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【お客様事例】技能実習から経営・管理ビザへ|元実習生が建設会社を設立した事例

2026年07月01日

事例

【お客様事例】技能実習から経営・管理ビザへ|元実習生が建設会社を設立した事例

この事例でわかること

 〇技能実習を修了した外国人が「経営・管理」ビザで建設会社を設立できるのか
 〇実際に建設会社を立ち上げ、在留資格を取得した事例の全体像
 〇「経営・管理」ビザの要件(資本金・事業所・事業計画など)
 〇申請時に必要な書類の具体的なリスト
 〇建設業特有の「労働力確保」をどう立証するか
 〇申請を成功させるためのポイントとよくある質問

「技能実習を終えて帰国したけれど、もう一度日本で挑戦したい」「日本で建設会社を立ち上げたい」——そんな思いを持つ方は少なくありません。

本事例では、技能実習を修了した外国人の方が「経営・管理」の在留資格を取得し、日本で建設会社を設立した実例をもとに、必要な準備・書類・立証のポイントをわかりやすく解説します。

 

なお、この事例は2025年10月施行の「経営・管理」新基準によるものでないため資本金は500万円となっておりますが、資本金出資や活動の該当性などの立証は変わっていないため、十分参考になるものです。

技能実習から「経営・管理」への切り替えは可能なのか

まず結論:直接の「変更」ではなく「認定」が現実的

技能実習の在留資格は、あくまで「技能の習得」を目的とした制度です。そのため、技能実習中に直接「経営・管理」へ在留資格変更を行うことは、制度の趣旨上きわめて難しいとされています。

今回ご紹介する事例も、いったん技能実習を修了して帰国した後、改めて経営者として在留資格認定証明書交付申請を行うルートをたどっています。

事例の基本的な流れ

ご相談者であるA氏のケースは、次のような時系列で進みました。

時期

出来事

2013年4月

「技能実習」の在留資格で適法に上陸

2016年4月

技能実習を修了し、帰国

帰国後

日本で建設会社を設立し「経営・管理」を申請

A氏は約3年間の技能実習を通じて、建設業界での実務経験と人脈を築いていました。この「技能実習で得た経験・ネットワーク」が、後の会社設立と事業計画の説得力につながっている点が、この事例の大きな特徴です。

なぜ建設業だったのか|申請理由書から読み解く動機

「経営・管理」ビザの審査では、なぜその事業を、なぜその人がやるのかという説得力が問われます。

A氏の申請理由書には、おおむね次のような動機が記されていました。

 ・日本の建設業界が、震災からの復興や大型イベントに向けて人手不足に陥ることへの懸念
 ・これまで日本でお世話になった人々や、建設業界への恩返しの気持ち
 ・3年間暮らして大好きになった日本という国へ、もっと貢献したいという思い

このように、社会的背景(人手不足)と個人的動機(恩返し・貢献)を結びつけた理由書は、事業の必然性を伝えるうえで非常に有効です。

単に「儲かりそうだから」ではなく、自分の経験が活きる分野で、社会的ニーズに応えるという文脈が、審査官に与える印象を左右します。

「経営・管理」ビザの主な要件 (旧基準)

建設会社の設立に限らず、「経営・管理」の在留資格には、基準省令(出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令)で定められた要件があります。代表的なポイントは次の通りです。

要件

内容の目安

事業の規模

資本金または出資の総額が500万円以上など(現在3000万円)

事業所の確保

独立した事業所が日本国内に存在すること

事業の安定性・継続性

事業計画が現実的で、継続して運営できる見込みがあること

活動の安定性・継続性

申請人が実際に経営・管理に従事すること

A氏のケースでは、これらの要件をひとつずつ「資料」で裏付けていきました。次の章で具体的に見ていきましょう。

事例で見る|要件を満たすための立証ポイント

資本金の確保とその出所

A氏は、会社の資本金として500万円を計上しました。重要なのは、その資金の出所を明確にすることです。

この事例では、技能実習期間中などに貯蓄してきた預貯金から、申請人が自己資金で支出したことを、本人名義の通帳の写しによって立証しています。

ポイント:資本金は「金額があればよい」のではなく、そのお金がどこから来たのか(出所の合理性)まで説明することが求められます。

あわせて、定款の写しや払込みの事実を示す書類で、資本金が実際に払い込まれたことを疎明しました。

事業所(事務所)の確保

「経営・管理」では、独立した事業所の存在が必須です。A氏は次のような形で事業所を立証しました。

 ・建物賃貸借契約書の写し
 ・事務所として使用することへの所有者(賃貸人)の承諾
 ・事務所の写真3枚
 ・建物外観および表示の写真
 ・備品・電話・PC・デスク等の設備の写真
 ・事務所建物の平面図

