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不許可で出国準備期間30日の再申請方針とは?認定vs変更・出国命令・退去強制

2026年07月06日

技術・人文知識・国際業務在留資格一般

不許可で出国準備期間30日の再申請方針とは?認定vs変更・出国命令・退去強制

内容

1. 30日出国準備中の変更申請は、特例期間を前提にできない危険がある… 2

2. 再申請は変更であっても30日以内の許可を狙うのではなく、「審査継続中の出口」を設計する    3

第1段階:不許可理由を払しょくでき、許可率を高められるか… 3

第2段階:日本国内で変更申請を維持する合理性があるか… 3

第3段階:認定申請に切り替える方が安全か… 3

3. 許可方向の場合:短期滞在90日や特定活動を挟むことがある… 4

4. 不許可方向の場合:退去強制前に出国命令を検討する… 5

5. 出国命令の要件に合わない場合:在留特別許可を検討する… 6

6. 「認定」「変更」「出国命令」「在留特別許可」の比較… 7

7. 実務上の判断基準… 7

認定申請に切り替えるべきケース… 7

国内で変更申請を行う余地があるケース… 8

出国命令を検討すべきケース… 8

在留特別許可を検討すべきケース… 8

8. まとめ… 9

在留資格の更新申請や変更申請を出した後、入管から不許可とされる(見込みの)場合、緊急対応が必要となります。なぜなら、出国準備のために在留資格「特定活動」に変更申し出をするか、選ばせてもらえることがあります。ここで、在留期間が「31日」なら日本にいながらの再申請の安全性が高いのですが、「30日」とされる出国準備にされたケースでは、再申請を「在留資格変更許可申請」で行うべきか、それともいったん出国して「在留資格認定証明書交付申請」でやり直すべきかが重要な判断になります。

ただし、この場面で最初に確認すべきことは、「30日以内に許可が出るか」ではありません。実務上、30日の出国準備期間内に再申請を行い、その期間内に許可まで完了することは通常期待しにくいといえます。

そのため、実際に比較すべきなのは、次のような選択肢です。

  1. 期限内に出国し、在留資格認定証明書交付申請でやり直す方法
  2. 日本国内で在留資格変更許可申請を再申請し、その後の審査・救済手続を検討する方法
  3. 2の場合、不許可後、退去強制手続に進む前に出国命令を受けて自主出国することの見通しをつける方法
  4. 出国命令を希望しない又はその要件に合わない場合、退去強制令書発付前に在留特別許可申請までする方法

出国準備中30日の再申請は、「認定か変更か」だけでなく、「不許可後にどの段階で、どの手続に切り替えるか」まで含めて判断する必要があります。

1. 30日出国準備中の変更申請は、特例期間を前提にできない危険がある

通常、在留カードを持つ外国人が在留期間満了前に在留資格変更許可申請又は在留期間更新許可申請を行い、在留期限までに結果が出ない場合、処分時又は在留期間満了日から2か月を経過する日のいずれか早い時まで、引き続き従前の在留資格で在留できる制度があります。これは一般に「特例期間」と呼ばれます。

しかし、出国準備として30日の在留期間を付与されている場合は、この通常の特例期間を当然に前提とすることはできません。入管法上、30日以下の在留期間を決定されている者からの変更申請・更新申請については、特例期間の対象から外れるためです。

そのため、30日の出国準備中に変更申請を出す場合、「申請を出したから結果が出るまで在留期限から2か月経過まで適法に在留できる」となりません。

もっとも、実務上は、30日以内に結果が出ないから直ちにすべての事案が同じ扱いになるわけではありません。申請内容、不許可理由、本人の在留状況、受入機関の事情、出国準備状況などを踏まえ、審査が継続される中で、短期滞在や特定活動を挟む方法、変更申請の申出、出国命令、在留特別許可などの選択肢を検討する場面があります。

2. 再申請は変更であっても30日以内の許可を狙うのではなく、「審査継続中の出口」を設計する

30日出国準備中の再申請では、30日以内に許可が出ることを中心に考えるべきではありません。むしろ、次のように段階的に考える必要があります。

第1段階:不許可理由を払しょくでき、許可率を高められるか

まず確認すべきなのは、前回の不許可理由です。

単なる資料不足、説明不足、雇用条件の不明確さ、職務内容の整理不足であれば、短期間で補正できる可能性があります。一方で、在留資格該当性、上陸許可基準適合性、経歴と職務内容の不整合、過去の在留状況、資格外活動違反、素行不良、虚偽申請の疑いなどが問題になっている場合、30日以内に根本的に払しょくすることは困難です。

なお、ここで許可見込みが高ければ、不法残留とされる確率は減ります。

第2段階:日本国内で変更申請を維持する合理性があるか

次に、日本国内で変更申請を維持する合理性を検討します。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」では受入企業の雇用継続が明確で、職務内容・報酬・学歴又は職歴との対応関係が整理でき、前回不許可理由を具体的に補える場合には、変更申請を再度行う余地があります。

