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特定技能【紙器・段ボール箱製造】の日本標準産業分類「段ボール素材仕切り」の該当性事例

2026年05月29日

工業製品製造業特定技能

特定技能【紙器・段ボール箱製造】の日本標準産業分類「段ボール素材仕切り」の該当性事例

この記事でわかること

・特定技能「工業製品製造業分野」の業務区分「紙器・段ボール箱製造」で、どの日本標準産業分類が有力になるか

・「145 紙製容器製造業」「1453 段ボール箱製造業」「1454 紙器製造業」
「1499 その他のパルプ・紙・紙加工品製造業」の違い(ただし、1499でも紙等は認められ・ないため不承認・不許可となることの理解)

・段ボール箱ではなく、段ボール素材で仕切り・鉢押さえを製造する場合の整理

・JAIM入会・特定技能申請で注意すべき、出荷実績・製造工程・製品分類の立証ポイント

 

結論:紙器・段ボール箱製造は「145 紙製容器製造業」が中心。ただし製品が箱でない場合は慎重な分類が必要

特定技能の工業製品製造業分野において、業務区分「④ 紙器・段ボール箱製造」に該当するかを検討する場合、まず有力になるのは 「145 紙製容器製造業」 です。

特に、段ボール箱を製造している場合は 1453 段ボール箱製造業、印刷箱・貼箱・簡易箱などの紙器を製造している場合は 1454 紙器製造業 が中心になります。

一方で、段ボール素材を使っていても、製造しているものが「段ボール箱」ではなく、箱の内部に入れる仕切り材・固定材・緩衝材に近い場合は、単純に1453段ボール箱製造業とはいえません。

この場合は、製品の形状・用途・販売実態に応じて、1454 紙器製造業に近いのか、1499 その他のパルプ・紙・紙加工品製造業に近いのかを検討する必要があります。

特定技能「工業製品製造業分野」では、事業所の産業分類と業務区分の両方が重要

工業製品製造業分野では、特定技能外国人を受け入れる事業所が、対象となる日本標準産業分類に該当する必要があります。

経済産業省は、工業製品製造業分野について、受入れ可能な事業所の産業分類と、外国人が従事する業務区分が定められていると説明しています。また、産業分類と業務区分の想定組合せ表は、在留諸申請の参考とされています。(経済産業省)

つまり、単に「製造業である」「段ボールを扱っている」というだけでは足りません。

次の2点をセットで確認する必要があります。

・その事業所が、特定技能の対象となる日本標準産業分類に該当するか
・特定技能外国人が実際に従事する業務が、対象となる業務区分に該当するか

紙器・段ボール箱製造の場合、候補として問題になりやすいのは、主に以下の分類です。

分類コード

分類名

実務上の位置づけ

1432

段ボール製造業

段ボールそのもの、段ボールシート等の製造

144

紙製品製造業

紙製品一般。包装紙、カード、荷札などに近い分類

145

紙製容器製造業

紙袋、段ボール箱、紙器など。紙器・段ボール箱製造で中心になる分類

1453

段ボール箱製造業

主として段ボール箱を製造する事業所

1454

紙器製造業

印刷箱、貼箱、簡易箱、紙製コップ・皿など

149

その他のパルプ・紙・紙加工品製造業

他に分類されない紙・板紙加工品の受け皿

15

印刷・同関連業

印刷・製本が主たる場合。箱・紙器製造とは別に検討

1453 段ボール箱製造業とは

1453 段ボール箱製造業は、e-Statの日本標準産業分類上、「主として段ボール箱を製造する事業所」とされています。(e-Stat)

そのため、実際に段ボール箱を製造している事業所であれば、1453に該当する可能性が高くなります。

ただし、重要なのは「段ボールを扱っているか」ではなく、完成品が段ボール箱かどうかです。

段ボール素材を切断・打抜き・折り加工していても、完成品が箱ではない場合は、1453段ボール箱製造業と整理するのは慎重に考える必要があります。

1432 段ボール製造業とは

1432 段ボール製造業は、e-Statの日本標準産業分類上、「主として段ボールを製造する事業所」とされています。また、不適合事例として「段ボール箱製造業[1453]」が掲げられています。(e-Stat)