自宅と兼用ではなく、事業のための実態ある事務所であることを、写真と図面で「目に見える形」で示している点が参考になります。

投資の実態を示す領収証

資本金を計上しただけでなく、A氏は会社設立や備品購入などに、すでに50万円程度を投資していました。

この事実を、請求書や領収証の写しによって立証しています。「計画」だけでなく「すでに動き出している」ことを示すことで、事業の本気度と蓋然性を高めているわけです。

建設業ならではの論点|「労働力の確保」をどう立証したか

建設会社の経営で特に問われやすいのが、「経営者本人が現場作業をするのではないか」という疑問です。

「経営・管理」は、あくまで経営や管理に従事するための在留資格です。経営者自身が現場で大工仕事や内装工事を行うのであれば、それは「経営・管理」の活動とは言えません。

そこでA氏は、次のような体制を整え、立証しました。

業務委託による現業の切り分け

 ・請け負った工事は、個人事業を営む業者への業務委託により実施
 ・業務委託契約書の写しを提出し、現業を担う労働力を確保している事実を立証
 ・契約済みの業者以外にも、労働力提供を申し出ている業者が複数存在

これにより、「申請人は経営に専念できる」という構図を明確にしました。

役割

担当

経営・管理(受注、契約、資金管理など)

申請人(A氏)

現場作業(大工・内装工事など)

業務委託先の個人事業者

建設業で「経営・管理」を取得するうえで、この現業と経営の分離は最重要ポイントのひとつです。

取引先との関係で安定性・継続性を示す

A氏は、下請けとして取引が見込まれる法人(事例では仮にABC株式会社・XYZ合同会社とします)との関係を示し、安定的・継続的な取引の見込みを説明しました。

技能実習を通じて育んだ人脈が、ここで具体的な取引先候補という形で活きています。

申請に必要だった書類リスト(事例ベース)

実際の申請で用意された書類を、わかりやすく整理しました。これから準備する方のチェックリストとしてご活用ください。

基本資料・立証資料

区分

主な書類

申請の基本

申請書、写真(縦4cm×横3cm)、書留封筒

投資額の立証

社員名簿、発起人(申請人)の通帳の写し、定款の写し

活動内容

役員報酬決定に関する同意書

事業内容・規模

履歴事項全部証明書

事業用施設

建物賃貸借契約書の写し

事業計画

事業計画書、売上計画書

カテゴリー4関連

給与支払事務所等の開設届出書の写し、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の写し(いずれも税務署受理済)

その他の立証資料

書類

立証の狙い

申請理由書

申請の趣旨・経緯・動機の説明

パスポートの写し

本人確認(参考添付)

事務所の写真(3枚)

投資設備と使用権限の実態

請求書・領収証の写し

事業のために投下した費用の事実

会社案内資料

事業内容の説明

業務委託契約書の写し

現業の労働力確保=活動の安定性・継続性

※必要書類は、申請人や法人の状況(いわゆる「カテゴリー」など)によって異なります。実際の申請では、最新の入管の案内を確認してください。

この事例から学ぶ|成功のための4つのポイント

技能実習修了者が建設会社を設立し、「経営・管理」を目指すうえで、この事例から得られる学びを整理します。

経験と事業内容を一致させる

技能実習で建設の実務経験を積み、その分野で起業する——という一貫性が、事業の必然性と説得力を生みます。

お金の流れを明確にする

資本金について、「いくら」だけでなく「どこから来たお金か」を通帳などで立証することが重要です。

事務所の実態を見せる

契約書・写真・平面図で、独立した事業所の存在を客観的に示します。

経営と現業を分ける

特に建設業では、業務委託契約などで現場作業を切り分け、「経営に専念する」体制を明確にすることが鍵となります。

まとめ

技能実習を修了した外国人の方でも、要件を満たし、適切に立証すれば「経営・管理」の在留資格を取得して建設会社を設立することは可能です。

今回の事例のポイントを振り返ると——

 ・いったん帰国後、在留資格認定証明書交付申請で経営者として再チャレンジ
 ・資本金を自己資金で確保し、その出所を通帳で立証
 ・独立した事務所を契約・写真・平面図で示す
 ・建設業特有の論点である現業と経営の分離を、業務委託契約で立証
 ・技能実習で培った人脈・経験を事業計画の説得力につなげた

「経営・管理」ビザの審査は、形式的な書類だけでなく、事業の実在性・継続性・本人が経営に従事する実態を総合的に見られます。建設業のように現場作業を伴う業種では、特に丁寧な準備が求められます。

ご自身のケースで不安がある場合は、入管業務に詳しい専門家(行政書士など)に早めに相談することをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q1. 技能実習中に直接「経営・管理」へ変更できますか?