ただし、その場合でも「30日以内に許可が出る」ことを前提にするのではなく、審査が継続し退去強制前後の手続まで覚悟して行うか、不許可となった場合にどの時点で出国方針に切り替えるのかをあらかじめ検討しておく必要があります。

なお、人道上の理由があれば、出国命令を申告しないで在留特別許可を検討できます。

第3段階:認定申請に切り替える方が安全か

在留資格認定証明書交付申請は、原則として国外からの新規入国を前提に、受入機関所在地等を管轄する地方出入国在留管理官署へ申請する手続です。入管庁は、認定申請の標準処理期間を1か月から3か月としています(2026年7月6日時点)。

しかし、実際はそんな短いものでもありません。なぜなら、在留資格認定証明書交付申請には行政手続法の「標準処理期間」遵守義務が適用除外となっているため、それを遅れても、入管庁ないし国は「行政手続法違反とならない」からです。

この点、入管局は不許可後案件については慎重審査をすることで、審査が6か月を超える案件もあります。1年かかる審査もあるため、その不許可理由により判断することも重要要素です。ただし、認定証明書交付申請は、出国期限を守ってオーバーステイ歴、退去強制歴を避けやすいという大きなメリットがあります。

ここでいう前歴は行政処分歴です。刑事処分歴は実際、オーバーステイのみでは刑事訴訟・判決までされていないことが多いと実務上実感しています。

3. 許可方向の場合:短期滞在90日や特定活動を挟むことがある

30日の出国準備中に再申請をした場合でも、30日以内に最終許可が出ることは通常多くありません。

もっとも、審査の結果、許可方向で調整される場合には、出頭通知を受け、実務運用上、いったん「短期滞在」90日や「特定活動」を挟んだうえで、最終的な変更許可につなげる方法が検討されることがあります。

このような扱いは、法律上明文化された一般制度というより、個別事案における運用・処理方法として理解すべきです。そのため、すべての案件で当然に認められるものではありません。

例えば、次のような事情がある場合には、国内での変更申請を維持しながら、短期滞在又は特定活動を挟む余地が問題になります。

  • 不許可理由が限定的で、追加説明により相当程度解消されている
  • 受入企業側の雇用条件・職務内容・必要性が明確である
  • 本人の在留状況に重大な違反がない
  • 申請内容に虚偽又は重大な齟齬がない
  • 入管側から追加資料提出、変更申出、別在留資格での整理等の方向性が示されている

在留資格「短期滞在」については、90日、30日又は15日以内の日を単位とする期間が定められています。ただし、短期滞在は本来、観光、親族訪問、商用連絡等の短期的な活動を想定する在留資格です。したがって、これを前提に安全と断言して利用できるわけではありません。

したがって、許可方向で短期滞在や特定活動を挟む場合でも、就労可否、在留期限、申請中の身分、受入機関との関係を慎重に確認する必要があります。

4. 不許可方向の場合:退去強制前に出国命令を検討する

変更再申請が不許可となった場合、次に重要になるのは、退去強制手続に進む前に出国命令で自主出国できるかどうかです。

出国命令制度は、一定の要件を満たす不法残留者について、収容をしないまま簡易な手続で出国させる制度です。

入管法では、出国命令の対象者について、オーバーステイつまり不法残留以外の退去強制事由に該当しないこと、一定の刑罰歴がないこと、過去に退去強制又は出国命令を受けたことがないこと、速やかに出国することが確実と見込まれることなどを挙げています。

出国命令により出国した場合、上陸拒否期間は出国日から1年です。これに対し、退去強制は大きく異なります。初回の退去強制では原則5年、過去に退去強制又は出国命令歴がある場合は10年とされています。

そのため、初犯のオーバーステイで、他に退去強制事由がなく、速やかに出国する意思と準備がある場合には、退去強制手続に進む前に出国命令を受けることが、本人にとって相対的に利益となることがあります。

ただし、これは「オーバーステイをしてもよい」という意味ではありません。出頭申告をしても、不法残留状態が直ちに解消されるわけではなく、法務大臣から特別に在留が認められない限り、入管法違反の状態に変わりはありません。入管庁も、出頭申告により法違反の状態が当然に解消されるわけではないと説明しています。

5. 出国命令の要件に合わない場合:在留特別許可を検討する

出国命令は、すべての不法残留者に認められる制度ではありません。

例えば、次のような場合には、出国命令の対象とならない可能性があります。

  • 不法残留以外の退去強制事由がある
  • 不法入国、偽造旅券使用、虚偽申請などがある
  • 一定の刑罰歴がある
  • 過去に退去強制又は出国命令を受けたことがある
  • 速やかに出国することが確実とはいえない
  • 退去強制手続が一定段階まで進んでいる

このような場合には、退去強制令書が発付される前の段階で、在留特別許可を求める方針が有力な選択肢となることがあります。

在留特別許可は、退去強制事由に該当する外国人について、個別事情を考慮して特別に在留を認める制度です。出国命令とは異なり、単に「自主出国する」ための制度ではなく、日本での家族関係、生活基盤、在留状況、違反の内容、悪質性、再発防止、受入機関の管理体制などを総合的に主張・立証する必要があります。

