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特定技能建設の業務区分|「建築」「土木」「ライフライン・設備」にまたがる主たる業務と関連業務

2026年06月25日

建設特定技能

特定技能建設の業務区分|「建築」「土木」「ライフライン・設備」にまたがる主たる業務と関連業務

特定技能建設では、業務区分の確認が重要

建設分野の特定技能では、外国人が従事できる業務が、在留資格上の業務区分と整合している必要があります。建設分野の業務区分は、現在、次の3区分です。

業務区分

主な考え方

土木

主として土木施設に係る作業

建築

主として建築物に係る作業

ライフライン・設備

主としてライフライン・設備に係る作業

もっとも、実務では、建設業許可の業種名と、特定技能の業務区分が完全に一対一で対応するわけではありません。

例えば、「とび・土工工事業」「鉄筋工事業」「鋼構造物工事業」「塗装工事業」「防水工事業」「管工事業」などは、複数の業務区分にまたがることがあります。

そのため、特定技能外国人を建設現場で受け入れる際は、単に「建築現場か」「土木現場か」だけで判断するのではなく、実際に従事する作業が、どの業務区分に含まれるかを確認する必要があります。

結論:現場名ではなく「作業の性質」と「認定を受けた業務区分」で判断

特定技能建設の業務区分は、作業現場の種類だけで決まるものではありません。

重要なのは、次の3点です。

確認事項

内容

1. 外国人本人の業務区分

土木、建築、ライフライン・設備のどの区分で受け入れているか

2. 実際に行う作業

その作業が、認定を受けた業務区分に含まれるか

3. 関連業務の範囲

業務区分外の作業を、関連業務として大部分行わせていないか

例えば、「建築」の業務区分で受け入れている外国人に、建築区分にも含まれる「とび・土工工事業」に係る作業を行わせることは、直ちに問題とはいえません。

一方で、実態として「土木」の業務区分に該当する作業を主として行わせる場合には、建築区分の範囲を超える可能性があります。

建設分野の3業務区分とは

建設分野の特定技能は、以前は細かな業務区分で運用されていましたが、現在は「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3区分に整理されています。

これは、建設業の現場では、複数の作業を行う多能工的な働き方があることや、技能実習の職種・作業との関係を整理する必要があったことなどを踏まえたものです。

ただし、3区分に統合されたからといって、どの業務でも自由に行えるという意味ではありません。

外国人本人が認定を受けた業務区分に含まれる作業であるかを、個別に確認する必要があります。

「建設業許可の業種」と「特定技能の業務区分」は同じではない

実務上、誤解が多いのが、建設業許可の業種と特定技能の業務区分の関係です。

建設業許可では、建設工事の種類として、例えば次のような業種があります。

建設業許可の業種例

とび・土工工事業

大工工事業

鉄筋工事業

鋼構造物工事業

塗装工事業

防水工事業

管工事業

電気工事業

電気通信工事業

水道施設工事業

消防施設工事業

一方、特定技能建設では、これらの工事業を「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3区分に整理して確認します。

例えば、同じ「とび・土工工事業」でも、土木区分にも建築区分にも関係する場合があります。また、「管工事業」は、建築区分とライフライン・設備区分にまたがることがあります。

したがって、「当社はとび・土工工事業の許可を持っているから、土木でも建築でも自由に従事させられる」と単純に考えるのではなく、特定技能外国人本人がどの業務区分で認定されているかを確認する必要があります。

例えばコンクリート擁壁は土工工事業の代表的なものです。大規模な土木工事として行う場合、「土木区分」となりやすいと考えるべきです。

一方で、建物の足場組立などは「建築区分」と考えるべきです。

つまり建設業法の業種である「とび・土工工事業」は仮設工事やコンクリート工事が主なのです。

 