技能実習は技能習得を目的とした制度のため、実習中に直接「経営・管理」へ変更するのは制度の趣旨上、非常に難しいのが実情です。本記事の事例のように、いったん帰国してから認定申請を行うルートが現実的とされています。

Q2. 資本金は必ず500万円必要ですか?

「経営・管理」では、事業規模の目安として資本金または出資総額500万円以上が基準のひとつとされています。金額だけでなく、その資金の出所が合理的に説明できることも重要です。

Q3. 経営者本人が現場作業をしてもよいですか?

「経営・管理」は経営・管理活動に従事する在留資格です。経営者が現場作業を主に行うことは想定されていません。本事例のように、現業は業務委託や雇用でまかない、本人は経営に専念する体制を整えることが望ましいとされています。

Q4. 事務所は自宅と兼用でも認められますか?

独立性のある事業所が求められるため、原則として住居とは区別された事業用スペースが必要です。賃貸借契約書、写真、平面図などで実態を示すことが重要になります。

Q5. 取引先がまだ正式に決まっていなくても申請できますか?

事業の安定性・継続性を示すうえで、取引先候補や見込み、業務委託の体制などを具体的に説明できると有利です。本事例では、取引が見込まれる法人や、労働力提供を申し出ている業者の存在を示すことで、継続性を立証しています。

※本記事は守秘義務の観点から、登場する人物名・企業名・団体名・地名などはすべて仮名または匿名に変換しています。

この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士

谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
外国人雇用・ビザの専門家として手続代理と顧問アドバイザリーを提供。ビザ・許認可など法規制クリアの実績は延1万件以上。 ▶ 求人・パートナー募集はこちら


- 講師実績
行政書士会、建設やホテル人材等の企業、在留資格研究会等の団体、大手士業事務所、その他外国人の講義なら幅広く依頼を受ける。 ▶ ご依頼、セミナー、取材等のお問合せはこちら



- 対応サービス

  • 行政対応
  • 外国人材紹介
  • 外国人登録支援機関業務
  • TAKUMI人事

- 資格等

特定行政書士、宅建士、米国MBA、中国語(HSK2級)他


- 略歴等

・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。


- 取引先、業務対応実績一部

・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他

03-5575-5583に電話をかける メールでお問い合わせ
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【お客様事例】技能実習から経営・管理ビザへ|元実習生が建設会社を設立した事例

事例

【お客様事例】技能実習から経営・管理ビザへ|元実習生が建設会社を設立した事例

この事例でわかること

 〇技能実習を修了した外国人が「経営・管理」ビザで建設会社を設立できるのか
 〇実際に建設会社を立ち上げ、在留資格を取得した事例の全体像
 〇「経営・管理」ビザの要件(資本金・事業所・事業計画など)
 〇申請時に必要な書類の具体的なリスト
 〇建設業特有の「労働力確保」をどう立証するか
 〇申請を成功させるためのポイントとよくある質問

「技能実習を終えて帰国したけれど、もう一度日本で挑戦したい」「日本で建設会社を立ち上げたい」——そんな思いを持つ方は少なくありません。

本事例では、技能実習を修了した外国人の方が「経営・管理」の在留資格を取得し、日本で建設会社を設立した実例をもとに、必要な準備・書類・立証のポイントをわかりやすく解説します。

 

なお、この事例は2025年10月施行の「経営・管理」新基準によるものでないため資本金は500万円となっておりますが、資本金出資や活動の該当性などの立証は変わっていないため、十分参考になるものです。

技能実習から「経営・管理」への切り替えは可能なのか

まず結論:直接の「変更」ではなく「認定」が現実的

技能実習の在留資格は、あくまで「技能の習得」を目的とした制度です。そのため、技能実習中に直接「経営・管理」へ在留資格変更を行うことは、制度の趣旨上きわめて難しいとされています。

今回ご紹介する事例も、いったん技能実習を修了して帰国した後、改めて経営者として在留資格認定証明書交付申請を行うルートをたどっています。

事例の基本的な流れ

ご相談者であるA氏のケースは、次のような時系列で進みました。

時期

出来事

2013年4月

「技能実習」の在留資格で適法に上陸

2016年4月

技能実習を修了し、帰国

帰国後

日本で建設会社を設立し「経営・管理」を申請

A氏は約3年間の技能実習を通じて、建設業界での実務経験と人脈を築いていました。この「技能実習で得た経験・ネットワーク」が、後の会社設立と事業計画の説得力につながっている点が、この事例の大きな特徴です。