したがって、出国命令の要件に適合しない場合や、自主出国ではなく日本での在留継続を求める合理的事情がある場合には、退去強制令書発付前に在留特別許可を求める資料を整えることが重要です。

6. 「認定」「変更」「出国命令」「在留特別許可」の比較

選択肢主なメリット主なリスク・注意点
期限内に出国し、認定申請でやり直すオーバーステイを避けられる。出国命令歴・退去強制歴が残らない。将来申請で説明しやすい国外待機が必要。認定申請の標準処理期間は1か月〜3か月。査証申請・上陸審査も必要
国内で変更申請を再申請する許可方向なら、短期滞在や特定活動を挟んで国内で整理できる可能性がある30日以内の許可は通常期待しにくい。30日以下では特例期間を前提にしにくい。審査継続中の在留根拠を慎重に確認する必要がある
不許可後、出国命令で自主出国する退去強制5年ではなく、上陸拒否期間1年となる可能性がある不法残留状態に入る。出国命令要件を満たす保証はない。将来申請で違反歴の説明が必要
在留特別許可申請出国命令の要件に合わない場合でも、日本での在留継続を求める余地がある退去強制手続に入るため深刻な手続になる。家族関係・定着性・違反の軽重、人道上の理由その他の立証の可否が重要

7. 実務上の判断基準

認定申請に切り替えるべきケース

次のような場合は、期限内に出国し、在留資格認定証明書交付申請でやり直す方が安全です。

  • 不許可理由が、時の政策上で悪質性を有する評価とされた
  • 不許可理由が明確に治癒されていない
  • 申請内容を大幅に組み替える必要がある
  • 立証資料の収集に時間がかかる
  • 過去の在留状況や資格外活動違反の説明が必要
  • オーバーステイにやむを得ない理由はなく、法令違反防止を最優先すべきと考える

国内で変更申請を行う余地があるケース

次のような場合は、国内で変更申請を行い、その後の救済・調整手続を含めて検討する余地があります。

  • 不許可理由が特定されている
  • 追加の立証資料により不許可理由を払拭できる
  • 入管側とのやり取りの中で、変更申出や別在留資格での整理がされている又は見込まれる
  • 受入企業の雇用条件・職務内容・必要性が明確である
  • 本人の在留状況に重大な違反がない
  • 不許可時の出国命令又は在留特別許可の方針も準備している
  • 日本育ちの家族がいる

入管は悪質性などをその時の政策において、さらに「入管行政上看過できないかどうか」等の法令解釈を踏まえて不許可にしている場合、変更申請を行うリスクは高まります。

日本に親族がいるなど人道上の理由がない場合はオーバーステイの覚悟を決めても危険であり、退去強制に確率が高い事案もあります。

出国命令を検討すべきケース

次のような場合は、退去強制手続に進む前に、出国命令による自主出国を検討すべきです。

  • すでに出国期限を経過している
  • 初回の不法残留である
  • 不法残留以外の退去強制事由がない
  • 過去に退去強制又は出国命令歴がない
  • 速やかに出国する意思と旅券・航空券等の準備がある
  • 退去強制5年よりも、出国命令1年の方が将来設計上有利である

在留特別許可を検討すべきケース

次のような場合は、出国命令だけでなく、在留特別許可を検討する必要があります。

  • 出国命令の要件に適合しない
  • 日本に配偶者、子、生活基盤がある
  • 日本での在留継続を求める強い事情がある
  • 違反の悪質性が低く、再発防止策を示せる
  • 退去強制令書発付前に、個別事情を主張立証する必要がある

8. まとめ

出国準備中30日の再申請では、「30日以内に許可を取る」ことを前提にするのは現実的ではありません。

重要なのは、30日の間に再申請を出せるかどうかではなく、その後の審査継続、不許可、出国命令、在留特別許可、認定申請への切替えまで含めて、本人にとって最も不利益の少ない又は不利益があってもやむを得ないときはベストな手続を選ぶことです。

特に、30日以下の在留期間では通常の特例期間を前提にしにくいため、国内で変更申請を行う場合には、次の点を必ず確認する必要があります。

  1. 前回不許可理由がどこまで治癒されているか
  2. 審査継続中に短期滞在又は特定活動を挟む余地があるか
  3. 不許可となった場合、出国命令の要件に適合するか
  4. 出国命令に適合しない場合、在留特別許可を求める事情があるか
  5. 期限内出国・認定申請の方が将来の再入国に有利ではないか

出国準備中30日の場面では、数日の判断遅れが、適法在留、オーバーステイ、出国命令、退去強制、在留特別許可の分岐点になります。再申請を検討する場合は、「認定か変更か」という形式面だけでなく、不許可後の出口まで含めて、早期に方針を決めることが重要です。

この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士

谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
外国人雇用・ビザの専門家として手続代理と顧問アドバイザリーを提供。ビザ・許認可など法規制クリアの実績は延1万件以上。


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・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。


- 取引先、業務対応実績一部

・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他

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