複数の業務区分にまたがる作業はどう考えるか

建設分野では、1つの建設業許可業種が、複数の特定技能業務区分にまたがることがあります。

この場合、国土交通省の対応表上、複数の業務区分に対応する工事業については、いずれか又は双方の業務区分を選択して認定を受けることになります。

実務上は、次のように整理します。

ケース

判断の方向性

1つの工事業が複数区分にまたがる場合

実際に行わせたい作業内容を踏まえて、必要な業務区分で認定を受ける

同じ業務区分内で別の職種・作業を行わせる場合

制度上可能な場合があるが、雇用契約・報酬・受入計画の整合が必要

別の業務区分の作業を主として行わせる場合

原則として、別区分の試験合格・認定整理が必要となる可能性が高い

関連業務として一時的に補助作業を行う場合

本来業務に付随する範囲であれば許容される余地がある

ポイントは、業務区分外の作業を「関連業務」として広く解釈しすぎないことです。

関連業務は、あくまで本来業務に付随して行う業務です。別の業務区分の主たる業務を、関連業務として大部分行わせることは避けるべきです。

例:建築区分で受け入れた外国人に「とび・土工工事業」を行わせる場合

例えば、「建築」の業務区分で受け入れた特定技能外国人に、とび・土工工事業に係る作業を行わせる場合を考えます。

とび・土工工事業は、土木区分にも建築区分にも関係する工事業です。そのため、建築区分に含まれる作業として説明できるものであれば、建築区分の範囲内で従事させることが可能と考えられます。

一方で、実際の業務内容を見ると、主として土木施設に係る作業であり、土木区分として評価される作業が大半を占める場合には注意が必要です。

例えば、形式上は「とび・土工工事業」と説明していても、実態として土木区分の作業を中心に行っている場合には、「建築」区分で認定された活動内容と実際の業務内容が一致していないと判断されるリスクがあります。

「7割が別区分の作業」は関連業務と説明しにくい

特定技能では、技能実習のように「必須業務50%以上」といった一律の割合基準はありません。

しかし、割合基準がないことは、業務区分外の業務を自由に行えるという意味ではありません。

例えば、建築区分で受け入れた外国人について、実態として7割程度を土木区分の作業に従事させる場合、その業務は「付随的な関連業務」とは説明しにくくなります。

分野別運用要領【建設分野】

 ~略~

【主たる業務】

○ 1号特定技能外国人は相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する 業務に、また、2号特定技能外国人は当該分野に属する熟練した技能を要する業務に従事することが求められます。【特定技能基準省令第1条第1項】

○ 本要領別表6-1に記載された試験の合格により確認された技能を要する 同表に記載された業務に主として従事しなければなりません。

【関連業務】

○ また、分野別運用要領に記載するとおり、当該業務に従事する日本人が通 常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えありません。

 

このような場合には、最初から土木区分での受入れを検討するか、土木及び建築の双方に対応する形で、試験区分・受入計画・雇用契約を整理する必要があります。

同じ業務区分内であれば、作業を広げられる場合があります

特定技能建設では、同じ業務区分内であれば、従前の技能実習職種や経験職種と完全に同一でない作業にも従事できる場合があります。

例えば、同じ業務区分内に含まれる作業であれば、会社で教育を行いながら、従事できる作業を広げることが可能です。

ただし、この場合でも、次の点に注意が必要です。

注意点

内容

雇用契約

実際に従事する業務内容と契約内容を整合させる

報酬

同等の技能を有する日本人と同等以上の報酬にする

受入計画

職種・作業を追加又は変更する場合は、必要な届出を確認する

教育体制

未経験に近い作業を行わせる場合は、安全教育・技能教育を行う

同じ業務区分内だからといって、十分な教育をしないまま危険作業を行わせることは適切ではありません。建設分野では、安全衛生や現場管理の観点からも、作業内容に応じた教育体制が重要です。