つまり、1432は、段ボール箱や紙器を作る分類というより、段ボールシート・段ボール素材そのものを製造する分類です。

購入した段ボール素材を加工して、仕切りや包装部材を作る場合は、通常、1432段ボール製造業ではなく、145又は149側で検討することになります。

1454紙器製造業とは

1454 紙器製造業は、e-Statの日本標準産業分類上、「主として紙器製品を製造する事業所」とされています。

事例としては、印刷箱製造業、貼箱製造業、簡易箱製造業、紙製コップ・皿製造業が挙げられています。一方、不適合事例として段ボール箱製造業[1453]が示されています。(e-Stat)

したがって、段ボール箱そのものではないが、紙・板紙・段ボール素材を加工して包装用の成形品を製造している場合には、1454紙器製造業に近いと整理できる余地があります。

特に、製品が次のような性質を持つ場合は、1454寄りの説明がしやすくなります。

・包装・梱包に使用される
・紙又は板紙を加工して成形される
・単なる紙の切断品ではなく、折り・組立・打抜き等の加工がある
・箱、仕切り、トレー、固定具など、容器・包装部材として機能する
・製品カタログや納品書上も、包装材・紙器部材として販売されている

1499 その他のパルプ・紙・紙加工品製造業とは

1499 その他のパルプ・紙・紙加工品製造業は、e-Statの日本標準産業分類上、「主として購入したパルプ、紙、板紙から他に分類されない製品を製造する事業所」とされています。(e-Stat)

そのため、製造品が「段ボール箱」や「紙器」と明確にいえない場合には、1499が問題になります。

たとえば、段ボール素材を購入し、それを切断・打抜き・折り加工して、箱ではない特殊な紙加工品、固定材、緩衝材、仕切り材を作っている場合には、1454ではなく1499に近いと判断される可能性があります。

もっとも、特定技能の業務区分「紙器・段ボール箱製造」との関係では、1499に分類される製品であっても、業務内容が当該区分の製造工程と評価できるかは別途確認が必要です。

ただし、「紙」そのものの製造は特定技能の業務区分が存在しません。このように、特定技能の業務区分が存在するものの中から日本標準産業分類を選択する必要があります。

したがって、1499 その他のパルプ・紙・紙加工品製造業での「紙」は、実際に特定技能の経済産業省協議会・JAIMへの加入届出で選択できますが、その証明資料を出しても不許可になるので、気を付けなければなりません。

144 紙製品製造業はどう考えるか

144紙製品製造業も、特定技能の対象産業分類として検討対象に入ることがあります。

ただし、たとえば1449その他の紙製品製造業は、e-Stat上、購入した紙から他に分類されない紙製品を製造する事業所とされ、事例として正札、名刺台紙、私製はがき、包装紙、カード、荷札などが挙げられています。(e-Stat)

段ボール素材で包装用の仕切り・固定材を作る場合は、144よりも、まず145紙製容器製造業又は149その他のパルプ・紙・紙加工品製造業を検討する方が自然です。

15 印刷・同関連業との違い

紙器・段ボール箱製造では、印刷箱打抜き、印刷箱製箱など、印刷に関連する工程が含まれることがあります。

しかし、完成品が印刷物そのものではなく、印刷された箱・紙器・包装部材である場合は、主たる分類は15印刷・同関連業ではなく、145紙製容器製造業側で検討することが通常です。

他方で、事業所の実態が、箱や紙器の製造ではなく、印刷のみ、製本のみ、印刷物加工のみである場合は、15印刷・同関連業を別途検討することになります。

JAIM Q&Aで注意すべき「工業包装のみ」は対象外

紙器・段ボール箱製造で特に注意すべきなのが、段ボールを使った包装作業のみをしている場合です。

JAIMのFAQでは、「段ボールの工業包装を行っています。紙器・段ボール箱製造業の対象になりますか。」という質問に対し、段ボール箱の製造は行わず、工業包装のみを行っている場合は該当しないとされています。この場合は、484こん包業に該当するとの整理です。(一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM))

