在留期間3年で永住許可の再申請リスクとは?「5年ビザ」への準備
2026年04月24日
永住
在留期間3年で永住許可の再申請リスクとは?「5年ビザ」への準備
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この記事でわかること ・永住許可申請で重要な「最長の在留期間」とは何か ・永住許可申請で在留期間3年が認められる経過措置は、令和9年4月以降に不許可後の再申請をするとどうなるか ・5年ビザが必要なら早めに準備 ・技術・人文知識・国際業務など就労ビザ・身分系ビザから永住申請する方が今からできること |
永住許可申請で問題になる「最長の在留期間」とは
永住許可申請では、素行要件や独立生計要件だけでなく、「その者の永住が日本国の利益に合すると認められること」が必要とされています。
このうち実務で特に見落とされやすいのが、「現に有している在留資格について、最長の在留期間をもって在留していること」という要件です。
例えば「技術・人文知識・国際業務」の場合、5年が最長の在留期間です。
永住許可申請は在留期間3年でいつまで可能か
結論からいうと、令和9年3月31日までは、在留期間3年でも「最長の在留期間」として可能な経過措置があります。
さらに、令和9年3月31日時点で在留期間3年を持っている方については、その後であっても、当該3年の在留期間内に永住申請の処分を受ける場合に限り、その初回だけは経過措置が使えると解釈できます。
そのため、実務上は次のように整理できます。
・令和9年3月31日まで
在留期間3年でも、最長の在留期間要件を満たす扱いを受けられる
・令和9年3月31日時点で3年在留を持っている方
その3年の在留期間内に処分される初回申請に限り、引き続き経過措置の余地がある
・それ以外
原則どおり、現に有する在留資格について最長の在留期間(5年等)を持っていることが問題になる
令和9年4月以降に永住申請が不許可になった場合、再申請でも3年は通用するのか
ここが最も誤解されやすい点です。
結論として、「初回に限り」と明記されている以上、不許可後の再申請で同じ3年特例がそのまま当然に使えるとは考えにくいです。
・当該在留期間内に処分を受ける場合
・その初回に限り
上記から、初回申請で不許可になり、その後に再申請する場合には、同じ経過措置をもう一度使えないと考えられます。
この意味で、「令和9年4月以降は、在留期間3年のままの再申請は危険である」ということになります。
以上から、実務上安全な再申請は、次のとおりです。
令和9年4月以降に初回不許可となった場合、同じ3年在留期間のままで再申請しても、3年特例を再度使えるとは考えにくく、以後は原則どおり「現に有する在留資格の最長在留期間」を満たしているかが問題になる。
永住許可申請で在留期間3年の方が今すぐ注意すべきポイント
永住許可申請を検討している在留期間3年の方は、次の点に特に注意が必要です。
本来、永住申請は審査に時間がかかることがあり、申請時の在留期間だけでなく、処分時点でどのように扱われるかが重要です。
そのため、在留期間3年の方にとっては、次のような実務上の対応が重要です。
初回申請を軽く考えないこと
経過措置の文言上、「初回に限り」の重みは大きいです。
一度不許可になると、再申請では3年特例に再び乗れない可能性が高いため、最初の申請でどこまで立証を尽くすかが極めて重要になります。
在留資格の適合性を見直すこと
近時の永住許可ガイドラインでは、現在有している在留資格について、上陸許可基準等への適合も問題になります。とくに就労資格では、現在の職務内容・学歴や職歴との関連性・報酬・勤務実態など、在留資格の適合性そのものが改めて問われる余地があります。ガイドライン本文も、現に有している在留資格について基準適合が要件として置かれていることを示しています。
更新タイミングも含めて設計すること
初回不許可後は、単純に同じ資料を出し直すだけでは足りない場合があります。
その時点で在留資格更新を経て最長在留期間を取得できるか、あるいは別の論点整理が必要かを見極めながら、永住申請と在留期間更新のスケジュールを一体で設計することが重要です。これは申請前の戦略で差が出やすい部分です。
技術・人文知識・国際業務など就労ビザから永住申請する方への実務上の示唆
技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、経営・管理などの就労系在留資格から永住申請を行う場合、今後は単に年数だけではなく、現行の在留資格要件に現在もきちんと適合しているかがより重要になります。例えば「上陸基準省令適合性」が審査基準にされた今回の改訂ガイドラインでは重要な要素です。
とくに、在留期間3年の方は、以下を正確に理解した上で、早めに申請準備を始める必要があります。
・令和9年3月31日までの経過措置
・令和9年3月31日時点で3年を持つ方への初回限定措置
・初回不許可後の再申請リスク
谷島行政書士法人グループの見解
谷島行政書士法人グループとしては、今回の改訂ガイドラインについて、次のように理解しています。
令和9年3月31日まで、または同日時点で在留期間3年を有する方の当該在留期間内の初回処分については、3年でも最長在留期間要件を満たす扱いがあり得ます。
しかし、初回不許可後の再申請では、この3年特例を当然に再度使えるとは考えにくいため、在留期間3年のまま再申請することには大きなリスクがあります。
そのため、永住許可申請を検討している方、とくに就労ビザの方は、
「とりあえず出してみる」ではなく、初回申請の前に、現在の在留資格適合性・立証資料・再申請リスクまで見据えて設計することが重要です。
5年ビザを取るために。その他永住許可申請の相談
永住許可申請では、在留年数だけでなく、現在の在留資格の適合性、最長在留期間の扱い、立証資料の整理など、多くの論点があります。
今回のように、ガイドラインの経過措置が絡む場面では、初回申請の組み立て方が結果を左右します。
谷島行政書士法人グループでは、永住許可申請について、就労資格との整合性確認、追加資料の整理、再申請リスクを踏まえた申請方針の検討まで含めてご相談を承っています。
また、5年ビザをとるためのご依頼やご相談も可能です。この場合、会社や本人、また配偶者など家族の状況の要素も密接に関係します。
上記要素は在留資格によっても異なるため、5年の在留許可は申請直前ではできないため、お早めにご依頼ください。
永住許可申請・就労ビザの要件確認に役立つ規程・条項集を提供
永住許可申請や就労ビザの審査では、ガイドライン、上陸許可基準、省令、提出書類の確認が重要です。
谷島行政書士法人グループでは、企業・外国人方向けに、顧問先様へのサービスとして、実務で確認したい規程や条項の整理ポイントも踏まえてご案内しています。
・永住許可ガイドラインの重要チェック項目
・就労ビザと永住申請の関係で確認したい条項
・追加資料が出やすい論点の整理ポイント
出典:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
出典:出入国在留管理庁「永住許可(入管法第22条)」
出典:出入国在留管理庁「永住許可関係」
出典:出入国在留管理庁「永住許可申請」各案内ページ
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この記事の監修者

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谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士
外国人雇用・ビザの専門家として手続代理と顧問アドバイザリーを提供。ビザ・許認可など法規制クリアの実績は延1万件以上。
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特定行政書士、宅建士、米国MBA、中国語(HSK2級)他
- 略歴等
・札幌生まれ、仙台育ち、18歳から東京の大学へ進学。
・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。
- 取引先、業務対応実績一部
・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他
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