別の業務区分に移る場合は、試験・認定の整理が必要です

技能実習から特定技能へ移行する場合、修了した技能実習職種・作業に対応する特定技能の業務区分へ移行するのが基本です。

これに対して、対応する業務区分以外へ移行したい場合には、移行先の業務区分に対応する特定技能評価試験等の合格が必要になる場合があります。

これは、建設分野に限らず、特定技能制度全体の基本的な考え方です。

特定技能は、試験等により相当程度の知識又は経験を有すると認められた技能を要する業務に従事する制度です。そのため、別区分の主たる業務を行う場合には、その区分で必要な技能を有していることを確認する必要があります。

建設分野でよくある誤解

誤解1:建築現場なら、建築区分でよい

建築現場で作業する場合でも、実際に行う作業がライフライン・設備区分に該当する場合があります。

例えば、電気工事、電気通信工事、水道施設工事、消防施設工事などは、ライフライン・設備区分として整理されることがあります。

現場の種類ではなく、実際の作業内容で確認する必要があります。

誤解2:土木現場で働くなら、必ず土木区分になる

土木現場であっても、作業の性質によっては、建築区分と共通する工事業に該当する場合があります。

特定技能の業務区分は、現場の名称ではなく、作業の性質を基準に整理されます。

誤解3:日本人が通常行う作業なら、何でも関連業務になる

日本人が通常行う作業であることは、関連業務を考える上で重要な要素です。

しかし、それだけで十分ではありません。

関連業務は、本来業務に付随する範囲で認められるものです。別の業務区分の主たる業務を、関連業務として継続的・大部分行わせることは、在留資格上のリスクがあります。

誤解4:建設業許可の業種と特定技能の業務区分は同じである

建設業許可の業種と、特定技能の業務区分は同じものではありません。

建設業許可の業種を確認した上で、さらに特定技能の業務区分との対応関係を確認する必要があります。

受入企業が確認すべきチェックリスト

特定技能建設で、土木・建築・ライフライン・設備にまたがる可能性がある場合は、次の点を確認してください。

チェック項目

確認内容

外国人本人の業務区分

在留資格上、土木・建築・ライフライン・設備のどれで認定されているか

試験・技能実習の対応関係

合格した試験又は修了した技能実習が、予定業務に対応しているか

実際の作業内容

予定作業がどの建設業許可業種に該当するか

対応表の確認

予定作業が認定済みの業務区分に含まれるか

業務割合

別区分の作業が大部分を占めていないか

雇用契約

実際の業務内容が契約書に反映されているか

報酬

同等の技能を有する日本人と同等以上か

変更届出

職種・作業の追加や変更について、国土交通省への届出が必要か

安全教育

新たな作業を行わせる場合に、十分な教育・指導体制があるか

まとめ

特定技能建設では、「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3つの業務区分を正しく確認することが重要です。

特に、建設業許可の業種名と、特定技能の業務区分は完全に一致するものではありません。1つの工事業が複数の業務区分にまたがることもあります。

そのため、受入企業は、現場名や工事名だけで判断するのではなく、次の順番で確認する必要があります。

1.実際に行わせる作業を具体的に整理する

2.建設業許可の工事業種との関係を確認する

3.特定技能の業務区分との対応関係を確認する

4.外国人本人の試験区分・認定区分と整合しているか確認する

5.必要に応じて、雇用契約・報酬・受入計画の変更を行う

「建築区分だから建築現場だけ」「土木現場だから土木区分だけ」という単純な整理ではなく、作業の性質と在留資格上の業務区分を対応させることが、特定技能建設の適正な受入れにつながります。

当法人では、特定技能建設の受入計画認定、在留資格申請、業務区分の該当性確認、雇用契約・報酬条件の整理まで、建設業許可と在留資格の双方を踏まえてサポートしています。

この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士

谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
外国人雇用・ビザの専門家として手続代理と顧問アドバイザリーを提供。ビザ・許認可など法規制クリアの実績は延1万件以上。


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行政書士会、建設やホテル人材等の企業、在留資格研究会等の団体、大手士業事務所、その他外国人の講義なら幅広く依頼を受ける。

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- 資格等

特定行政書士、宅建士、米国MBA、中国語(HSK2級)他


- 略歴等

・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。


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・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他

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