なぜ建設業だったのか|申請理由書から読み解く動機

「経営・管理」ビザの審査では、なぜその事業を、なぜその人がやるのかという説得力が問われます。

A氏の申請理由書には、おおむね次のような動機が記されていました。

 ・日本の建設業界が、震災からの復興や大型イベントに向けて人手不足に陥ることへの懸念
 ・これまで日本でお世話になった人々や、建設業界への恩返しの気持ち
 ・3年間暮らして大好きになった日本という国へ、もっと貢献したいという思い

このように、社会的背景(人手不足)と個人的動機(恩返し・貢献)を結びつけた理由書は、事業の必然性を伝えるうえで非常に有効です。

単に「儲かりそうだから」ではなく、自分の経験が活きる分野で、社会的ニーズに応えるという文脈が、審査官に与える印象を左右します。

「経営・管理」ビザの主な要件 (旧基準)

建設会社の設立に限らず、「経営・管理」の在留資格には、基準省令(出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令)で定められた要件があります。代表的なポイントは次の通りです。

要件

内容の目安

事業の規模

資本金または出資の総額が500万円以上など(現在3000万円)

事業所の確保

独立した事業所が日本国内に存在すること

事業の安定性・継続性

事業計画が現実的で、継続して運営できる見込みがあること

活動の安定性・継続性

申請人が実際に経営・管理に従事すること

A氏のケースでは、これらの要件をひとつずつ「資料」で裏付けていきました。次の章で具体的に見ていきましょう。

事例で見る|要件を満たすための立証ポイント

資本金の確保とその出所

A氏は、会社の資本金として500万円を計上しました。重要なのは、その資金の出所を明確にすることです。

この事例では、技能実習期間中などに貯蓄してきた預貯金から、申請人が自己資金で支出したことを、本人名義の通帳の写しによって立証しています。

ポイント:資本金は「金額があればよい」のではなく、そのお金がどこから来たのか(出所の合理性)まで説明することが求められます。

あわせて、定款の写しや払込みの事実を示す書類で、資本金が実際に払い込まれたことを疎明しました。

事業所(事務所)の確保

「経営・管理」では、独立した事業所の存在が必須です。A氏は次のような形で事業所を立証しました。

 ・建物賃貸借契約書の写し
 ・事務所として使用することへの所有者(賃貸人)の承諾
 ・事務所の写真3枚
 ・建物外観および表示の写真
 ・備品・電話・PC・デスク等の設備の写真
 ・事務所建物の平面図

自宅と兼用ではなく、事業のための実態ある事務所であることを、写真と図面で「目に見える形」で示している点が参考になります。

投資の実態を示す領収証

資本金を計上しただけでなく、A氏は会社設立や備品購入などに、すでに50万円程度を投資していました。

この事実を、請求書や領収証の写しによって立証しています。「計画」だけでなく「すでに動き出している」ことを示すことで、事業の本気度と蓋然性を高めているわけです。

建設業ならではの論点|「労働力の確保」をどう立証したか

建設会社の経営で特に問われやすいのが、「経営者本人が現場作業をするのではないか」という疑問です。

「経営・管理」は、あくまで経営や管理に従事するための在留資格です。経営者自身が現場で大工仕事や内装工事を行うのであれば、それは「経営・管理」の活動とは言えません。

そこでA氏は、次のような体制を整え、立証しました。

業務委託による現業の切り分け

 ・請け負った工事は、個人事業を営む業者への業務委託により実施
 ・業務委託契約書の写しを提出し、現業を担う労働力を確保している事実を立証
 ・契約済みの業者以外にも、労働力提供を申し出ている業者が複数存在

これにより、「申請人は経営に専念できる」という構図を明確にしました。

役割

担当

経営・管理(受注、契約、資金管理など)

申請人(A氏)

現場作業(大工・内装工事など)

業務委託先の個人事業者

建設業で「経営・管理」を取得するうえで、この現業と経営の分離は最重要ポイントのひとつです。

取引先との関係で安定性・継続性を示す

A氏は、下請けとして取引が見込まれる法人(事例では仮にABC株式会社・XYZ合同会社とします)との関係を示し、安定的・継続的な取引の見込みを説明しました。

技能実習を通じて育んだ人脈が、ここで具体的な取引先候補という形で活きています。

申請に必要だった書類リスト(事例ベース)