このQ&Aからわかる重要ポイントは、次のとおりです。

・段ボールを使っているだけでは足りない
・包装作業だけでは、紙器・段ボール箱製造とはいえない
・製造品としての箱・紙器・紙加工品を作っているかが重要
・製造業なのか、こん包業なのかを分けて説明する必要がある

したがって、特定技能申請やJAIM入会では、「工業包装をしている」という説明ではなく、どのような紙製・段ボール製の製品を製造し、出荷しているのかを明確に示す必要があります。

実務上の判定表

製造・作業内容

有力な分類

コメント

段ボールシート、段ボール素材を製造

1432 段ボール製造業

箱ではなく素材を製造する分類

段ボール箱を製造

1453 段ボール箱製造業

段ボール箱が完成品なら有力

印刷箱、貼箱、簡易箱を製造

1454 紙器製造業

紙器として説明しやすい

紙製コップ、紙皿等を製造

1454 紙器製造業

e-Statの事例に近い

段ボール素材で仕切り・固定材・特殊包装部材を製造

1454又は1499

容器・紙器部材といえるかがポイント

段ボールを使って商品を包装するだけ

484 こん包業の可能性

JAIM FAQ上、紙器・段ボール箱製造には該当しない整理

印刷だけを行う

15 印刷・同関連業

完成品が箱・紙器か、印刷物かで判断

申請で確認すべき資料

特定技能の該当性を判断する際は、分類名だけでなく、事業所の実態を資料で示すことが重要です。

特に、次の資料を確認します。

・製品カタログ
・製品写真
・製造工程表
・設備一覧
・作業手順書
・納品書
・請求書
・品番別売上表
・製造品出荷額がわかる資料
・会社案内、ホームページの製品紹介
・工場内での製造工程がわかる写真

ポイントは、「段ボールを扱っている」ではなく、「何を製造して出荷しているか」です。

また、複数の製品を扱っている場合は、製品ごとに売上構成を分け、どの製品について特定技能の対象産業分類を主張するのかを整理する必要があります。

事例:段ボール素材で仕切りや鉢押さえを作る場合

では、具体例として、段ボール素材で「仕切り」や「鉢押さえ」を製造している場合はどうでしょうか。

この場合、段ボール箱そのものを製造していないので、1453 段ボール箱製造業と整理するのは弱いと考えられます。

また、段ボール素材そのものを製造しているわけでもないため、1432 段ボール製造業とも通常は異なります

実務上は、次のように整理するのが有力です。

第一候補:1454 紙器製造業

仕切りや鉢押さえが、商品の梱包・輸送時に使用される紙製又は段ボール製の包装部材であり、打抜き・折り・組立等の加工を経て製造される場合、1454紙器製造業に近いと説明できる余地があります。

特に、製品が箱の中に組み込まれて、商品を固定し、保護し、陳列又は輸送に使われる場合は、紙器・紙製容器の関連部材として整理しやすくなります。

第二候補:1499 その他のパルプ・紙・紙加工品製造業

一方で、仕切りや鉢押さえが、箱や容器というよりも、単独の仕切り材・固定材・緩衝材にすぎないと見られる場合は、1499その他のパルプ・紙・紙加工品製造業に近いと判断される可能性があります。

1499は、購入した紙・板紙から他に分類されない製品を製造する分類であるため、特殊な段ボール加工品については予備的に検討すべき分類です。

避けるべき説明:1453 段ボール箱製造業を前面に出すこと

段ボール箱を製造していない段階で、「段ボール素材を使っているから1453段ボール箱製造業」と説明するのは危険です。

1453は、主として段ボール箱を製造する事業所をいう分類です。完成品が段ボール箱ではない場合、JAIMや入管審査で、分類の前提が違うと判断される可能性があります。

