidavitにどう書くかを決める目的です。
そのため、まずは法人登記をみて記載がないなどの場合、宣誓供述書では、単に「当社は日本子会社を設立できます」と書くだけでなく、必要に応じて、以下の記載が重要です。
・本国法上、当社はその事業の子会社設立・出資を行う能力を有する(行うことができないような制約がない)
・当社定款上、この行為は目的の範囲内である(その事業は親会社目的範囲内であるため日本の会社法に適合する)
・又は、本件について適法な社内承認手続が完了している
これは公的に一律の書式があるというより、外国会社発起人の具体的方法を公証役場へ確認しながら詰める実務です。
例1:目的に関する確認の進め方
たとえば、親会社の本国登記簿には事業目的の記載がない国もあります。
その場合は、次のような順で確認します。
・本国会社法に包括的な権利能力規定があるか
・定款・bylaws等に子会社設立や出資を禁じる規定がないか
・取締役会や株主総会の決議が必要か
・必要ならその決議を取得できるか
・それらを宣誓供述書でどう整理するか
典型論点2:代表者権限は何で証明するのか
次に重要なのが、誰がその外国法人を代表して日本子会社設立を決め、宣誓供述書に署名できるのかという点です。
日本公証人連合会は、外国会社が発起人となる場合、日本に商業登記がないときは本店所在国の官公署又は公証人発行の証明書を提出し、会社代表者の印鑑証明に当たるものがない場合には、その代表者個人の署名証明書を提出するなどするとしています。
そして、どの方法によるかは公証役場と打ち合わせすべきです。
つまり、代表者権限の有無についても重要です。以下のような類型も国で異なるため、国別に立証構成が違います。
・本国会社法上、規定がない国
・登記簿に代表権限の範囲まで出ない国
・定款やBoard resolutionで記載されている国又は法人
例2:代表者権限に関する確認の進め方
たとえば、本国登記簿には会社名だけで、代表者や代表方式の記載が十分でない場合があります。
そのような場合には、次のような可能性を検討します。
・本国会社法上、取締役が当然に代表権を持つのか
・定款に代表権限の定めが必要なのか
・取締役会決議で一定期間又は今回の日本子会社設立権限を授権できるのか
・共同代表で単独署名では足りないのか
・代表者個人の署名証明だけで足りるのか、法人資格証明との組合せが必要か
この整理をしないままAffidavitを作ると、署名者本人の地位は分かっても、日本子会社設立の権限まで十分に裏付けられないことがあります。
宣誓供述書に入れたい確認事項
外国法人の日本子会社設立で用いるAffidavitには、案件に応じて、次の事項を検討します。
・親会社の正式商号、本店所在地、設立準拠法
・法人が現に有効に存続していること
・署名者が当該法人の適法な代表者又は授権者であること
・日本で子会社を設立し、出資し、定款認証・登記関連行為を行う権限があること
・その権限の根拠が、本国法・定款・取締役会決議・株主総会決議などのどこにあるか
・必要な社内決裁が完了していること
・必要に応じ、添付資料(登記簿、Certificate、Bylaws、Board resolution等)との関係
特に重要なのは、結論だけを書くのではなく、その結論の根拠がどこにあるのかを意識して文案化することです。
公文書そのものと、宣言書・宣誓供述書の違いにも注意
公文書自体は公証人が認証できない一方で、私人が作成した宣言書(Declaration)を添付することで、公証人の認証が可能になる場合があります。たとえば、公文書の翻訳文に翻訳者の宣言書を付けて認証する方法などがあります。
この考え方は、外国法人案件でも参考になります。
つまり、本国の公的証明書だけでは日本側で欲しい説明が足りないとき、どこまでを公的証明書で出し、どこからを代表者の宣誓供述書で補うかという設計が大切です。
宣誓供述書関係を谷島行政書士法人グループに依頼するメリット
外国法人の日本子会社設立では、単に英語のAffidavitを作るだけでは足りません。
大切なのは、その国の会社法・登記制度・代表権証明の仕組みを踏まえ、日本の公証役場・登記実務で通る形に表現又は表現し直すことです。
したがって、次のような企業様は、早めのご相談をおすすめします。
・親会社が外国法人で、日本子会社を新設したい
・本国の登記簿に代表者権限が十分に出ていない
・目的条項や出資権限の根拠が不明確
・公証役場から追加説明を求められそうで不安
・日本語訳文、Affidavit、委任状、認証段取りをまとめて整えたい
外国法人の日本進出・日本子会社設立・定款認証対応は、初動の整理で大きく差が出ます。
本国書類の確認、公証役場との事前調整、宣誓供述書文案の作成まで、谷島行政書士法人グループが専門的にサポートいたします。
まとめ
外国法人宣誓供述書(Affidavit)は、外国法人が日本子会社を設立する際に、法人資格や代表権限、設立意思決定の適法性を日本側へ説明する重要書面です。
ただし、必要事項は国ごとに違い、親会社の目的、出資可能性、代表者権限、必要決議、署名証明の補足など、その記載事項は、本国法と本国資料を前提に個別整理する必要があります。
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この記事の監修者

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谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
外国人雇用・ビザの専門家として手続代理と顧問アドバイザリーを提供。ビザ・許認可など法規制クリアの実績は延1万件以上。
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・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。
- 取引先、業務対応実績一部
・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他