実際の申請で用意された書類を、わかりやすく整理しました。これから準備する方のチェックリストとしてご活用ください。

基本資料・立証資料

区分

主な書類

申請の基本

申請書、写真(縦4cm×横3cm)、書留封筒

投資額の立証

社員名簿、発起人(申請人)の通帳の写し、定款の写し

活動内容

役員報酬決定に関する同意書

事業内容・規模

履歴事項全部証明書

事業用施設

建物賃貸借契約書の写し

事業計画

事業計画書、売上計画書

カテゴリー4関連

給与支払事務所等の開設届出書の写し、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の写し(いずれも税務署受理済)

その他の立証資料

書類

立証の狙い

申請理由書

申請の趣旨・経緯・動機の説明

パスポートの写し

本人確認(参考添付)

事務所の写真(3枚)

投資設備と使用権限の実態

請求書・領収証の写し

事業のために投下した費用の事実

会社案内資料

事業内容の説明

業務委託契約書の写し

現業の労働力確保=活動の安定性・継続性

※必要書類は、申請人や法人の状況(いわゆる「カテゴリー」など)によって異なります。実際の申請では、最新の入管の案内を確認してください。

この事例から学ぶ|成功のための4つのポイント

技能実習修了者が建設会社を設立し、「経営・管理」を目指すうえで、この事例から得られる学びを整理します。

経験と事業内容を一致させる

技能実習で建設の実務経験を積み、その分野で起業する——という一貫性が、事業の必然性と説得力を生みます。

お金の流れを明確にする

資本金について、「いくら」だけでなく「どこから来たお金か」を通帳などで立証することが重要です。

事務所の実態を見せる

契約書・写真・平面図で、独立した事業所の存在を客観的に示します。

経営と現業を分ける

特に建設業では、業務委託契約などで現場作業を切り分け、「経営に専念する」体制を明確にすることが鍵となります。

まとめ

技能実習を修了した外国人の方でも、要件を満たし、適切に立証すれば「経営・管理」の在留資格を取得して建設会社を設立することは可能です。

今回の事例のポイントを振り返ると——

 ・いったん帰国後、在留資格認定証明書交付申請で経営者として再チャレンジ
 ・資本金を自己資金で確保し、その出所を通帳で立証
 ・独立した事務所を契約・写真・平面図で示す
 ・建設業特有の論点である現業と経営の分離を、業務委託契約で立証
 ・技能実習で培った人脈・経験を事業計画の説得力につなげた

「経営・管理」ビザの審査は、形式的な書類だけでなく、事業の実在性・継続性・本人が経営に従事する実態を総合的に見られます。建設業のように現場作業を伴う業種では、特に丁寧な準備が求められます。

ご自身のケースで不安がある場合は、入管業務に詳しい専門家(行政書士など)に早めに相談することをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q1. 技能実習中に直接「経営・管理」へ変更できますか?

技能実習は技能習得を目的とした制度のため、実習中に直接「経営・管理」へ変更するのは制度の趣旨上、非常に難しいのが実情です。本記事の事例のように、いったん帰国してから認定申請を行うルートが現実的とされています。

Q2. 資本金は必ず500万円必要ですか?

「経営・管理」では、事業規模の目安として資本金または出資総額500万円以上が基準のひとつとされています。金額だけでなく、その資金の出所が合理的に説明できることも重要です。

Q3. 経営者本人が現場作業をしてもよいですか?

「経営・管理」は経営・管理活動に従事する在留資格です。経営者が現場作業を主に行うことは想定されていません。本事例のように、現業は業務委託や雇用でまかない、本人は経営に専念する体制を整えることが望ましいとされています。

Q4. 事務所は自宅と兼用でも認められますか?

独立性のある事業所が求められるため、原則として住居とは区別された事業用スペースが必要です。賃貸借契約書、写真、平面図などで実態を示すことが重要になります。

Q5. 取引先がまだ正式に決まっていなくても申請できますか?

事業の安定性・継続性を示すうえで、取引先候補や見込み、業務委託の体制などを具体的に説明できると有利です。本事例では、取引が見込まれる法人や、労働力提供を申し出ている業者の存在を示すことで、継続性を立証しています。

※本記事は守秘義務の観点から、登場する人物名・企業名・団体名・地名などはすべて仮名または匿名に変換しています。

この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士

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行政書士会、建設やホテル人材等の企業、在留資格研究会等の団体、大手士業事務所、その他外国人の講義なら幅広く依頼を受ける。 ▶ ご依頼、セミナー、取材等のお問合せはこちら



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  • 外国人材紹介
  • 外国人登録支援機関業務
  • TAKUMI人事

- 資格等

特定行政書士、宅建士、米国MBA、中国語(HSK2級)他


- 略歴等

・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。


- 取引先、業務対応実績一部

・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他