特定技能で誤りやすいポイント

「段ボールを扱っている」だけで対象と考えてしまう

段ボール素材を扱っていても、段ボール製造業、段ボール箱製造業、紙器製造業、こん包業のいずれに近いかは異なります。

重要なのは、素材ではなく、完成品と事業所の主たる製造活動です。

工業包装と製造を混同する

JAIM FAQでも、段ボール箱の製造を行わず、工業包装のみを行っている場合は、紙器・段ボール箱製造業には該当しないとされています。(一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM))

「包装作業」と「包装部材の製造」は別です。

細分類を無理に一つに決めすぎる

申請実務では、最終的に一つの分類で説明する必要がありますが、検討段階では複数候補を比較し、なぜその分類が最も近いのかを説明できるようにしておく必要があります。

特に仕切り・鉢押さえのような特殊な包装部材は、1454と1499の境界に立つ可能性があります。

出荷実績を軽視する

特定技能では、対象となる製品をその事業所で製造し、出荷している実態が重要です。

単なる予定、試作品、将来構想だけでは不十分となる可能性があります。製造品の出荷実績、売上実績、納品書等を整理しておくことが重要です。

谷島行政書士法人グループのサポート

特定技能の工業製品製造業分野では、制度対象となる日本標準産業分類に該当するかどうかの判断が、受入れ可否に直結します。

特に、紙器・段ボール箱製造では、次のようなケースで判断が難しくなります。

・段ボール箱ではなく、仕切り・固定材・緩衝材を製造している
・紙器と紙加工品の境界にある製品を扱っている
・複数の製品を製造しており、売上構成が分かれている
・工業包装と製造業の境界が問題になる
・JAIM入会や在留申請で、どの分類を主張すべきか迷っている

谷島行政書士法人グループでは、外国人雇用・特定技能・製造業分野の在留申請に関するご相談を承っています。

製品写真、工程表、出荷実績資料を確認したうえで、特定技能の対象産業分類に該当するか、どのような説明資料を準備すべきかを検討いたします。

まとめ

特定技能「工業製品製造業分野」の業務区分「紙器・段ボール箱製造」では、中心となる産業分類は 145 紙製容器製造業 です。

段ボール箱を製造している場合は 1453 段ボール箱製造業、印刷箱・貼箱・簡易箱などの紙器を製造している場合は 1454 紙器製造業 が有力です。

一方で、段ボール素材で仕切りや鉢押さえを製造している場合は、段ボール箱そのものではないため、1453を前面に出すのは慎重に考えるべきです。

この場合は、1454 紙器製造業を第一候補としつつ、製品の性質によっては1499 その他のパルプ・紙・紙加工品製造業も予備的に検討するのが実務上安全です。

参考資料・出典

・経済産業省「工業製品製造業分野で外国人の受入れ可能な産業分類・業務区分」
・一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)「製造業における特定技能外国人材受入れに関するFAQ」
・e-Stat 政府統計の総合窓口「日本標準産業分類 1453 段ボール箱製造業」
・e-Stat 政府統計の総合窓口「日本標準産業分類 1454 紙器製造業」
・e-Stat 政府統計の総合窓口「日本標準産業分類 1499 その他のパルプ・紙・紙加工品製造業

この記事の監修者

谷島亮士
谷島亮士

谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
外国人雇用・ビザの専門家として手続代理と顧問アドバイザリーを提供。ビザ・許認可など法規制クリアの実績は延1万件以上。


- 講師実績
行政書士会、建設やホテル人材等の企業、在留資格研究会等の団体、大手士業事務所、その他外国人の講義なら幅広く依頼を受ける。

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- 対応サービス

  • 行政対応
  • 外国人材紹介
  • 外国人登録支援機関業務
  • TAKUMI人事

- 資格等

特定行政書士、宅建士、米国MBA、中国語(HSK2級)他


- 略歴等

・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。


- 取引先、業務対応実績一部

・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他

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